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小学生の恋物語。  作者: けふまろ
転校生と友情
54/95

転校生の嘘4

 家を出たとき。

 ふと、紗枝さんが目に入った。

 けれど、そこにいつもの三人の姿はない。

 紗枝さん、美咲さん、加奈が揃ったのが、いつもの三人組。しっくり来るのに。

「おはよう想太ぁーっ!」

「あぁ、健一、おはよう」

 俺は寂しそうな紗枝さんを見つめた。

 何か、昨日の万引きの話のことで、美咲さんと絶交しちゃったのかな。

「おい想太、どうしたんだよ、紗枝先輩の方を見て。…まさか、加奈先輩から、乗り換え?」

 健一がふざけたことを言う。俺は殴りながら学校へ向かった。


「おは、よう…?」

 健一と俺は、朝一番、クラスの異変に気付いた。

「どうしたんだ、この異様な空気」

 恐らく昨日の紗枝さんの万引き事件の話かと思ったけど、言わないでおこう。

「ねぇ想太君」

「ん?」

 裕香と奈波だ。そういえばこの二人と話すのも、久しぶりなような気がする。

「昨日、美咲先輩の家へ行ってたって本当?」

「万引きした紗枝さんと遊んでたって、本当?」

 二人から立て続けに質問され、俺はランドセルを下ろして落ち着かせた。

「ちょっと待って。何で二人が知ってるわけ」

「私、桐野さんから聞いたんだ」

 奈波が言った。同意するように、裕香も頷いた。

「五年生の女子が、桐野さんを先頭に歩いてて、その、小池茉莉花さんって人が私に声かけてくれたの」

「それでこのこと知ってたってわけか」

「大ニュース!」

 俺が納得していると、桐野実優が乱入してきた。というより、クラス一緒だから乱入ってわけじゃないんだけど。

「どうしたの、桐野さん」

 裕香が教室の戸を振り返った。

「大ニュース! 佐藤美咲と山田紗枝が大喧嘩! 仲裁役の砂月加奈は何らかのショックでただ今保健室!」

 突如、クラス中に大声が轟いた。

「マジで!?」

「大喧嘩!? あの大人っぽい美咲さんとお嬢様な紗枝さんが!?」

 皆そっちに集中している。いや、集中しているのは女子だけだ。

「って、加奈何らかのショックで保健室の方がヤバくない?」

 健一が叫んだ。

 俺は、教科書の用意などもせずに、保健室に駆け込んだ。


 その後、俺が加奈の方へ駆け寄ったことが分かった4-1は微妙な雰囲気が漂っていた。

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