想太参戦
「どうしちゃったの、何でここにいるの?」
加奈が驚きに満ちた表情でこちらを見ている。
「お、おおおおおお俺も買い物に来てるんだよ!」
俺は必死で言い訳をする。
「何、おつかい? あんた、兄弟いるんじゃないの?」
「いないけど?」
まさか、加奈が俺の家族構成すら分からないなんて、ちょっとショック。
いや違うわそうじゃなくて。
「おつかいって近くのスーパーじゃないの?」
「今日は両親と一緒に来てて…」
言い訳2。
「何であんた一人で飲食スペースに来てるわけ?」
「うぐぐ…」
加奈との戦い。
見事に負けた俺は遂に白状した。
「つまり、私が遥君のお屋敷から出てくると、ずぅっと私達をつけていたってことね」
「うん…」
「全く…。一体何が心配だったわけ」
しかし加奈は、ストーカーまがいのことをした俺にも、優しくしてくれた。
「もしかしたら遥に加奈が取られちゃうかもって!」
思いっきり大きな声で言う。
加奈は一瞬顔を赤らめて、大きな溜息をつく。
「あのねぇ、そんな確証も無いことをバンバン言わないの。そんなわけないじゃん、遥君が私のことを好きなんてありえないありえない」
「でも、デートに誘うなんて!」
「確かにその理由は分かんないけど、でもさ、想太も一緒に行く? きっと楽しいよ?」
「…うん分かった。俺も一緒に行く。何かあったときは必ず守るから」
「頼もしいね」
そう言って加奈は俺の手を握った。




