遥の想いと合コンのお誘い
彼女は今想太君を連れて歩いている。
中華料理屋で出会った少年、想太君はジャニーズ似の容姿をしていた。
驚くほど加奈さんにべたべたくっ付いており、加奈さんもそれをちゃんと受け止めている。
年下が年上に甘える等極々普通のことなのだが、この人達の場合はやっぱり違う。
くっつきすぎだと思うのだ。
想太君が加奈さんのことを好きだとしても別にどうってことない。こちらの権力でどうにでもなる。
僕の結婚相手はもう既に決められていた。
山野心愛という山野グループの会長さんの娘。
バイオリンもピアノも塾も行ってるそうだ。僕はこの子ほど華やかで凛とした人はいないと思う。
心愛はロングヘアでかなりの美少女。
美少女なのはすごくいいポイントなのだが、ちょっとツンとしていて自分がお金持ちなのを鼻にかけているのだ。
心愛は全国でも有名な学校に入学している。確かなんかの初等部だったような。
そんな心愛も僕のことが将来の夫だと分かった途端に優しく接してくれた。
そもそもそうやって結婚させること自体間違っている。この間塾の隣の席の子にその事を言ったら
でも僕は心愛となんか結婚したくない。僕は本当に、本当に加奈さんと結婚したいのだ。心愛なんかよりも、絶対に。
想太君と仲良さそうに歩いている加奈さんを僕は呼び止めた。
「あの、加奈さん」
「ん?」
「今度、塾の友達と合コンするんだけど、行く? 想太君も」
ドキドキしながら柔らかな笑みを浮かべて、加奈さんに微笑みかける。
加奈さんは暫く考えてからこう言った。
「行きたい! 塾の友達? 私、何も習い事していないからさ!」
「え? 習い事してないの?」
「してない」
想太君も驚きのご様子。
「どんな子を招待してるの? あと想太も行く?」
「行く」
「そうか。想太も行くか。ねぇ、どんな子が行くの?」
「山野グループの令嬢の山野心愛さんと大企業の社長さんの息子の鈴木直哉。あと四葉グループ社長の娘、四葉里穂さん。あと親がエリート企業の重役の大橋徹君に、山田グループ会長の孫娘の山田紗枝さんに…」
「ちょっと待った…!!!」
急に加奈さんの寸止め。
「山田紗枝って私の友達ってこと知ってる?」
「え、そうなの?」
「うん。そうなの。まぁ私の友達も呼んでくるから! あの超有名な三人組! あの一人が私でもう一人が山田紗枝、さえっちなの!」
「うそぉぉぉぉ!」
僕は飛び跳ねた。
「大丈夫なの、予定とかはない?」
「うん。ないよ。それじゃあね」
彼女は想太君の手を引いて帰っていった。
こうしてデートは終わった。




