ドロップ品収集袋の影響 前
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side 主人公
階層の魔物を根こそぎ刈り取りながら、ボスを撃破していく。2人の援護がある分、余裕を持って対応できるね。
2人にはきっちり報酬を渡さなきゃ、取りこぼしもないのは2人のおかげだもの。
網はとっても役にはたったけど、2人から不評過ぎて次回の出番がなさそうだ。改良型投網はバッチリなのにね。あっそうだ。1人用でいいんじゃない。ソロの冒険者用に。見た目より実利をとる冒険者もいるだろう。あと、人目がなければ恥ずかしがらずに使ってくれるかも。辺境伯領に戻ったらギルドマスターに相談してみよう。
余談だが、このソロ用収集網はあまり売れなかった。商業ギルドも売るんですか?と難色を示していたが、新商品ご紹介として店頭に置いてくれた。
ほんの時折ポツポツ売れた以外はさっぱり出なかったそうだ。冒険者ギルドのギルドマスターもはじめから、カッコ良さも冒険者の要素だからな、この見た目じゃあ無理だろうと言っていた。
それでも廃品にはならなかった。そしてこの商品がある意味きっかけとなり、意外過ぎるところに買い手が現れる。そんなふうに思いもよらない買われ方、使い方をされることで予想外の発展をすることになった。
まず商人の中で買う人がいた。商人はこの収集袋を掃除に活かせないかと考えたらしい。手を触れず物を集めるという点が、広範囲の清掃や天井などの掃除に活かせるかもしれないとのこと。
ほかの買い手として、農作業で使われるケースもあった。高所での作業と組み合わせて活用しようというのだ。例えば木を揺らして落ちてくる木の実や果物を受け止めて、自動的に収集する際もまったく傷めることなく収穫できる。
きっかけは家族単位の農家が使ってみたことだった。ひとりひとりの作業負担が大きい個人経営の農家では、収穫の自動化と規格外品の削減は重要だ。
ほかにも開発意欲を刺激された、魔道具の工房がこの魔法の袋の思い切った使い方から袋として以外でもいいのでは?ということになり魔法のスカーフが出来た。
袋やバックという分かりやすい形以外の身につける収納。そこから魔法のズボンや魔法のベルトといった、面白い商品が産まれていく。
それ以外にも、もともとあった魔道具の指輪やペンダントに収納機能をつけたものまで出てきた。装身具は見た目が美しいこともあり、あまり収納といった実用的だが地味な機能と魔石や宝石を結びつけてはこなかったのだろう。しかしここにきて、一気に見直されることになる。
魔法のズボンに関しては働く男たちからの支持を受け、ほかの布製品に影響を及ぼしていく。それほど大きな収納力は付与せずにむしろ価格をおさえた。洗濯する回数や破けるリスクも考えて、ちょっと破けても洗っても中身を守ること。
また使用が継続出来ない場合も、中身を素早く移し替えることを可能とした。これらは、魔道具と連携し安全対策として普及させていく。
ベルトもやはり価格をおさえて利用者を増やしていた。消耗品は利用者からも価格に対する要望が大きかったので、その要望に沿ったラインナップが展開していく。
そのほかでは医療用として派生した商品の中から、機能性下着が意外な支持を受ける。
ヒット商品のひとつは魔法のパンツである。魔法のパンツなどの下着類は冒険者にも需要があった。愛好者まで生まれたほどだ。地味に軍関係者にまで注目され、軍事物資として取引されることになる。
医療関係にせよ、冒険者にせよ、軍関係にせよ、野外での活動が多い者たちはこの商品の有効性にすぐ気がついた。
ダンジョン内でも排泄などはデリケートな問題であり、ひそかに悩む人々も多かったということだ。
布製品に関しては、機能がついた布というところから、汗をよく吸うという機能をつけて臭くなりにくい製品ができ、冒険者の間で汗臭くない、とか、いい男の嗜みとか、人気の衣料品がつぎつぎに発売されることになった。
転じて人の匂いがしにくいことから、狩りにいいとか、ついでに斥候職や暗殺系職業に人気が出て、さらには貴族家の使用人用にまで需要が拡大されていく。
たくさんの作品がある中で
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