辺境伯領のスラム
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こちらの作品はカクヨムさんでも投稿させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。
side あるスラムの顔役の側近???
やれやれリーダーは人遣いがひでぇや。スラムっていったって、どこも同じなわきゃねぇってのに。まぁ、話もできねぇほど酷いところならリーダーに力づくでことをすすめてもらうしかねぇけどな。
だが王都のスラムの顔役はさすがだ。長年裏から治安の維持に貢献しているだけある。顔はこわいがいい人だ。
今日は、辺境伯のところのスラムに打ち合わせだ。スラムは例年より人が少ないから冬越しが間に合っているかも確認したい。
島にはあれからも人がじわじわ増えている。最初に島に迎えた人間たちは出身も種族もいろいろで、北部以外にも南部はもちろん、他の地域と思われるところから来た奴らもいてその中には獣人もいた。
島の方針ははじめから、島に来た者は皆等しい。とされている。それに宝珠の説明でどのように行動するか示唆されているらしい。
学のないあまり考えなしの者もいるし、小さな子供の場合もある。宝珠はそんな彼らが選択を間違えないようにフォローしてくれたのだそうだ。
とは言っても自分のことは自分で守らないと誰も守っちゃくれないのが世の中だ。小さくても身を守るには頭を使わねぇといけねぇから大変だ。宝珠は状況に応じて助言をくれるそうで、ひとりぼっちでも不安が和らぎ勇気が出せたという。
まぁ、今いいたいのはそんなことじゃない。島にはいろいろな奴らがいて、学のある奴らも増えてきた。リーダーは、そんな奴らに島の運営を手伝わせたり、俺や冒険者の奴らの手伝いをさせたりしている。
つまり人は増えたが支援する側にも人手が増えてきたということだ。教える側の人間が足りなくなりそうだと思っていたが、やって来た奴らを使えばいいんだと安心した。
これまでも、見込みのありそうな奴らを仕込んで助けてもらっているが、収益の計算や賃金の支払い、ギルドへの素材持ち込みや物資の買い付けなんかは、経験がないと難しい。
ここに来た当初から身なりのいい奴らのなかには、交渉ごとを任せられる奴、計算とかが出来る奴が多く、受け入れのときには、こっちを見下してきたらどうしたもんか?と身構えていたが、リーダーが島に来させるだけあり態度の悪い奴は今のところ1人もいない。
身なりのいい奴らは荷物を持参していることも多く、きちんとした旅支度で来る者たちには支給品目も少なくてすむから助かる。島の日用品は共有して使ったりしているが、一人一人に必要なものもあり素材を売った金で買い付けてきたりとなにかと物入りだ。
リーダーは時々海の魔物や魔獣を狩っているようで、かなりの額の金が補充される。それと同時にリーダーはどんどん働き口を探してきては斡旋してくる。
今回も島で王都のスラムから来た奴を探していると声をかけたのだが、はじめは警戒されて名乗り出ようとしなかった。これは事情を話した方がいいだろうと、島民を集めて話をする。
島は永住や開拓のためというよりは、職業訓練や一時避難の場所の意味が強いこと。人知れず静かに過ごしたいというなら、そういう希望にもなるべく答えたい。だが多くの場合は回復の恩恵を受けた者たちには、今度こそ身体を大事にしながら以前には望めなかった普通の暮らしを送ってほしいとリーダーは思っていること。
例えば冒険者を挫折した者には、今度はランクを確実に上げて上位冒険者を目指したり。兵士になったり、騎士を目指したり。1度は奪われた夢をもう一度みることができるのだと感じてほしいこと。ただ歳をとってしまったとか、もう若くはないという場合もあるだろう。
無理に夢を追いかけろというのではなく、人生を諦めてほしくないのだという。だから家族を持ちたいとか◯◯ができるようになりたいとか、やりたいことをやってみていいという状況に慣れて新しい生活に挑戦してほしい。それがリーダーがこの島を用意した理由だ。
だから無理矢理なにかさせられたり、搾取されたりなんてもちろんありえない。弱みを握ったり、人質にしたりもされない。安心してほしい。
今回リーダーが王都の働き口を見つけてきた。いつもなら王都にしがらみのない奴らから推薦するが、リーダーから王都のスラムの連中から選びたいというので、ここに来ているなら名乗り出てほしい。悪いようにはしない。本人の意思も尊重する。
すると10名ほど名乗り出てきた。話を聞くとスラムで大変世話になったそうで、本来なら返しきれないほどの恩義があるという。ただまた島に戻って来たいという。いろいろ教えてもらえるのがいいらしい。冒険者になりたいという奴もいた。自分で食べる物を採ってこられるのが嬉しいという。食べる物がない環境に長くいたので、探し方、見分け方、肉や木の実以外にも草や根、塩や糖を自然の中から見つけられることがひどく安心するという。
飢餓というのは1度巣食うとこわいものだ。今はまだきっと不安定なのだろう。安心がいつもあること。そして自分で出来ること。これらが普通になってやっと、他の暮らしかたにも興味がわいてくるかもしれねぇ。
王都にはその世話になった顔役に挨拶するだけでいいさ。リーダーも俺たちも無理強いはしねぇ。
というわけで、挨拶に連れて行った。顔役たちが彼らを見てとても喜んでいたのが俺も嬉しい。
島の運営を手伝ってもらっている奴らに、王都のスラムの顔役たちが見学に来るかもしれないから案内を頼んでおく。あと一応警戒も怠らないように注意しておくように島に通達させる。
said ある辺境伯領のスラムの顔役???
寒くなってきやがった。島の奴らは元気だろうか?今年は回復の恩恵があり、皆働いて稼ぐことができて冬支度に余裕がある。リーダーから万一のためと、魔法の袋に肉と果物、穀物、薬草をもらっている。リーダーも義理堅い。というか島に行ったスラムの若いのが義理堅いのか。どうやら自分たちで収穫したり採取した物を寄越したらしい。リーダーが遠慮せず食べてやってと置いていった。
それからリーダーに依頼された仕事がある。布地をたくさん渡されて、フード付きマント、上着、ズボン、ズボン下、スカート、スカート下、靴下、手袋、下着の製作を依頼されたのだ。報酬先払いで。
これから冬で仕事が少なくなる時期だから助かるが、こんなに?
ひょっこり俺の側近をお供にリーダーが顔を出した。こっちの様子はどう?と気軽に聞いてくる。安心しな、順調だ。
その後リーダーはギルドやクラン、ご領主さまにご挨拶するらしく急いで転移していった。相変わらずホイホイ転移しやがって、危なっかしいぜ。
側近から近況の報告を受ける。と言ってもいつもやりとりしているのだが。側近から出来上がった品はあるか聞かれたので、用意した分をみせる。
まずは100着ずつ用意できた。すると50着しまって、あとはどうぞという。はっ、どういうことだ?
リーダーから急ぎでやってもらっているので、現物で悪いが報酬を払うように指示されているという。報酬は貰っているというと、確かに布から想定される1000着分の縫製費用ではあるがあれでは本来安いという。あれの基準は通年用の衣服の縫製費用で算出している。
リーダーは、布の他に針と糸もお針子50人分用意していた。しかし冬用の衣服の方が、縫製費は少しお高いのが相場。さらに急ぎでという依頼もありもっと代金は高くなる。しかしあまり金も出せないので、現物でとなった。
そんな、いいのか、こんなしっかりした布使った服を?俺たちに?あと、リーダーから魔石を預かってますから暖房に使ってください。
それから売れなそうな魔物の皮を持って来ているので、寝具にでもしてくださいという。確かに物があまり良くなさそうだし、処理がギザギザで下手くそだ。練習して剥ぎ取りに失敗した皮を縫い合わせたのだろう。縫い目もひどい。縫い方の練習用でもあるのだろう。
でもかなりの数だ。失敗作でもこれだけあれば暖かいかもな。
側近がこちらの治安について聞いてくる。どうやら人が減ったことを気にしているようだ。安心しな。以前にリーダーが心配して置いていった結界石を皆持っているし、ギルドもご領主さまも気にかけてくださっている。それに残った奴らも随分体調がいいらしい。前より強くなったのでは?とたまに思うほどだ。
側近が心配するので首に下げた結界石を見せてやる。せっかく世の中が少しよくなったかもしれないってぇのに、早々におっ死んでいられるか、もったいねぇ。
たくさんの作品がある中で
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