表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小学生の恋物語。  作者: けふまろ
クリスマス
72/95

想太の思い。

 俺は家を出た。


 綺麗な街並みが俺の心をどんどん飾っていく。

 装飾された街は、弟か妹が出来る俺の心に響くような綺麗さで。

 加奈の事もあるし、兄弟への不安もある。


 でも、その不安を乗り越えてやってくるのは、幸せだ。

 自分はこんなにも幸せに恵まれているのだ。


 もし、友達も多い人気者が、家族にも愛されている人気者が、習い事や学校の勉強が上手く行かなくて、「死にたい」って言ってきたら。

 俺は、何て言うだろう。


 世の中、沢山の人達がいる。

 世界のあちこちで、住む家も、食べる物も、着る服もない人達が、給料が少ない仕事に就いて、少ないお金で、どうにか生きようと頑張っている人もいる。

 虐待されて、自分に価値があるのか分からない人もいる。でもその人も、相談室に駆け込んで、生きる希望を無くさないために、頑張っている。

 いじめられて、自殺してしまった人がいる。周りの人がその人を死ぬまで追い詰めた。だから自殺してしまった。でも、その人も、生きようと頑張った。


 だから、友達から、家族から、皆から愛される人気者が、そんな簡単に死ぬなんて言っちゃ駄目だ。

 ましてや、その人が本当に死んでしまったら、一番辛いのは、苦しい思いをして死んだ本人よりも、大切にしていた人が、二度と帰ってこない場所に行ってしまった、周りの人だ。

 だから、絶対に、容易く死にたいなんて言わない方が良い。


 俺は、その人気者に、そう言う。

 

 生きているだけで、素晴らしい。

 命がある。それだけで幸せだと思う。

 着る物も、食べる物も、住む場所もあって、友達や家族から愛される。そんな人が、勉強や習い事が上手く出来なかったからって、死ぬのは、絶対に間違っていると思う。

 たとえ、皆から必要とされなくても。

 皆から邪魔者扱いされても。

 餓死しそうな空間にいても。

 生きる希望が、見付からなくても。


 それでも、世界には、その人を助けたがっている人がいる。

 そして、俺も、その一人だ。


 昔、雑誌で、世界のある街が爆破して、大勢の人が死に、多くの建物がボロボロになった事件があった。

 そこで一生懸命生きている人達が、そのライターによって映し出された。


 最初は、「こんな所に住んでるの、ええ、ありえない!」と、自分の部屋の、暖かい布団の中で、笑いながら読んでいた。


 でも、その行いは、間違っていた。


 世界中の、俺と同じくらいの年の子供達が、一生懸命働いて、少ないお金でどうにか生きていく姿を見て、俺は今やっと、気持ちが変わったのだ。

 今、俺は、弟か妹が生まれるかどうかの空間にいて、友達とは違うような意味で「好き」と言ってくれる人がいて、友達や親友に囲まれて、家族に愛されて。

 でも、この人達は、生きるか死ぬかの境目にいて、いつまた街がめちゃめちゃになるか分からない、皆は自分が生きる事で精一杯で、他人のことなど目を向けようともしない。

 

 そんな境遇にいる人達が、いつか今の俺みたいに、幸せになる日が来るように。

 

 俺はそう願っている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ