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こんがり化けたモノクローム  作者: つじは
こんがり化けたモノクローム
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第7話 待機と勝負

 二日後、授業が終わると俺はすぐに部室へ向かった。ツネ、沙妓乃、小冬の三人に昨日の出来事を話し、俺たちができることを考えた。

 時間はかかったが話はまとまり、俺は部室を出て行く準備をする。

「今日は一応、俺の担当だったな」

「ああ、そうだったね」

 ツネはなぜか上機嫌だ。

「けんちゃん、占い以外は初めてじゃない?」

「言われてみれば、そうかもな」

 沙妓乃の言うとおりだ。そう考えると、少し不安かもしれない。

「占い、いい感じなの?」

「ああ。それに今日のO型の運勢はこうだ」

 小冬の問いに対し俺はスマホを開き、三人に見せた。


「『待ち人来たる』。やってみせるさ」


 *   *   *


 その動画がアップロードされたのは、さらに翌日の午後三時。内容はこうだった。

『はいどーもこんこんちわー、動画の屋敷のコンコンです』

 いつもどおりに加工された甲高い声が流れる。

『今日はこちら! 百均の封筒~! これ、今日学校のある場所から取り寄せた品なんですが、いま校内で起こっている事件の重要なアイテムなんですよねー。いやー、今頃、犯人もビビってると思います! こういう風にヒーローになれるのも、皆さんの応援があって注目を集めているからこそ! またあとで、機会があればこれがどういう企画なのかという動画もあげたいと思いますので、その時を楽しみにしてください!』

 コンコンの動画配信は、毎日午後五時ごろに行われる。しかしこの日だけは早かった。しかも動画は全部で一分程度と極端に短い。その理由は、こうだ。

『今日はね、気づいてる人もいるかもしれませんが、いつもより動画の配信時刻ちょっと早いんですよ。それはなぜかというとですね……、今日はなんとぉ……、初の、生配信しちゃいますーー!! わーぱちぱち! ありがとう! ありがとう! では、今日の夕方、えー、十七時ですね、楽しみにしていてください! まったね~』

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