混乱の収束1/2
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side 主人公
「みなさーん、お食事でーす。大広間にお集まりくださーい。」
これでよし。お城中に聞こえるアナウンスを行い広間で待機する。入って来た人たちに貫頭衣のようなお仕着せを配っていく。
若者がこれは何かと聞くので、勤務管理に必要なものだから1人残らず着用するように言う。若者にも着用させる。若者から全員ですね、と念押しされたので全員だと繰り返す。
若者にも食事を摂るように言いながら、貫頭衣を来た人たちをテーブルに行くように誘導する。そこには魔物の丸焼きが10体くらいでーんと乗っている。
ちゃんと中まで焼けていることは、鑑定で確認してあるのでお腹を壊すことはない。ソースは鍋で用意しておいた。取り皿もある。
わたしは若者とわかれた後城の厨房に行った。どんな状況でも食事は大事。厨房を確認したら食材は山のようにあったので、城で働く人たちの一冬分の食糧は大丈夫そうだ。
生き残った厨房の担当者の1番偉い人と食糧の配分などを確認し、調理計画をたててもらった。厨房の人にもお仕着せをと思ったが、白衣をお仕着せ替わりにすることにした。
魔法をかけると皆えっという顔をしたが、すぐに慣れたようだ。調理計画をたてたら、お城の偉い人に報告するように言っておく。誰に報告するか迷ったら若者に言うように指示しておいた。
ちょうど食事に来た若者のところに行って、進捗をたずねてみた。まだはじめたばかりです、と言いながらも各所に人員を配分したことを教えてくれた。
わたしは城や帝都内を押さえるのはもちろん、各領地にも、とくに領主がいなくなった領地は人を送らないといけないと気になったことをいってみた。
他領との連絡はいつもどのようにしているのか聞くと、通信の魔道具でやり取りしているそうだ。そこへ皿に切り取った肉を豪快に盛り付け、片手でナイフを突き刺した肉にかぶりついている若者がやって来た。
お仕着せにデカデカと皇太子とあるので、わたしでも一目で皇太子と分かった。やっぱりお仕着せはいい考えだったと自分を褒める。
お仕着せは魔道具でもあり、役割が一目で分かること。勤務管理台帳に反映して管理できること。お城マップにどこにいるのか見てわかるようになっていること。
これらの魔道具は、希少なので大広間に置かれて誰でも見られるが勝手に触れないようになっている。
それにしても皇太子などという身分の高い人の割に、やけに気軽に肉を喰いちぎって食べている。この状況を抵抗感なく受け入れているようだ。
よくみれば、周りの貴族たちもさっさと皿を手にして食べている。なんて順応性が高いのだろう。帝国貴族とかいうからもっと頭が硬いかと思っていた。
でも考えてみれば、身分に固執していそうな輩はきっと優先的にチリになっていて、国のため民のために行動してきただろう人道的な貴族たちが残ったのだろうから当たり前なのか?
とにかくこの皇太子は何の用だろう。若者にわたしが誰か聞いていて、紹介するよう言っている。若者の頬が引き攣っているのでなんと説明しようか困っているのだろう。
すっかり忘れていたが、まだ白マント姿なので回復を行う使者でいいと念話を送った。実は練習したら念話もできるようになったのだ。
若者がエッみたいな顔になったが、外見も年若い乙女なので8歳児よりはそれらしく見えるはず。それにこれからいろいろ動くと、ただのクランリーダーより話が通りやすそうだ。
若者がわたしを回復を行う使者と紹介するとすごく変な顔をされた。それはそうだ、なぜなら島から来たのだから。しかしここはスルーだ。
わたしは若者に素早く帝国領内で情報共有し、チリになった領主の領地も押さえた方がいいので人を派遣できないか聞いてもらった。
およそ30ある領地のうち今回領主が罪に問われた領地が15、近隣の無事だった領主に代行を出させることもできなくはない。しかし、皇族の威光もあった方がいいとのこと。
15人くらいなら貴族を派遣することは可能だが、護衛もつけずたった1人で行かせるのか?というので、1人でも手出しできないくらいの上級貴族に行かせてほしいと答えた。
たくさんの作品がある中で
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