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小学生の恋物語。  作者: けふまろ
運動会とライバル
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実優の作戦

 『ニコ☆らぶ』一の美少女、桐野実優。

 彼女はマネージャーの運転する車の中で考えていた。

「ねぇ、私、あそこに転校したいんだけど…」

「ふぅん、東麻呂市立第十小学校ね…。公立だけど大丈夫なの? 実優ならもっとお嬢様が通う学校に行くと思ったわ。貴方が大好きな芸能人が通っていた小学校は、超有名な大学の初等部だけど」

「気にしないわ。私にお似合いの可愛い男の子見付けちゃったから」

 実優はスマホを見て微笑んだ。

 そこには、加奈と話す想太が写っていた。

「あの子、誰よ…。私よりもブスじゃないのよ。こんな子に想太君は相応しくないわ。彼に似合うのは、私のはずよ」

 実優は可愛いマニキュアの付いた爪を噛んだ。

『ニコ☆らぶ』の撮影が終わった後、実優は控え室で、後輩達と駄弁っていた。

「今日近所の学校の運動会に行ったんだけどね、超可愛い男の子いたのよ! 同年代の」

 そう言って実優は、スマホで撮った想太の写真を皆に見せた。

「可愛い! 何この子超可愛い! っていうか隣のブス誰? 全然似合わないじゃん! ブスブスブス! えいえいえい!」

 あんた達も同じブスよ、と言おうとしたけど、やめよう。私の好感度が下がる。


 実優は腹黒い女なのだ。

 自分の利益の為なら人に損を負わせてもいい。そんな子だった。

 私は想太君に相応しい。あんな女はブスと付き合えばいい。超お似合いだ。

 私は美少女だ。『ニコ☆らぶ』のセンターを飾っている。姉の麗奈は、『キラ☆らぶ』という『ニコ☆らぶ』の姉妹雑誌のセンターだ。

 それ故に私はクラスの中で微妙な立場に立たされていた。

 『ニコ☆らぶ』の専属モデルだからって調子乗ってんじゃないわよ馬鹿。

 いつか六年生に言われた言葉だ。そのせいから私は皆に無視された。

 だけど、あの東麻呂市立第十小学校というのはすごく単純だ。モデルがいるとすれば皆がワーワー言ってくれるタイプ。

 特に五年生と想太君との会話を聞いていると、実優は皆に崇められている。女王様状態って感じだ。

 というかああいうブスは絶対オシャレになんかなれないから、気にしてないけど。きっと、想太君はあんな女のこと、気にしていないだろう。

「野崎さん、早速手続きをしてちょうだい」

「え、でも学校、すぐさま転校しなくちゃいけないでしょ? 思いつきで転校するのもどうかと思うのよ」

「今日焼肉に連れてってあげるわよ。あとマンションの家賃今月分全部払って借金も返済してあげるわ」

「よしすぐに行こう。家族に電話するからね」

 本当に、野崎知佳(のざきちか)というマネージャーは単純である。

ホント、思いつきで転校するなんてお金持ちにしか出来ないことだよね。

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