つがい地図
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side 主人公
「これを見ていただけますか?こんな物があったとしたら、皆さんのお役に立つでしょうか?」
わたしがこんなふうに切り出して、テーブルに置いた玉と白紙の布。この後続けて爆弾発言を投下した。
「これは玉の方が番の有無を調べるもので、この布は地図です。触れると自分と番の簡単な位置が地図として浮かび上がるのですよ。」
一瞬音が消えたと思ったら、竜の皆様が息を呑んだ。何人かは立ち上がり、玉と布に触れんばかりに凝視している。
「のうリーダー、これは本当に番について分かるのかのう。」黄の老が確認してくる。
「そのはずです。でもわたしには番の知り合いが3組しかいませんでしたから、精度は検証していません。ですから積極的にどんどん使っていただきたいですね。そうすれば確率なども分かってくるでしょう。」
「これは何処で手に入れたんだ?」赤の師父が聞いてくる。
「海底ダンジョンの深層です。」
「……嘘だな。」
「何故そう言い切れるのですか?」
「海底ダンジョンに潜ったことがあるからだな。大分昔のことだ。当時竜の何人かとパーティを組み、当時の人魚族の強い奴らも入れて深層120階まで探索した事がある。かなり貴重なアイテムも入手したが番に関するアイテムなんて、まったく出たことはない。それに近年アイテムの出現パターンに変化があったとも聞かない」
「やれやれ、でもそういう事にしてほしいです。これらを各種族や国々にも配るには、滅多に誰も訪れない遠い国の入手困難な場所の方が説明しやすいので。」
「「「……配る?」」」驚き固まる竜族。
「番についての情報は、どの国でも分かるといいなと思うのです。このアイテムが想定外に悪用されることもあるかもしれませんが、番に巡り会えないことの方がより不幸せな気がするのですよね。それに番と共にある3組の様子を見ていると、本当にお互いを想い、満たされている様子で幸せそうです。他にも番と巡り会えていない方にも、早くチャンスがあればいいと思います。」
わたしは玉も布も是非使ってもらいたいのだ、魔道具の効果を確認したいし、きちんと出会ってたくさん結ばれる方たちをみたい。
「わたしが試そう、この場にいる者で少しでも興味がある者は是非試してほしい。皆も見ていただろう。青も深紅も白の老も、皆とても幸せそうではないか。わたしはずっと思っておったよ。わたしも番と出会えたならば、あんなふうに笑顔になれるのだろうか?と。」黒の老の万感の思いがこもった言葉は、等しく番のいない竜たちの心にも響くものがあったようだ。
黒の老が玉に向かって手を伸ばす。
たくさんの作品がある中で
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