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小学生の恋物語。  作者: けふまろ
旅行
36/95

バスで恋バナ、皆の情報

 ジリリリリリリリリリリリリリリ!

 目覚まし時計が鳴る。

 今日は旅行に行く日だ。つまり振り替え休日…、ヤバイ眠い眠い眠い。

「よぉ加奈! 今日は旅行に行くんじゃねえのか、遅れるぞ。って、今六時だもんな。そりゃ眠い眠い」

「お兄ちゃん他人事みたいに言わないでよ!」

「ごめん俺今日サッカーの試合だからこれに関しては他人事なんだ」

 ちくしょおおおおおおおおっっっ!!


 今は午前六時四十五分。

 ただいま、ミサちんのマンション前。

 来たのは、弟の莉以君、さえっち、私、ミサちん、想太、遥君、心愛さん、里穂さん、直哉君、徹君、清香さん、萩尾。

「寒いんだけど…。ねぇ私どれだけ走ってきたか知ってる?」

 里穂さんが鼻を赤くさせながら呟いた。

 確かに今日は冬並みに寒い。マフラー必須だ。

「安心してよ。貸切バスには、暖房付いてるから…」

「もし間違って冷房付けたら地獄だけどね」

 私のツッコミに、皆は少し笑った。

「あ、来たね、おーい!」

 遥君は手を振った。いやいやバスに手を振るってどんな状況だよ。


  ◆◇

 

 バスは数時間走り、車内は何かの恋愛ムードが入っていた。

 前の席が男子組、後ろの席が女子組と、かなりの男子会女子会の雰囲気が漂っていた。

「なぁなぁ、萩尾君って誰好きなの?」

 遥の発言に、萩尾はチラッと後部座席を見ながら顔を赤らめた。

 その視線の先には、一番元気のある少女の姿が移し出された。

「俺が好きなのはね…」

 萩尾の告白に、男子は顔を真っ赤に染めた。

「へぇ、お似合いお似合い! デートしちゃいなよ!」

 徹が萩尾にツンツン、と突付きながら言った。

「ば、馬鹿! 言えるわけねーだろ、あいつに、あいつに!」

 萩尾は少女の方を指差す。


 当の少女も皆から質問攻めされていた。

「清香ってさ、萩尾のドコが好きなの?」

 美咲の言葉に、清香は顔を赤らめ、「全部、好き」とボソリと呟いた。

 途端に女子組から黄色い悲鳴が上がった。

「へぇ、清香が、『萩尾』を、ねぇ…」

 わざと萩尾を強調した美咲は、顔を真っ赤に染めた萩尾をじっと見つめた。


 やがてバスは高速道路に入り、パーキングエリアで昼ご飯を買った。

 遥は色々買っていたが。


  ◇◆


「このパン美味しいね!」

 俺がスマホを操作しながらペットボトルの麦茶を飲んでいると、加奈が可愛らしい笑顔を向けた。

「想太、『ニコ☆らぶ』の子とはどう?」

「ど、どどどどどどどどどどどうって!?」

 突然の加奈の言葉に、一瞬麦茶を噴出しそうになった。

「メルアド交換したんでしょ?」

「したけど登録してないよ」

「あちゃ~、しなよ、『ニコ☆らぶ』とメルアド交換なんて百人で一人の割合でしかゲット出来ないと思うよ~」

 加奈はそう言って俺のスマホを覗いて来た。

 やめろ、俺のスマホの中での加奈の名前を見たら、きっと引いちゃう…。

「私、何て言う名前で登録されてるの?」

「あ、ちょっと!」


「『どんな奴より優しい、超大好き(恋愛的な意味で)な先輩』?」


 加奈が大声で音読すると、バスの中にいた皆がぶっと噴出した。

 運転手も吹いたらしく、一瞬バスがぐら付いた。


「ちょっと、加奈の名前、そんななの?」

 美咲さんが俺のスマホを覗き込み、自分のキッズケータイと見比べて噴出した。

「私でも『大親友、砂月加奈』だよ?」

「私も、『砂月加奈ちゃん』って名前ですよ?」

「僕も、『加奈さん』だよ? 何で本名入れないの?」

 遥と紗枝さんと美咲さんの言葉に血を塗りたくったような赤い顔の加奈。

 俺も多分赤くなっていると思う。耳が熱い。

「まぁ、これもカップルの特徴?」

 美咲さんの言葉に、俺と加奈は同時に叫んだ。

「「カップルじゃないって!!」」

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