転校生の嘘4
家を出たとき。
ふと、紗枝さんが目に入った。
けれど、そこにいつもの三人の姿はない。
紗枝さん、美咲さん、加奈が揃ったのが、いつもの三人組。しっくり来るのに。
「おはよう想太ぁーっ!」
「あぁ、健一、おはよう」
俺は寂しそうな紗枝さんを見つめた。
何か、昨日の万引きの話のことで、美咲さんと絶交しちゃったのかな。
「おい想太、どうしたんだよ、紗枝先輩の方を見て。…まさか、加奈先輩から、乗り換え?」
健一がふざけたことを言う。俺は殴りながら学校へ向かった。
「おは、よう…?」
健一と俺は、朝一番、クラスの異変に気付いた。
「どうしたんだ、この異様な空気」
恐らく昨日の紗枝さんの万引き事件の話かと思ったけど、言わないでおこう。
「ねぇ想太君」
「ん?」
裕香と奈波だ。そういえばこの二人と話すのも、久しぶりなような気がする。
「昨日、美咲先輩の家へ行ってたって本当?」
「万引きした紗枝さんと遊んでたって、本当?」
二人から立て続けに質問され、俺はランドセルを下ろして落ち着かせた。
「ちょっと待って。何で二人が知ってるわけ」
「私、桐野さんから聞いたんだ」
奈波が言った。同意するように、裕香も頷いた。
「五年生の女子が、桐野さんを先頭に歩いてて、その、小池茉莉花さんって人が私に声かけてくれたの」
「それでこのこと知ってたってわけか」
「大ニュース!」
俺が納得していると、桐野実優が乱入してきた。というより、クラス一緒だから乱入ってわけじゃないんだけど。
「どうしたの、桐野さん」
裕香が教室の戸を振り返った。
「大ニュース! 佐藤美咲と山田紗枝が大喧嘩! 仲裁役の砂月加奈は何らかのショックでただ今保健室!」
突如、クラス中に大声が轟いた。
「マジで!?」
「大喧嘩!? あの大人っぽい美咲さんとお嬢様な紗枝さんが!?」
皆そっちに集中している。いや、集中しているのは女子だけだ。
「って、加奈何らかのショックで保健室の方がヤバくない?」
健一が叫んだ。
俺は、教科書の用意などもせずに、保健室に駆け込んだ。
その後、俺が加奈の方へ駆け寄ったことが分かった4-1は微妙な雰囲気が漂っていた。




