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蒼き星の守護者 ~星を救う英雄と英雄を殺す少女の物語~  作者: りの
ウィル編 第二章 ~あの空にもう一度虹を架けて~
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—08— 岩の遺跡

 ウィル達は村の裏山から川に沿って上り、村長が教えてくれた遺跡を目指すことにした。裏山は村から川に沿ってほんの少しばかり森の中を歩いたところにあり、その入口にはその高低差と川によって作られる滝があった。とは言っても今は水が流れていなく、その岩肌や乾いた土が露出してしまっているが。


 裏山の入口まで付いて来てくれたコルネによると、かつてはここに轟音を立てて流れ落ちる滝があったのだとか。その滝によって描かれる七色の虹を見ることがこの娯楽の少ない村での子供達の数少ない楽しみだったと悲しそうにコルネは言う。


 そんなコルネに向かってクラウは水も子供達の笑顔を取り戻してやるさと格好つけたことを言っていたがその直後に、だから今度デートしようなどといったものだから金属製のすね当てに覆われていないふとももをフェルナに思いっきり抓られて悶絶していた。


 さて、コルネが書いてくれた地図に従って川を上り、目印となる大きな岩のところで川から離れるように森の中を歩いて行ったウィル達の前にはとても人が登れない傾斜の岩壁が広がっていた。そんな岩壁の中央にぽつんと大人二人が入れそうな大きさの穴が空いていた。


「うわー・・・、いかにも遺跡って感じがするね!」


「すごい・・・」


 あまりヴィオラの街やブルメリア王国の城下町以外に行ったことのないラスとメルトの二人は呆気にとられていた。


「ほらほら、二人共ちゃんと下を見て歩かないと転んで舌噛んじまうぞ」


 遺跡の方を見て喋りながら歩いている二人にクラウは足元に気を付けるように注意をした。


「どうやらここの遺跡には門番はいないみたいですね。俺が今まで見てきた遺跡には門番がいて資格や通行書の確認をしていたところがあったのですが」


「まあこれだけ人がこなさそうなところだと人件費もかかっちゃうしいないのかもしれないね。それよりもウィルってディガーの資格はヴィオラの街に来てから取ったんじゃなかったっけ?あれー、もしかして悪いことでもしてたのかなー?」


「え!?あ、あはは、嫌だなーフェルナさん。ディガーになるために遺跡のこといろいろ調べたり見たりしてただけですよ」


「ディガーの資格取ったばかりにしてはオーパーツの分析も慣れていたみたいだしどうだかねー」


「あははは・・・」


 なかなかフェルナに鋭いところを突かれ、ウィルはたじろいでいた。


「さて、お前ら準備はいいか?放置された遺跡の中は野生の動物がいるかもしれないしどんな罠が残っているかもわからねぇ。しっかりと用心しておけよ!念のため俺が先頭を行くからお前達三人は安全が確認でき次第後ろから付いてこい。ウィル、お前はそこそこ戦えるみたいだからしんがりを任せてもいいか?」


「はい、わかりました!」


「よし、それじゃあ行くぞ!」


 ウィル達はクラウを先頭にして松明を照らし、遺跡の中へと入っていった。


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イマテカ倉庫の蒼き星の守護者のキャラクター紹介ページ(キャラ絵有り)です
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