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屋上にて

 そして放課後。今日の食事は何にしようかなあと考えていた俺の袖をちょい ちょいと引く奴がいる。警吾だった。

 あごで着いて来いと促される。

 連れてこられた先は夕日が沈もうとしている屋上だった。遠くでブラスバンド部の練習する音が聞こえる。

 長い髪がさらさらと風に揺れる。

 告白にはうってつけのシーンだなとどうでもいいことを思った。

「ねぇ、あたしたちこのままでいいのかな?」

「……」

 なんとか上手く行っているからこのままでいいんじゃないか、と言おうとしたが、警吾の真剣な眼差しに軽々と口にするのははばかれた。

「あたしライカ君に好きなこと伝えたのにこれじゃ腐女子のネタにされちゃう」

「気にしているのそこかよっ!」

 まぁ、ライカはああいっていたが、要はロリが趣味ってだけで年齢は関係ないんだよな。エロゲーだって名目上は十八歳以上なわけだし。その点、薬院蒼流はちっちゃいし、ライカ的には三次元でギリギリありかも。

 俺も美少女生活を満喫しようとしていたが、どうにも自分の身体に欲情できなくて満喫しているとはいいがたい。変化といえば、最近になって周囲の男子の俺を見る目が変わってきたことぐらいか。男子っぽい女子は一部に需要があるからな。やっぱり薬院蒼流は可愛いんだよな。……って男子にモテてどうするんだよ。

「そうかライカに好かれるには元にもどるしかないもんな」

「いや、そうじゃないの。そうじゃなくて……」

何か歯切れが悪い。警吾の顔が真っ赤なのは、夕日の照り返しだけのせいだけじゃないように見える。

 警吾は気色悪く身体をもじもじさせた。何か言っているが小さすぎて聞き取れない。

「何言ってるのか聞こえねーよ。はっきり言えよ」

 唾を飲み込み、意を決し叫ぶように警吾は言った。


「でも本当は、あんたのことが一番好きになっちゃたのよ!」


「……はぁ!?」


「あたし薬院蒼流は山王警吾のことが好きになったの。だから身体が入れ替わったままじゃ困るの!」

「いや、困るって……はぁ!?」

 思いもよらぬ告白に俺はバカみたいに同じ反応と言葉を繰り返していた。

「おま、お前、昨日ライカのことが好きだって告ったばかりじゃないか」

「あの変な会の人たちを見て、あたしもその内の一人だったと気づいたの」

「いや、お前はちがうだろ。ライカに好きになってもらおうとゲームだって上手くなってただろ」

「あれは、途中から本当にはまちゃって強くなったってだけで……」

本当に何言ってんの? あたふたと言葉が出てくる。

「大体、俺のこと嫌いじゃなかったのかよ」

「それは言葉のあやってやつで。仕方じゃないいつの間にか好きになっていたんだから」

「わからねー。お前が俺を好きになる理由がわからねー」

「あんたは魂が交換されてからも文句を言いながらも一生懸命になって助けてくれた。それが嬉しかった」

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