アドバイス
冬休みが始まった。
母親曰く、「宿題は毎日やった方がいい」とのこと。
なわけで俺は、宿題を朝やっている。
すると、俺のスマホに、電話がかかってきた。
「あっ、加奈じゃん。……しもしも~?」
「うるさい、とっとと話をしたいから、手早めに」
加奈はいつになく不機嫌な様子で登場してきた。
「ちょっとぉ、いきなり「うるさい」は無いんじゃないのぉ?」
「あるよ。電話した途端に「おっせぇんだよ」とかよく言うでしょ?」
「見たことはあるけど遭遇したことはないよ」
「あっそ。それよりもさ」
加奈は俺の言葉を無視して、話を続けた。
「昨日さ、遥君から電話あったの」
きっと宮野花音の話だろう。
「宮野さんの話なの」
だろうな。やっぱり。
「告白したいんだけど、良い告白の仕方が思い浮かばなかったんだって」
加奈は自分のことのように困っている。
「遥はモテるから、一発OKだと思うけど」
「まず告白しなくてもOKって感じだよね」
加奈も同意してくれる。嬉しくなった俺は、今ここにいない遥にアドバイスを下した。
「まぁ、ロマンチックな場所で告白する方がいいんじゃない?宮野さんは、女の子っぽい子だから、そういうロマンチックな場面に弱いんじゃないかな」
「アンタ調子に乗ってんじゃないわよ」
心を見透かされた。ちょっと悲しかったけど、加奈はちょっと笑っているように思えた。電話越しだからあんまり分かんないけど。
「まぁ、その方法は確かにいいかもしれないね。遥君に言っておくよ」
「宜しくね」
俺はそう言って電話を切った。
そして俺は一日の宿題を終わらせた。
一つ、良いことをしたと思いながら。
今頃、加奈は遥にアドバイスをしているんだろうか。
それだったら、良いよなぁ。
伸びをして、俺は本棚にあった本を手に取った。
カレンダーの、二十四日に、赤丸が付いている。




