帝国速報2 帝国教会支部
みなさんの目にとまりお読み頂ければ嬉しいです。
どうぞよろしくお願いいたします。
こちらの作品はカクヨムさんでも投稿させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
side 主人公
教会に来てみれば、疲れ切った様子の人々が救助活動に励んでいた。
これはこの人たちにも癒しが必要だなぁ。あと、食事と希望かな、と思い大司教の人に食事の指示をお願いした。大司教もあぁ、と忘れていたご様子。教会の厨房にくると白衣に着替えた僧侶といった雰囲気の人たちが下拵えをしていた。
聞けば本職の料理人は少なくて、下位の神官が持ち回りで担当しているという。ザッと様子をみて、作り置きもできるスープとパンを中心に早さを優先して準備してもらった。
まだまだやることはあるので、料理も食事もどちらも手早くすませられる方向でいけばいい。落ち着けば、改善すればいいし。
大司教と一緒に報告をきくと帝国民で捕らわれていた人々は、講堂に搬送し治癒魔法で対応中。魔獣や魔物は隔離はしているが後回し。
外国人と獣人は搬送する部屋も分けて現在治療中。それぞれ、どこの国から来たのか、帝国にいる理由など、聞ける状態であればはきくようにしている。
教会内部の探索は一通り終了し、隠し通路、隠し部屋、隠し金貨などの確認は終わっていること。
多額の財宝に裏帳簿や手紙に誓約書や契約書の類も押収済みのため、帝国に差し出す書類と教会を糾弾するためにも使いたい書類については相談する予定。
財宝の類は被害者への賠償に当てることになるだろうが、運営費の着服などを行っていることも考えられるので精査して教会に補填すべき資産は教会へ戻す了解も取り付けたい。
この報告に関する書類にわたしが神の遣いの代行として、了解したことにサインをした。なんの権限でと言われるかもしれないが、帝国新政府側の代表として話を聞いたわたしがサインすべきだと思う。
それに第三者に近いわたしの意見も大事なはずだ。
講堂にもどり癒しの必要な者たち、教会全体に魔法を掛けた。大司教はその後決意を皆に述べ、神への信仰はそのままに教会を正す道を進むこと、救いを求める者たちを救う誓いをたてた。
わたしは彼らの神聖な誓いを応援すべく、神の奇跡?なんちゃって魔法を掛けておく。鑑定でも使えない限り相手がどんな人間かなど普通の人たちが知るのは難しい。
だから信仰とか、誓いといったことも目に見えることもない。なので少しだけ見える手伝いをした。彼らの信仰の気持ちに曇りがなければ、彼らの纏う法衣も曇りなく光輝くことだろう。
道しるべであれば、光っていれば見つけやすいだろう。彼らの行動と言葉を彼ら自身がその身で証明していく。私利私欲に道を誤った者たちとは違うことを。
さて、外国人と獣人のところに案内してもらおう。さきに獣人の方がいいかもしれない。
獣人たちはひとつの場所にいた。集会所のひとつだろうか?さっきの光を浴びたはずだから完全に回復しているだろう。
宝珠が現れない場合のひとつに欠損していない場合がある。今回の大規模回復のきっかけは、わたしが感じた欠損している者としていない者の比率のひどさにある。
街を歩いているとき目にする欠損している者の多さが尋常には思えなかった。だからまず優先して回復することにした。その中でも性質に問題がある者には宝珠は現れない。
しかし傷ついている者は他にもいる。今回のように呪いの被害者や欠損にいたらない怪我や暴力の被害者たち。
わたしはこうして関わった者たちを積極的に治癒していく。宝珠をあの時こういった者たちにも与えるべきだっただろうか?
繰り返し悩むが欠損している者たちだけでも対象が多くて、対応しきれる自信はなかったのであの時は最善だったと思うことにする。
警戒し怯えている彼らに事情を話してもらう。概ね攫われた人々だった。中には村をでて冒険者になったが、やっていけずに奴隷落ちした者もいた。
わたしは彼らの見ている前で魔法陣の扉を出した。わたしが用意した島はいくつかある。一の島は北部、南部からの人をメインで受け入れている。
しかし、人以外の種族も回復の対象の場合が当然ある。そのため島を別に用意してそちらに現れるようにしたのだ。
獣人たち異種族を受け入れている島の扉を開き中に入る。
島には何度も足を運んでいるから、皆わたしをもう警戒しない。この島にもそれぞれの種族毎にまとめ役みたいな人がいる。そうでないと集団は大変だからだ。
すぐにまとめ役の人たちが集まってくれた。今のところ獣人、エルフ、ドワーフだ。その中でも獣人の代表は人数が多い。なぜなら獣人と一口にいっても種族が多いからだ。
大型、中型、小型?といったサイズによる違い。鳥人、魚人、爬虫類系、獣系も肉食系、草食系、雑食系など。
本当は鳥人も魚人も種類は多いと本人たちから言われているが、捕まることが稀なため対象が少なかったのだ。
その後問題ないか報告をうける。この島は一の島とは活動方針が違う。基本保護した後は種族に返す方向だ。しかし、理由があって帰れない者たちもいるようだし、世話役も必要なのである程度は残ってもらっている。
つまり、わたしがどんどん彼らを送り届けているので島の人口が増え過ぎることはないのだ。
実をいえば、彼らからは救助の要請も受けている。しかし無制限に活動もできないので、なにしろわたし1人しかいないため限界がある。
救助とは、彼らは宝珠の力で逃げ出すことに成功したが、彼らが逃げてきた場所にまだ仲間を残しているような場合だ。
その他にも告発というか、人身売買に関連する組織を壊滅させてほしいという声もきく。逃げてきた地域などを教えてもらい、ギルドなどを通じて情報を流し摘発してもらうようには動いている。
というわけで、救出の依頼は部族単位で出してもらうこと、かつ多種族の皆とも話しあって決めてもらい順番に対応すること。
あと報酬を用意してもらうこと。救出に関しての依頼は冒険者として受けることにしようかなと考えたため。
ちなみに報酬は良心的な価格設定にしてある。
というわけでこの島にはいつも、ある程度人を受け入れる余地があるのだ。
島の代表に教会に捕らわれていた人々のことを話すとすぐ連れてこいと言われた。彼らも同族との方が話しやすいだろうとのこと。
扉を開けたままにし集会所にもどる。その時、島の世話役にも来てもらった。戻ったわたしたちを皆驚いて見ている。
島の世話役のひとりが、自分たちはあの扉の向こうから来たこと。自分も人種に捕らわれていたがわたしに助けられたこと。
ここにいても落ち着かないだろうから、自分たちがいる島にこないかということ。ゆっくり話を聞き、希望があれば故郷に送り返してもらえること。
しかし不安ならば、すぐに故郷に帰ることもできることも説明してもらった。
こんな怪しい魔道具で島に!と言っても怖いだけかもしれないと思い提案した。すぐ帰ることに問題がなければわたしはぜんぜん構わないのだ。
すると本当に故郷に帰れるのか質問があったので、故郷を聞き別の扉を開いて見てもらう。呼び寄せると、足を入れたり、手を入れたりしている。
思い切って通るとそこが本当に故郷だと確信したようで、もどって来て皆に安心するように話してくれた。
それからは戻りたいという希望者が多かったので、帰る手続きをすることにした。
捕らわれていた記録はやはり必要だし、戻ったという顛末も必要だ。しかし時間をかけるのは彼らには負担だと感じたので、鑑定水晶に手をかざさせることにした。
この水晶はわたしが作成した魔道具で鑑定のほかに記憶をコピー保存する。本人にわざわざ辛いことを思い出させることもない。
とりあえず水晶は、出身、名前、年齢、種族、どこで捕らわれたか、何年捕らわれた、誰に捕らわれたかがわかる代物なので、あとから文官に報告書にしてもらおうと思う。
帰ることを選択した彼らには着替えをさせ、食糧を持たせた。身ひとつで帰るのは心細いだろう。島に来ると与えられる基本セットだと世話役から説明してもらった。
なかには、コップの魔道具や干し肉、干し果物、小型のナイフや毛布、初心者用の防具とマントは身につけてもらった。
あと何かあった時のために辺境伯領のギルドのこと、獣人族で今回の件で交流のできたいくつかの部族の連絡先を各自に渡しておいた。
その上で、行き場に困ることがあれば使ってくれと極小結界魔道具を渡しておく。
アフターフォローの布石もしたし、獣人問題は解決かな。
つぎは外国人の対応か?
たくさんの作品がある中で
お忙しい中お読みいただきありがとうございます。




