対決3
やたらとでかい影――警吾が吼える。
「あたしに文句があるなら直接あたしに来ればいいでしょ!」
俺は今度こそ本当にがくりと崩れ落ちそうになった。いや、お前と俺入れ替わっているのこいつらしらねーし。
「何こいつ。ライカ君との仲をあたしたちが妬いているとでも思っているの」
ほら、早速。変な誤解受けている。
会長は思いがけない警吾の登場に若干引きつつも、冷静さを取り戻すと俺の姿が警吾から見えないように囲むように指示をしてから言った。
「あたしたち薬院さんとお話してただけなんだけど、あんたに何か関係あるの?」
「関係大有りよ。あたしの綺麗な身体になんてことしてくれてんのよ」
俺の体のことを心配してくれているんだろうけどなにかが違う気がするのはなぜか。
会長はきょとんとした。
「あたしの綺麗な? さっきから何言っているかさっぱり解からないわ」
「と、とにかくあたし――薬院さんに暴力を振るうのを許せないだけよ」
へーとわざとらしく驚いた表情を作ると、余裕たっぷりで会長は続けた。
「あんたもしかして、薬院さんのこと好きなの?」
「ちがうわ。誰があんなやつ。あたしがすきなのは」
意を決して警吾は言った。
「……あたしがすきなのはライカ君よ!」
「王子と野獣よ!」
「ガチホモきたー」
女たちがキャーキャー騒ぐ。
そりゃそうだろ傍からみれば、ガチホモと告白しているようなもんだから。
警吾が真っ赤になりながら叫ぶ。
「うるさいっ! うるさいっ! だいたい好きに理由なんているの!?」
「はっ! 気持ち悪いのよ。ゴリラのクセに王子に恋するなんて身の程をわきまえなさいよ」
「告ることもできずに周りで見ているだけのあんたたちに言われたくないわ」
ぐうっ。痛いところをつかれて会長は怯んだ。
「じゃ、じゃああんたはライカ君本人を目の前にしても同じこと言えるの?」
警吾は黙って左に場所を譲った。
そこにはなんとライカの姿があった。
その場にいた一同が息を呑む気配が伝わった。
ライカは一歩前に出てから笑顔で言った。
「僕、二次元のロリっ子にしか興味ないんだ。中学生以下はアウトなんで君たちは論外」
薄々察していたであろう真実を本人の口から直接告白されて奴らは固まった。やっぱりダイレクトアタックは効くなあ。
「警吾の告白は嬉しいんだけどそれも却下。僕にそっちの気はないからね。それでも親友であることは変わらないよ」
ライカは優しく微笑んだ。警吾は一瞬俯いたが、次の瞬間には顔をあげて「うん!」と元気良く頷いた。
このあと俺は保健室に連れて行かれたのだが、思っていたほどケガもなくたいしたことなかった。所詮は女子のパンチやキックということだろう。まぁ、いつも警吾にぶっ飛ばされていたから耐性がついていたのかもしれないけどな。




