竜の御大
みなさんの目にとまりお読み頂ければ嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
こちらの作品はカクヨムさんでも投稿させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
side ある緑の竜???
頭がいたい。たまたまというか、ここにいる六竜は皆男だが、それなりに多種族との交流もあったし身内が一族と多種族との窓口役などであった関係で常識?もある。それらも加味しての六竜だ。
しかし深紅はあまり多種族との交流がなかったはずだ。興味もなかったと思う。こんなんじゃ、下手したら番いがすぐに死んでしまうかもしれない。
竜は力が強い。魔力だけでなくすべてにおいて。だから圧倒的に弱い種族には、つねに加減が求められる。うっかりとかも絶対ダメだ。
どうしたらいいんだ。
side ある竜の老のひとり???
部屋でお茶をしていたら、突然空が光って歌いだした。ギョッとしたが魔力は竜のものだし、精神攻撃の類でもなさそうだ。しかし只事ではないので至急六竜会議室へ向かう。
廊下を歩いている途中でほかの竜たちとも合流する。本当に緊急なら窓から飛び出して、本体で集まるがそこまでの必要はないだろう。
いったいあれはどういうことなのかと、皆口々に言い合う。あの歌は番いを見つけた喜びを歌っていた。魔力からすると深紅だろうが、あやつに番いなどなんで?いやいや、竜なら誰しも出会って不思議はない。
その時、ひとりの老がいきなり立ち上がった。拙い、皆いくぞ、あと赤の師父か白の大伯も呼んでこい。
いったいなんだ、どうしたんだ。あの深紅が異種族の里に行ったらどうなると思う。力に任せて被害が出たらどうする。そもそもあやつに人型がとれるのか?
竜のままいつものように振舞われたら、どんな事になるか考えたくもないわ。今ならあの方角には六竜もいる。全員でかかれば気絶くらいさせられるだろう。
side ある赤の師父???
空を見上げつつ、ヘェ〜あいつに番いねぇ〜。よかったよかった。
晩飯を喰いながら、暴れん坊の顔を思い浮かべる。いや、待てよ。あいつの番いを想像してみる。ゴツい奴?きれい系?かわいい系?同じ竜な訳ないよなぁ。
いたらもっと早くに分かるだろう。つまりよそのところか?どの種族だろう。あの馬鹿力で怪我しないくらいには頑丈だといいなぁ。
いやまて、確かあいつ、人型になれたか?おいおい、こんな時に老から呼び出し?何の用だいったい。あっ、これってあいつのことでか?
side 主人公
うわっ、これはすごいね。いったい何頭いるんだろう。竜って数え方、頭でいいのかな。
目の前に並んだ巨大な竜たち。いち、に、…8頭もきたんだ。白さんたちを見ると皆小さくなっている?なんで?
どうもこの場には仕切るものがいなさそうなので、わたしがやるしかないようだ。まずは挨拶をして歓迎しないとね。
「今晩は、よく来てくださいました。宴の用意は一度片付けてしまったのですが、こうしてお祝いに駆けつけてくださってありがとうございました。青さんのお加減があまりよくないのと、竜人の里のみなさんは一度お家に帰られたのですが、きっとみなさんにご挨拶されたいと思うので呼んできますからお待ち下さい。」
「子供よ、そなたはなんだ?」
「人種の冒険者です?」
「…そうか、なぜ子供がこのようなところにいるのだ?」
「いや、青の老、それ以前になぜ?人種がこの大陸にいるのか?ではないのか。」
「そういえばそうだな、黄の老。うむ、子供よ、どうやって来たのだ?」
「はい、飛んで来ました。」
「そうか、人種も飛べるようになったのか?」
「いいえ、たぶんまだわたしくらいかと。」
「そうか、しかし人種の子供がなぜこの大陸に来たのだ?」
「それは、青さんの番いを送り届けに来ました。」
「…青さん?あぁ、ありがとう。番いはとても大切な存在なのだ。必死に探す青にわたしたちも心を痛めていた。連れてきてくれて心から感謝する。」
「いいえ、とんでもない。家族の元に帰って来られたよかったですね。」
side 子供と青の老を見守る者たち
いや待て、まさかそれで終わりか?と黄の老。
なにか勘違いされている気がする白の老。
問題の深紅のことはいいのか?と心配する赤の師父。
竜人の里が無事のようで安心する赤の老。
なぜ六竜もいて、子供に話させているのかと嘆く緑の老。
明日、詳しい話を聞くことになっているとどうやって伝えればいいんだ、いや、その前にちゃんと報告に行こうと思っていました、となんとか伝えたい白。
里人たちは皆家に避難しているし、そろそろ夜も更けてくる。とにかく誰かがなんとか収拾しなくては?と思うのは緑。
いいところに来た、赤をなんとかしてくれ。と思っているのは黒。
とりあえず、里長と番いの家の人を呼ぶべきか悩んでいるのは黄。
自分が前に出なくては、と思っているのは青。
リーダーは首をちょこんと傾げると白と青に話しかけた。白さん、青さん、こちらの方々は?とやっとこちらに話がきた、と喜ぶ白と青。
まずは、老たちに挨拶し報告が遅れたことを詫びる。その後、深紅の対応で手間取っていたことを改めて報告した。
今は無事に人型にもなれたが、先ほどから番いを離さず困っているのでどなたか深紅に番いとの接し方を手解きしていただきたいと願い出た。
里を騒がせたので里長に挨拶して参ります、と青。一緒に行こうと黄。
白は今日はもう遅いので明日リーダーから説明を受けて報告のために帰りますので、と老たちに言う。
せっかく皆いるのだから今日でいいのでは?という黒の老に、子供は夜更かしできませんのでと白。
皆の視線が集まる中で、説明をのばすのも面倒になったのかリーダーが皆まとめて事情を説明することになった。
side 主人公
やれやれ、この竜さんたちは魔石の歌に驚いてやって来たのか。てっきりお祝いかと思ったのに。いや、じつはほんの少しは歌のせいかと思っていた。
でもやけにはやく来たし、こんなに大勢だからお祝いの可能性もあると思ったのだが。ともかく、さっさと案内して納得してもらわないと、竜人の里にご迷惑になる。
ただでさえ、15頭も竜が集まっているのだ。ふつう、ドラゴンって物語には一頭づつ登場すると思うんだけど。
この世界の竜は、団体行動なのかなぁ?
あっそうだ、まず人魚さんを解放してもらわないと可哀想だよ。
あのすみませんが、どなたかあそこで捕まっている人魚さんを助けてください。でないと、人魚さんをお国に帰してあげられないので。
はっ、バカ言うな!こいつはこれからわたしと子作りするんだ。そうだな、おい。
エェーみたいな顔でもがく人魚さん。ねぇ人魚さん、思っていることはちゃんと伝えないと分かってもらえないと思うの。人魚さんはその女性が好き?
いや、今日会ったばかりだから?
でも嫌いではない?
そりゃぁ、こんな美人だから、嫌ではないかなぁ。でも、一度家には顔を見せに行きたい。こんな俺のことでも少しは心配しているかもしれないし。
それならお嫁さんを紹介しがてら帰郷するってことでいい?
「「よっ、嫁!」」人魚さんと深紅さんの声が揃った。
えっ、嫁だよね。それに番いだっていうなら、逃げられないんじゃない。そろそろ誰か助けてあげて。
おい、いい加減離してやれ。一生抱きついて過ごすつもりか?と赤い竜のもう1人が言った。この人は後から来た竜たちの中では若そうだ。
そうだ、みなさんは人型になれますか?と聞く。竜のままだと案内するのも話をするのも大変だ。すると、パッと変身した。みなさん慣れていらっしゃる。
ひとりの朱い髪の男性が深紅さんに近寄ると、ベリっと引き剥がす。そのままポイっと、白い男性のひとりに投げた。
この白い髪の男性も後から来た竜のひとりだが、もう1人の白い竜より少し若い。髭を生やしていて貫禄はあるが、まだ若々しい感じがある。
それより、朱い髪の竜だ。カッコいい。すごいイケオジ。大人の色気が素敵。白さんたちもハーピーさんも人魚さんも美しいけど、朱い竜は別よ、別!
本当にステキー!キャァー、声もいい。わたしの魂年齢が高いからか、若い人より大人の人の方がドキドキしちゃう。
誰ですか?あの方は?赤の師父さん?なになに、赤さんの叔父さん!じゃあいずれは赤さんもあんな感じに?
えっ、自分は母親似?そんな、でも確かにあまり叔父さまと似てませんねぇ。ウーン、なんだか残念?
とにかく深紅さんと人魚さんを引き離せてよかった。あれでは説明どころではなかったもの。
あぁ、暴れてる。でも白いおじ様楽々取り押さえてる。あの方は?ほうほう、白の大伯?黒さんと深紅さんの伯父様、ん?黒さんの?
さすが御大?老さまたちはいわゆる長老で、今一族を束ねる長にあたるのが白の大伯さんなのね、なるほど。
ではそろそろ説明しないと、本当に夜が明けちゃうよ。
たくさんの作品がある中で
お忙しい中お読みいただきありがとうございます。




