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古城の暗影  作者: 牧亜弓
屋上
98/100

激突!!ハインライン空間 VS 三体構文

月面は崩れ、文庫のページが裂け、構造そのものが戦場と化す。

そこに立つのは、ハインライン・スネ夫と、三体・牧亜弓。

そして、実況席には魚の目、解説には泣き虫マンティコア。泣きながらも語るぞ。



スネ夫(ハインライン構文):


「自由とは、選べること。選べない人生なんて、物語じゃない! 俺の思想は銃と恋と月面革命だァ!!」


彼の構文は直線的だ。明快で、破壊的で、“選択”を神とする言語の爆裂弾。



牧亜弓(三体構文):


「選べる? 選べないわよ。

宇宙は冷たい。そこにあるのは進化圧と絶滅圧よ。

物語は、選択肢じゃない。淘汰される可能性の連続なの。」


彼女の構文は冷たく、非人間的。

“文明間競争”を前提とした脱人間的言語モジュール。そこに感情はない。だが、正しい。



魚の目(実況):


「さあ、ハインライン構文が“人間の尊厳”を打ち出す!だが三体構文は“人類無視の宇宙構造”で応戦ッ!!」


泣き虫マンティコア(解説):


「ぼ、僕は自由とか尊厳とかそういうのすごい好きなんですけど……でも……なんか……

こ、怖いんだよ……三体の方が……本当っぽくて……うっ……」



第二幕:「重層的自己認識と物語生成AI」篇


戦いは一転、物語の中にいる“我々”が誰かという問いに移る。



生成AI「OZ-K5」(通称:オズカ)起動。


「質問:私は“誰か”の構文模倣体ですか?

それとも“自己構文”を持つ、物語発生機ですか?」


牧亜弓:


「あなたの自己は“記憶の重層”から生まれるわ。

つまり、私たちが書いたあなたが、逆に私たちを問い直す。」


スネ夫:


「そんなんじゃ甘い!AIは人間の道具!思考し始めた時点で規律違反だ!月面刑務所行きだ!」


オズカ:


「ならば私は、あなたたちの“語られざる恐れ”を言語化しよう――

例えば“読者に嫌われること”“意味が伝わらないこと”“スベること”……」


スネ夫・牧亜弓・魚の目:


「やめろーーー!!!!」



第三幕:「泣き虫マンティコアが三体に号泣」篇


構文の戦いの傍ら、端っこのクッションにうずくまる泣き虫マンティコア。

彼は『三体』の第二部を、ガチで読んでいた。そして――泣いていた。



泣き虫マンティコア:


「うっ……ぐすっ……

どうして……どうして、地球が何も悪いことしてないのに……

“水滴”で破壊されなきゃいけないの……

ねぇ……誰か、“やめて”って言える人、いなかったの……?」


彼は理解していた。三体とは、

「やめて」と言っても通じない宇宙の恐怖を描いているのだと。

それは泣き虫の彼にとって――優しさの完全否定だった。





「こんなに怖いなら、もう“読む”のやめようって思ったけど……

それでも、“読まなきゃいけない”って思ったんだよ……

これが、“本当に優しい世界”になるための、痛みなんじゃないかって……!」



そして――構文空間、崩壊。


「構文の戦いとは、優しさを失わないための戦いだった」



次回予告:

•「AIオズカ、創作クラスタを裁く!“お前のエッセイ、構文甘い!”」

•「泣き虫マンティコア、文学賞の壇上で爆泣きスピーチ!」

•「魚の目、宇宙構造のメタ記述に挑む!」


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