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小学生の恋物語。  作者: けふまろ
クリスマス
68/95

恋が実りますように。

 私は、莉以君と話し終わり、ミサちんと別れて下見に戻った。

 飲食スペースはこの前チャーハンを選んだ中華料理店にしようかな。

 そしてカフェは、ショートケーキが美味しかったこのカフェで。

 ショッピング…は、兄から貰おう。何かあの人私にべったりだからな。利用出来るだけ利用してしまおう。

「あ、加奈さん!」

 ふいに名前を呼ばれ、振り返る。

 莉以君にもつい先程呼ばれたが、この声は女の子だ。

 さえっちやミサちんは、「加奈さん」なんて呼ばないから、きっと…。

「宮野さん! …それと、誰?」

 宮野さんが私に手を振る。その宮野さんの隣に、私より年下の男の子とがいる。

「私の隣にいるのは弟の葉音(はのん)

「葉音です。花音お姉ちゃんの弟です」

 宮野葉音君は会釈をした。

「花音お姉ちゃんのお友達?」

「正確に言うと、お姉ちゃんのお友達のお友達。加奈さんって言うんだ」

 宮野さんが私を紹介する。私は葉音君に「加奈です」と言った。

「加奈お姉ちゃん。…加奈お姉ちゃん~」

 可愛い~!

 まだ一年生になっていない、可愛らしい弟だ~。

「花音お姉ちゃんがお世話になってます」

 幼い葉音君を愛でることに躍起になっていると、宮野さんが「加奈さんはどちらへ?」と言った。

「え? …私は、想太と一緒に遊びに行くんで、その下見に…」

「あ~、そうなんですか? 私も、遥君が誘ってくれたんです、遊園地に。そのお礼に、このデパートで買おうかなって思って。とっても綺麗ですよねこのデパート。遥君と一緒に周りたいな~なんて」

  宮野さんが買った物は全て遥君の手元に残るのである。しかも、このデパートを周るって、遥君にとっては自分の家の庭を周るようなもんだけどね。

 それは言わないでおこう。

「加奈お姉ちゃん、またね~」

 可愛らしい葉音君が、宮野さんの手を引いて歩き出した。


 そのとき、宮野さんの目の前に、誰かが現れた。

「きゃ~!!」

 宮野さんが葉音君を抱き寄せて目を伏せる。どこまでも弟思いな宮野さんに、思わずキュンとしてしまう。

 って、そんなんじゃなくて!

「……って、何してんの、遥君!」

 宮野さんが叫んだ。

 …え? 遥君?


「バレた?」

 

 遥君が、宮野さんにペロッと舌を出した。

「もう、バレた? …じゃないでしょ、すごくびっくりしたよ!」

 宮野さんは遥君を軽く叩く。「へへへ…」と苦笑いをしている遥君。

「僕、びっくりしたぁ…」

 心底驚いたような顔で、葉音君が呟いた。

「ごめんね、葉音君」

 遥君が謝った。

「何で私に謝らないの? …遥君ってば勝手~」

 宮野さんがまた笑いながら遥君を小突く。そのやり取りを見て、私は、ホッとした。

 遥君の恋が、どうか、無事に実りますように…。


 そう思いながら、私はその場を後にした。

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