真冬の辺境伯領
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side 主人公
魔狼さんたちをギルドに登録しようと思いたったわけだが、魔族の彼らを登録するとどうなるか検討もつかない。鑑定水晶にもどんな風に表示されるのだろう。
というわけで、まず口の堅そうなギルドマスターを巻き込むのが確実だと思う。ただ辺境伯にはきちんと魔族を街に入れることを話しておかないといけないだろう。
そのためにまずわたし1人で冒険者ギルドに借りている部屋に転移し、ギルドマスターと辺境伯へお手紙を出し了解をとるのがよさそうだ。
わたしは一息入れている皆にすぐ戻るからと伝えて転移することにした。
「ちょっと辺境伯領の冒険者ギルドに行ってきますね。すぐに戻るのでゆっくりしていてください。」
「あぁ、分かった。俺たちならいつでも大丈夫だから、気をつけて行ってこい。」
「そうですね、こちらは思ったよりもだいぶ雪深いですから。」
「そうだよね、こっち冬真っ盛りだよね。そういえば皆その格好で寒くない?」
彼らはよく見ればシャツとズボンだけだった。
「心配いりませんよ。わたしたち魔族は魔力が高い上に身体能力も高いので、気候に左右されにくいのです。ですからこの格好でもぜんぜん寒くありませんよ。」
ハーピーさんの言葉は本当だと思うけれど、ハーピーさんの本来の姿だとモフモフなので寒さには強そうだった。魔狼さんにしても如何にも寒さに強そうな種族だし、たぶん鬼人の少年も見た感じ寒さに影響されているようには見えない。
しかし街に連れて行くのにコートも着ていないのではかえって悪目立ちしそうだ。彼らが平気でもマントくらいは羽織ってもらうことにする。
わたしは転移で借りている部屋に出ると、簡単に部屋をチェックして異常がないことを確認した。そのほかにも、手紙などなにか連絡が来ていないか床なども見る。たまにドアの隙間から手紙が入っていることもある。しかし今回は、旅の間も様子は見に来ていたから特に変化はなかった。
部屋を出て冒険者ギルドの窓口で要件を伝える。辺境伯への伝言は、ギルドへの依頼という形でも構わないと。
わたしは用意してきた手紙を渡して、問題なくギルドマスターと辺境伯へ届けてもらうことになった。
返事の欲しいわたしは、手紙の中に返信用の魔道具も入れておく。これで森の洞穴に返事が届くはずだ。
ギルドの窓はすっかり白くなっていて、外の様子はよく見えなかった。扉からすぐの大通りへ出てみると、思っていたより足元は悪くない。
融雪の魔道具でも使っているのだろうか?街行く人々を観察し、魔狼さんたちに着せるマントを用意しよう。ここは北の方なので、マントも厚みがあり見るからに暖かそうだった。
ギルドの中に戻り、マントのことを窓口の人に聞いてみる。ギルドでもマントは購入できたので3人分買って帰ることにした。
たくさんの作品がある中で
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