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帝都速報1 三人の陳情者

みなさんの目にとまりお読み頂ければ嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。


こちらの作品はカクヨムさんでも投稿させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

side ある大公爵家の三男???


 リーダーもついて来るようだ。訪問者の要件を聞く事務室のような場所に3人は一緒にいた。


 まず、教会関係者から話を聞こう。


 「よく来てくれた。待たせてすまなかったが、早速話を聞こう。教会の方からで良いだろうか?」

 「とんでもないことにごさいます。お忙しいのにお時間を頂戴し誠にありがとうございます。お二方、わたくしからでもよろしいでしょうか。」


 ありがとうございます、と礼を述べながら自身が今までほかの枢機卿複数人から呪われていたことを告げた。呪われて捕らえられ監禁されていたところ、この度の騒ぎのおかげで救われたそうだ。


 他にも大勢が呪われていて、呪いの強さにより解呪が容易く正気に戻るのが早かった者たちによって助けられたそうなのだ。


 教会の関係者の扱いなら対応もできるが、解放された中には扱いに苦慮する者たちがかなり存在していたという。


 助かったのは良かったのだ、しかし教会が呪いに関わっていたなどもっての外である。だが罪を問われるべき者どもはチリとなっていて事態の全貌はわからないことも多く、追及が難しいところだ。


 そんな状況の中、助け出された者たちが問題であった。外国人と思われる者たち、獣人、なぜか魔物や魔獣まで。飼っていたのか?実験でもしようとしていたのかわからない。いやいや、教会のくせに何やっているんだ本当に。


 まったくどうする予定だったのか怖すぎる。すると、リーダーが自分が行くという。それから、教会の人に冬支度は大丈夫か確認していた。


 幸いチリになった者どもが備蓄に励んだようで、炊き出しさえできそうだという。炊き出しはやめておくようにリーダーがいう。まだこの先のことは分からないし、教会本部の動きも不安がある。


 リーダーが先に教会に行ってくると、2人で行ってしまった。あとから追いかけたいが不安だ。


 続いて市民代表に面談する。今まで荒れた帝国の中で民を支え続けた功労者であろうから、自然に頭も下がる。あくまで気持ちの上でのことだが。


 市民代表の彼からは、今回の騒ぎについての説明を求められた。


 まず、皇帝以下数多の貴族の罪が判明したため、拘束し尋問などを行い調査中であること。どんなに軽い罪でも極刑と決まっていること。


 教会との癒着が疑われており現在調査中であること。皇族、貴族、教会いずれの場合でも、罪は罪のある者に罪なき者には救済をという方針であることを改めて伝えた。


 現在、皇帝一派に投獄監禁されていた皇族で皇太子殿下と皇弟殿下が存命であり、事態の全貌の把握と対応に尽力していることを隠さず伝えた。


 帝国としての機能を回復し、国土や民を救済しなくてはいけないので情報共有含め民間団体の協力もお願いしたいと伝えた。


 適宜、進捗も情報共有し領土内に告知も行う予定であり、帝都の混乱も収拾して諸外国につけいられないようにしなくてはならない。


 当然戦争などしている場合ではないし、帝国の基本方針が大幅に変わる可能性もあるので、今後に注視してほしいと伝えておく。


 戦争に関しては皇太子殿下も皇弟殿下も反対派で、生き残りの貴族も多くは反対派であるからこう言ってしまっても問題ないだろう。


 では、国境に駐留している軍事演習を建前にした部隊やそのために徴発された人材や物資の扱いについて質問された。


 なんと、国境に兵を集結させていたのか?だから人が少ないと感じたのか?早く解散させないと、下手に暴れられたら目も当てられない。その件は至急対応すると約束して帰ってもらった。


 最後の警備の者の要件は、帝都の人員の増強だった。彼はもともと守備隊の者らしいが目の前でチリになった同僚とかもおり、理由はなんとなく察しているのだが人手不足だと帝都を維持しきれないから至急補充をお願いしたいという。


 一緒に対応していた文官に、街に降りると伝言させることにして守備隊の者と行こうとすると文官の1人が自分も行くと同行することになった。


 リーダーに念話で事態を伝えると、お仕着せを用意させられ守備隊の者にどこにどんな人材を何人くらい必要だと思うか考えを言わせた。


 わたしと文官も話を聞きながらさらに必要そうな現場を想定していく。するとお仕着せが勝手に浮き上がり飛んでいってしまった。


 緊急時なのでそれぞれの役割に適した素質を持つ人材をお仕着せに選ばせるから、現場が混乱しないように取り計らってくれと言われた。


 えっ、お仕着せが自分を着る人間を見つけ出して仕事させるということ?それはありがとう。いきなりスカウトされて驚かせてごめんね、みたいな状況って、それをわたしがそれらしく取り計らうのか?


 本当になんでもありだな。とりあえずわたしは、新しい帝国の魔道具であるお仕着せのことを帝都中に認知させないといけないようだ。


 これってリーダーに空に文字でも書いてもらった方がいいのでは?頼んでみようかな。


side ある教会関係者???


 大司教さまが城からお戻りになられた。ご一緒の神々しい白いマントの乙女はどなただろうか?


 現在の状況がまるでわからない私どもは、混乱してはいたが捕らわれたりひどい目にあわされていた人々の救出を優先していた。目の前にやるべきことがありよかったというべきか?


 空を見上げれば大きく光る文字で浄化中とあり、光の槍が何本も刺さっている教会が罪深い何某かに深い関わりがあることは一目瞭然。


 これまで心正しく民に向き合うことに努めてきた私どもへの裏切り行為に、歯を食いしばって今は耐えましょう。なぜなら都中が混乱し、帝国は今救いを必要としているのですから。


 わたくしでも出来ることがある以上、なすべき事をなさねばなりません。


 司教さま、と声をかけられ怪我人に治癒魔法をかける。ずっと治療をしているけれど、まだ地下から助け出される人々がいます。


 魔力の残量が気になり出した頃、大司教さまと白いマントの乙女がこちらに来ました。乙女がサッと手を振ると周囲が光に包まれあっという間に建物を飲み込んで広がっています。


 呪いから解かれ、そのまま救出活動に参加しその後は治癒行為、正直倒れそうなほどの疲労を使命感のみで押さえ込んでいましたが今はなんともありません。


 気づけばパンを差し出されていました。修道女の方々が皆に配っています。


 大司教さまがおっしゃいました。


 われわれは、死の瀬戸際から神のみ技で救われました。同胞と信じていた者たちに裏切られ、数多の苦痛を経験し誇りを踏み躙られました。


 けれどこうして生きながらえ、光のみめぐみを受けています。ひとえに、過ちを正すため、同じ苦しみを受けた人々を救うため、われわれは苦しくとも立ち向かわなければなりません。


 誤った道を行く同胞たちを正すことこそまことの救いの道と信じて、そして彼らの犠牲となるものを1人でも減らすためにこそ生かされたのだとわたくしは思います。


 どうか力を合わせましょう。われわれの誇りと信念が容易く折れることはないと知らしめてあげましょう。闇に囚われ、光に救い出されたわたくしたちこそが証そのもの。


 苦しみの満ちた今こそ、わたくしたちの信仰をしめしつづけるのです。


 皆が涙して聞いていた。そっと白いマントの乙女が進みでる。


 みなさんのこれまでの信仰は、その身に纏う衣が証明してくれることでしょう。みなさんが捧げてきた真心は決して無駄ではありません。


 これからみなさんがしめすのです。行く先々でその身に纏う衣がそれを助けることでしょう。


 その時は誰も乙女の言葉の意味がわかりませんでした。


 しかし、日を追うごとに際立ってきたのです。わたくしたちがホコリにまみれ、汗や泥を被ろうとも、わたくしたちがまとう法衣は、一つのシミもなく純白に輝き、むしろより一層白く輝くようなのです。


 われわれはいつしか始まりの白い使徒さまたちと呼ばれるようになるのですが、ただあの日あの場所にいただけのただびとであるわたくしたちを心の拠り所に励んでくださる民のため今日も心をこめて神にお仕えいたします。


 


 

たくさんの作品がある中で

お忙しい中お読みいただきありがとうございます。

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