とある村の人々
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side ある帝国の村の人々
ここは帝国の国境付近、時は少し戻って…
おーい、みんなー!と雑貨屋のオヤジが駆け込んで来た。
なんだなんだと、皆で囲む。
うえだー、空を見てみろ!とオヤジがよく分からないことを言うので、少し落ち着いて話してほしいと、村長の従兄弟が言う。
皆なんのことかと思いながら上を見上げると、空一面にどこかの映像が映っていた。そこから声も聞こえてくる。
なにやら立派な身なりの、身分の高そうな人々が映し出されている。その中の1人、一際立派そうな人物がよく通る声で俺らに向かって話しかけているようだった。
どうやら俺らは帰っていいらしい。演習?は終了とかはよくわからなかったが、同じ村や町ごとに帰り支度をして代表者に報告してもらえばいいと言っているみたいだ。
いつ帝都から偉い人が来てたのか俺はぜんぜん知らなかったが、偉い人が帰っていいと言うなら帰っていいのだ。
皆いつの間にあの人らは来たんだと驚いていた。偉い人が来る時はたいてい大騒ぎになるんだけど、このところ変わったことなんかなんもなかったと思う。
正直、偉い人の言ってた軍事演習ってなんだ?って皆思った。俺らが集められたのは隣の国が攻めてくるから、村や町を守るために戦えって言われた気がするんだが。
まぁ戦えと言われても近所に出てくる低ランクの魔物を退治したことくらいしかない村の俺らには、荷物運びや炊き出しくらいしか出来ないのに。
皆覚悟していた。寄せ集めの俺らがここまで連れて来られて、きっともう村には帰れないって。もうすぐ冬なのに本当に隣の国は攻めて来るのかって、ほかの村の奴らも言っていた。
それに噂じゃあ、この陣の中に戦える奴はほとんどいないみたいだ。どうなっているんだと皆不安がっていた。これはなんかおかしいと。
だけどたとえどんなにおかしくても、どうにもならない。来ちまったものは勝手には帰れない。だからきっと俺らは生きて帰ることはできないに違いないとほかの村の奴らとも話していた。
もう家族に会えない、子供が大人になって家族を持つ姿を見ることもない。幼馴染とこうして家族を守るため、こんな遠いところまで来てしまったがこれで俺らは本当に村を守れたのだろうか?そう思っていた。
だが人を出さなきゃ罰せられるだけだ。だから貴重な男手をかき集めて命令に従ったんだ。それなのに、帰っていいのか?
村長の従兄弟が本当に帰っていいのか、確認しないとおっかないと言うので、代表者になってもらって聞いてきてもらうことにした。
一応皆帰れるように荷物をまとめている。なんだか送ってくれるような言い方だった気がするが、そんなこととても信じれない。
ほかの奴らはどうなんだと、周りを見てみるとやはり半信半疑ながらも荷物をまとめている。そりゃ皆帰りたいよな。帰れるなら帰りたい、すぐにでも。
村長の従兄弟がすごい勢いで戻って来た。本当だった、本当に帰っていいって言われた、と叫んでいる。皆支度ができたら固まっているんだ。魔法を使える人が来てくれる。と興奮している。
しばらく待っていると、ざわめきが近づいてくる。白いマント姿の人と何人かの人がやって来る。固まって待っている者たちのところで何かした後地面が光るとそこにいた者たちがいなくなった。
どんどん周りから人がいなくなっていく。そしてついに俺らの番になった。役所の人みたいなお仕着せを着た人が鑑定水晶で皆を手際よく鑑定していく。
これが点呼の代わりらしい。代表者に札を持ったか確認して、もう一度全員いるか確かめたあと白いマントの人が進みでると地面が光った。
光がおさまると、そこはもう村のなかだった。皆えっ、と戸惑いが隠せない。送ってくれるという言葉は一応信じてみたものの、魔法なんてまったく縁がないからどこに出るのか不安だった。
まさか村の中に皆固まってそのまま移動するなんて。夢見てるみたいだ。
俺らに気がついた村の連中がどんどんやって来る。さぞ驚いているだろうと身構えていると、皆ぜんぜん驚いていない。
これはどうしたことなんだ?
村長や村の翁たちが人混みをかき分けてやって来た。よく帰って来た、皆がもうじき村に帰れると領主さまの遣いの人が知らせてくれていたという。
札を持ってきたかというので、村長の従兄弟がここにある、と手をあげる。村の共有倉庫に行くと村長の従兄弟が何か言ったと思ったらドカンと兵糧が現れた。村長たちが手を取り合って喜んでいる。
あらためて外に出ると、それぞれの家族が出迎えてくれた。皆かわりないみたいだ。
留守にしていた間大丈夫だったか聞くと、この秋はあまり魔物も出ず、盗賊被害もなかったという。皆無事で良かった。
兵役についていた皆が、家族と一緒に帰っていく。その後ろ姿を見て、あぁよかったと安心した。皆それぞれの家に帰ってこれたと実感が沸いてきた。
ふと手が温かくなる。子供が手をつないできた。子供の手、温かいなぁ。じっと動かず子供の手ばかり見ている俺を変に思ったかみさんが背中を叩いて家へと促す。
あんた、どうしたん。早く家に入んなよ。ここじゃぁ寒いじゃないか。昼ごはんちょうど出来てるから食べるよねぇ。
あぁ、帰ってこられた。俺は帰ってきたぞ。
たくさんの作品がある中で
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