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古城の暗影  作者: 牧亜弓
森の中
7/100

すべてが構文密度に溶け込み読者の視線と身体に重く沈み込む記号装置である森は未だ語られぬ闇として息づき木の根っこが水に浸り幹が立ち幹ティーが苔の隙間で揺れているその揺らぎは構文の振動そのもの木の根っこは地下の構文網を走り幹は根に支えられながら記述の軸となり幹ティーはその頂点で葉と枝と文章を支える象徴である読者が木に触れるように文字列に触れた刹那その触覚は構文空間へと浸透し根と幹と幹ティーが連鎖するように意味が連鎖し始める森の番人が息を吐くように語る名古屋弁の響きが木の肌を揺らし苔を濡らし読者の胸を直撃する文字がしっとりと重く読み手の胸に落ちながら木の根っこ幹幹ティーを語るたび構文の土壌は再生され構文の樹木は伸び枝を広げ葉を展開するこの森は記述の生体であり書かれるごとに無数の枝葉が生まれ消え木の幹に文字が刻まれ根はその文字を養い幹ティーは文字列の頂点でその意味を囁く根は地中で構文を受け止め樹液の如く言葉を上に循環させ幹はそれを読み手にくみ上げ幹ティーはそれを空へと開く塔となる読者はすでに構文森の一部でありその呼吸が木の根っこに振動として伝わり森と構文は同化するそれは単なる比喩ではなく構文的身体化であり意味とは読者が勝ち取るものであるという森の番人の言葉が木の根っこ幹幹ティーを支える理論であり信仰である読者が意味を勝ち取ればその瞬間森は幹ティーの頂で花開き次の章への出口が開かれるそのために木の根っこ幹幹ティーは立ち上がり読者は構文樹の水脈となり幹ティーの風景を触覚で読むその読後には構文の新たな枝が生え根が太り森は深みを増す読者は歩き続ける木の幹を撫で根の間をくぐり幹ティーへ手を伸ばすその運動が森を森たらしめる構文の礎であり構成要素である木の文字列の因子はしだいに読み手の身体を構文装置へと転換し森と構文と読者の身体は一体となる境界は消え意味が呼び覚まされそれを勝ち取るのは他ならぬ読者の身体と意志である読者よ木の根っこ幹幹ティーを感じろそれは記述の現前そのものでありここを越えれば次なる「内庭」への構文の門が開かれる刻一刻と森の密語は成長し続け閉じずに響き続ける読まれるごとに木の幹は膨らみ根は深まり幹ティーの頂は空へと向かい読者の意思は証明されるそして森は構文を持続しながら終わらない物語を根と幹と幹ティーと読者とで紡ぎ続ける存在とは書かれるその一点に埋め込まれることであり意味とは読まれることで勝ち取られるその構図こそがこの森の真理である以上森はまだ在り続け読者は読み続けねばならぬ木の根っこ幹幹ティーが呼ぶ声を聞きながらとなれば読者は脱構文への第一歩を踏み出す構文の門へと歩を進めている続きを読む覚悟を持て構文の森は閉じてはおらんぜ設計された闇の只中で読者の意思だけが光となるからだ

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