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番いの有効距離!

みなさんの目にとまりお読み頂ければ嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。


こちらの作品はカクヨムさんでも投稿させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

side 主人公


 白い竜さんを連れて気になった場所を見に行く。やはりモヤモヤがあった。ただ人間の多い大陸の方がたくさんあった。


 わたしがあちこち浄化したので、今ではほとんど目につかなくなった。でもあれは溜まるとできるものだから、定期的に見回るしかないのだと思っている。


 この大陸は強い魔力が満ちていて、まるで強風が絶えず吹いているよう。荒々しくて生き生きしていて、魔族が強者なのは生まれや育ちからして違うからだろうなと感じた。


 土も木も水も魔力をいっぱい含んだいるせいか、わたしには淡く発光しているように見える。多少空気が濃いけれど、綺麗で楽しい大陸だと思う。


 里に戻ると宴の準備も進んでいて、お料理のいい匂いがしていた。


side ある青い竜???


 番いの希望で里に来ている。心は番いを取り戻せたことで飛び上がりそうだったが、身体はこのところこんを詰めたせいかひどくつらい。


 途中で回復魔法を掛けてもらい、食事まで()ったがまだまだ重くこのまま眠りについてしまいそうだった。


 番いの家族に挨拶をすると番いが部屋へと案内してくれた。再会してからあまり話をしていない。番いの部屋に入ると番いがわたしに横になるように勧める。今にも倒れそうに見えるらしい。


 いくら婚礼をする予定でもまだ(とこ)に入るのは躊躇われる。しかし立っているのもつらいので、横になると隣で番いも横になる。


 ふたりで寝台に並ぶと狭いほどだが、取り戻した番いの気配がすぐ近くにあると深い満足を感じてそのまま寝入ってしまった。


side ある青い竜の番い???


 物心着く頃には青さまにいつも見守られていた。わたしは幸運なのだよ、と皆が言う。番いの中でも竜の番いは、玉の輿扱いなのだ。竜種全体が番いを歓迎してくれるし、後見役として頼りにもできる。


 また長命な分竜は皆裕福で、番いになれれば暮らしに困ることもない。その上あの美貌。未婚の娘なら一度は番いを、それも竜の番いを夢見るそうだ。


 残念ながらわたしはその夢を見たことがない。生まれた時にたまたますぐ発見されたので、わたしには青さまがお側にいてくださることが当たり前でさえある。


 これが傲慢に映る人もいるのだろう。たぶんあの人も…。


 青さまの元に戻れてとても嬉しい。もうこわい思いをすることもないのだから。でもわたしはなぜ青さまの番いなのだろう。わたしのどの部分が番いとして選ばれたのか、誰か教えてくれないかしら。


 でないと不安で仕方ない。何が不安なのかもよく分からないけれど、本当にわたしで相応しいのか?なにが番いを決めるのか?


 青さまに少しでも休んで頂きたくて、部屋まで連れて来てしまったけれどやはり恥ずかしい。女の自分から部屋に誘うなんて。


 でも見るからにお加減のよくない青さまには、どうしても休息が必要な気がする。だから子供っぽいとか散らかっているとか気にしている場合ではない。


 厚地のベッドカバーが掛かったままだが横になってもらう。よほど疲れているのだろう、ほとんど抵抗せずに横になってくださった。


 本当はこのベッドカバーの刺繍はわたしが2年かけて頑張ったのだとか、棚に飾ってあるあの花はわたしが5歳の時に青さまから贈られた花ですとか話したいことがあったのにもう寝てしまわれた。 

 

 わたしもなんだか疲れてしまった。青さまの横に潜り込むとやっと帰ってきたという安心感が押し寄せてそのまま眠ってしまった。


side 主人公


 あれから狩りに出ていた竜さんたちと、何処からかお酒や果物などを持ち帰った竜さんたちに人々から歓声があがった。


 料理を手伝っていたミノタウロスさんや、テーブルや椅子などの準備に駆り出された人魚さんや鬼人の少年もずいぶん働いたようだ。


 今は木陰で休んでいる。狼さんとハーピーさんはなぜかわたしの後ろについていて付き人みたいだ。なんだろう?この立ち位置。


 さて宴をはじめるか!という時主賓のふたりがいないことに皆気がついた。はじめは皆困惑して赤くなっていたが、青い竜さんが無理がたたり気絶していて番いの女性が看病しているという説明に皆落ち着いたようだ。


 という説明をしたのは白い竜さんである。よく考えれば強いはずの竜が、気絶なんて簡単にするかなぁと思うわけだが、番いを飲まず食わず昼夜を問わず探し回りやっと再会できたというまぁ真実を皆に伝えて美談にしたわけだ。


 それに一応間違ってもいない。ふたりともちょっと起こしたくらいでは起きないくらいに深く意識がないのだから。


 心配して番いの家族と白い竜とおまけのわたしたちが部屋を覗くとグッスリだった。心配事がない安らかな眠りを得られたということで、そっとしておこうということだ。


 さぁ宴のテーブルを皆で囲む。竜さんたちがお祝いにくれたお酒を皆配っている。わたしも小さなお猪口を自前で作り味見する気満々だ。


 だって竜のお酒だよ。レアだよ、レア。未成年とか言ってられないよ。もちろんほかにも果実酒や果実水もあり、味見のあとはそっちにするつもり。


 宴には子供の姿や赤子を抱いた女性の姿もあるから本当に里全員が参加しているのだと思う。魔獣20体では足りなかったかな、とちょっと心配したが集まる人々もお祝いを持ち寄っているから大丈夫だろう。


 肉が十分だからか、美味しそうな串焼きや煮込み、スープなど温かい料理がたくさん並んでいる。竜のお酒は美味しかった。なんだか染み入るような味で身体も温まる。


 竜たちがめでたい席であり、無礼講でぜひ楽しんでほしいと口上したこともあり竜人たちもその場を楽しみはじめた。


 宴を皆が楽しみ子供たちを母親が寝かしつけに行く頃、その気配をはじめに感知したのは誰だっただろう。


 大きな魔力が、すごい勢いでこちらに向かっている。わたしはただでさえ戦闘の後始末の最中の里にこれ以上被害が出ないように結界を張った。


 今回の結界は薄い皮膜のように里周辺を滑らかに覆い、柔軟性に富んだ仕様にした。その気配に竜たちも警戒する。里人は怯えてしまった。荒事つづきでは気持ちも弱る。


 わたしは各自家に帰るように言いその場に残る。魔法の袋にあたりの物を片付けていき、その場に残っていたもてなし役でもある番いの家族に袋ごと預けて家の中にもどらせる。


 あの気配の相手は竜たちかわたしとかでないと無理そうだからだ。昼間一緒にいたおかげで話しやすくなった白い竜にあの気配は竜か聞くと間違いなく竜だという。


 白い竜さんにもなぜ来るのか分からないらしい。心配した通り、弾丸のように飛んできた竜は地面を抉りそうな勢いで激突してきた。


 正気じゃないのか?普通ならやらないほどの荒っぽさだと黄色の竜さんが言う。あれは赤の種族じゃないか?と緑の竜。


 確かに深紅のきれいな竜だった。赤い竜さんはなぜか額に手をやり俯いている。なにやらあの竜のことが苦手らしい。


 なんだか黄色の竜さんを巻き込もうとしているようで、なんで俺!と黄色の竜さんが声をあげている。とにかくあいつは普通の時でも自分の言うことはきかないから困っているんだ、と赤。


 いや、でも自分のところの奴なんだからなんとかしろよ!と黄色。


 それができれば苦労はしない、と赤。もともと聞かん気な奴で身体も大きく、力も魔力も強い上に乱暴者で老でさえ手を焼く有様。


 かろうじて言うことをきくのが、赤の師父や白の大伯くらいだという。今この場にいない以上自分たちでなんとかするしかないが1人ではたぶん無理、だから手伝ってくれ!と泣きついている。


 いやなんだかもう、はじめから皆を巻き込む感じをだしていないか?下手なことをいうと面倒くさそうなので黙ってみている。


 おい、なんだこれ!入れろー!と外では深紅が大騒ぎしている。


 静かにしろ、近所迷惑だと赤が嗜めるがうるせー、入れろ〜と繰り返すばかり。しかもその都度ビタンビタンと極太の尻尾が大地を打つので地響きがすごい。


 それにしてもきれいな竜だけど、確かに首も腕も胴体もとにかく全てが逞しくてドデカイ。すごく強そうだ。


 でもこのまま暴れられると迷惑なのは本当なので、仕方なくわたしが拘束することにした。パッと頭から尻尾まで動けなくすると、深紅の竜がモガモガと文句を言う。


 でもしようがないよね、話ができるくらいには落ち着いてほしいものだ。今も離せ離せとうるさい。赤が暴れていたら話もできないから落ち着けと諌めている。


 黒い竜さんも話を聞きたくても暴れるなら拘束を外せないだろう、と声をかける。


 どうだ、少し落ち着いたか?と白い竜が何しに来たのか理由をたずねてくれた。


 深紅の竜は分かった、暴れないから自由にしてくれと頼んできたので拘束は外した。まだ結界は解かない。


 すると、深紅の竜は力の限り叫んだ。


 つがいだ!わたしの番いがいる。ここにいる。すぐそこに!

たくさんの作品がある中で

お忙しい中お読みいただきありがとうございます。

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