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小学生の恋物語。  作者: けふまろ
遥の恋。
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好きであるように。

 宮野さんは、お嬢様って格好で、とっても可愛い女の子だった。

 成る程、遥君が惚れるのも、理解出来る。私が男子だったら、恋に落ちていたな。

 私は宮野さんを見る。身長こそ遥君の顎ぐらいだったけど、足が長くて、細い。

 私が宮野さんに見惚れていると、宮野さんは話しかけてくれた。

「どうも。貴方が、遥君のよく話している、砂月加奈さん?」

 その笑顔が本当に可愛くて、私は、ボーっとしながら頷いた。もちろん話を聞いていなかったわけじゃない。

「そうなんだ、遥君から聞いてるんだ、本当に良い人だって」

 宮野さんはサラサラな髪をなびかせて言った。風が吹くと、ほのかにシャンプーのいい香りがした。

「え、そうなの遥君。私、そんなんじゃないのに」

 私は、遥君に向かって、目を丸くする。遥君はそっと視線を外した。

 クスクス笑った宮野さんが、いきなりこう言った。


「ねぇ、加奈さん、今度、折り紙教えてくれない?」


「折り紙?」

 折り紙とは何ぞや。私は鶴すらも折れない砂月加奈だぞ。

「実は私、紙飛行機も折れないほど不器用なんだ。裁縫とか料理とかてんで駄目なの。家庭科の成績最悪なんだ。今度、教えてもらえる?」

 宮野さんの意外な欠点に、遥君は驚いたような表情をした。確かに、女子という存在を主張するのに重要な家庭的な面が不得意だなんて、誰が想像していただろうか。

「あ、じゃあ今度、私の家来てください」

 さえっちが宮野さんに言った。

「え、でも…。家に行くんじゃなくて、図書館で折り紙の本を借りて、それで学校とかで折り紙をと…」

 いきなりのお誘いに戸惑う宮野さんに、さえっちが更に言った。

「大丈夫。私の家のお手伝いさんが、料理の作り方とか、折り紙の折り方とか丁寧に教えてくれてるから」

 流石さえっち。そして流石お手伝いさん。ベテランさんはすごい。

「じゃあ、お言葉に甘えて、今度行ってみようかな」

 そしてこんなときにも礼儀正しい宮野さん。女子力高すぎだろ。


「じゃあ、私達、もう塾行く時間だから、帰るね」

 中庭でずいぶんと話していると、茜色の空が見え始めた。

 遥君と宮野さんは、二人で歩いていった。


 公民館からの帰り道。私はさえっちとミサちんのご厚意で、想太と一緒に帰らせてもらえた。

「は~。楽しかったね、想太!」

「うん」

 想太は、笑みを浮かべていた。

 その笑顔に、私はますます明るくなって、想太の手を繋いだ。


「わっ、何、加奈…」

 想太は白い顔を少し赤く染めて、私の手を必死に離そうとした。

「いいじゃん、いいじゃん! こういう人達もいるんだよ、後もうそろそろでクリスマス! …あ~、宮野さんと遥君、クリスマス一緒に過ごせるといいね!」

 私は心からそう思った。どうか、クリスマスの街中で、楽しそうにデートしている二人がいますように!

「加奈って何で人の幸福を願うわけ?」

「ん?」

 ふいに想太からそう聞かれた。…そう言われても…。


「だって、私達も、そうなりたいんだもん!」


「ば、馬鹿言うなっ、お、俺達は…」

 

 想太は顔を赤くした。

「クリスマス、一緒に過ごしたいけど、それただの…。リア充じゃん?」

「何言ってんの想太!」

 私はネガティブ発言をしている想太に向かって言った。


「皆が幸せであるのが、私の願いなんだ!

 それは、家族であれ、友達であれ、遥君と宮野さんであれ、そして、想太と私にも、当てはまるんだよ!」


 今、私、超カッコいいこと、言った!?

 言ったよね?


「…ま、良いんじゃない?…俺も、加奈と一緒にいたいし…」


 その言葉を待っていた。


「ありがとう!想太、大好きぃ!」

 私は、心の中で何度も思っていたことを、口にした。

 すると、想太は思った以上に赤くなり、隠すようにボソッと言った。


「俺も、加奈が好きだから」


 私は、その言葉に、恥ずかしながらも笑って、想太の手を、空に向かって、突き上げた。

このまま最終回で良いと思った。

だけど、加奈が六年になるまで、書こうと思った。

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