表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

136/164

海底ダンジョンのハーピーさん

みなさんの目にとまりお読み頂ければ嬉しいです。

どうぞよろしくお願いいたします。


こちらの作品はカクヨムさんでも投稿させていただきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

side ハイハーピー???


 あっ、リーダーが何かしているなぁ、とは思った。でもまさかこんなことするとは思わなかった。魔狼は「はあ?アホか!ダンジョンの中でこんなことする奴なんかいない。」と怒っていたが、僕もそう思う。


 そもそもそこまで拘るところがすごい。いやリーダーは倹約家だよ。知ってるさ。でもこれはちょっとないかなぁ。


 僕たちの進み方は早い。泳ぐ速度で魔物を倒して進んでいるから。各自魔物を倒しては回収するという作業を繰り返しながら、あと少しでつぎの階層という時だった。


 ちょっと止まってほしい、とリーダーが言うので休憩かなと休んでいた。なのにリーダーは何かしていた。


 あれって、アレだよね?なんで?


 どうやらドロップ品をいちいち拾うのが面倒になったリーダー。その思い付きというのが網だった。進む速度は落とさない。ドロップ品を拾うためにも立ち止まらない。ついでに自動的に集めて楽をしたい。


 ドロップ品、一網打尽作戦?


 エエー、ヤダァ。本当にこれはヤダ。でも言えない。こうなると。周りに誰もいないのだけが救いだ。羽が傷つくとか、重いとかではない。とにかく恥ずかしい。


 ちなみに羽は傷つかない。なぜなら紐は腰に(ゆわ)えるから。


 リーダーは誰もいないのをいいことに変なことを思いついたのだ。横一列に間隔をあけて3人が並ぶ。後ろには道幅いっぱいの投網。かなり頑丈なやつ。もうお分かりだろう。なんとリーダーは3人に網をくっつけて引こうというのだ。


 無様に結ばれた紐。ズルズル引き摺る網。そこにたまっていくドロップ品。ヒッヒッとリーダーが成功を喜ぶ。


 イヤダァ、勘弁してほしい。この姿でどこまで進むつもりだろう。


 そもそも絶対後ろをとられない、という前提のこの作戦。悲しいかな僕たちだから成立してしまう。網がかなり重くなったところで、リーダーは更なる工夫をした。


 魔法の袋を特大に巨大化させて、集めてそのまま収納するようにしたのだ。えっ?こんなこと出来るの?いや、出来るからってやってほしくない。そうではないな、他の人たちがやるならいい。僕を巻き込まないで、お願いだから。


 魔狼はいいよ。四つ足の姿だとあまり変じゃないから。でも僕は荷物運びとかしたことないんだよ。リーダーと出会ってから料理をするようになったり、こうしてダンジョンの中では自分で落ちているアイテムを拾ったりもするようになったけど。


 今までの僕は、楽器以外の重いものなど持ったこともなかった。下手したら着替えさえ手伝いがいたくらいだ。


 こんな人族の古着を直して着ている姿など、誰も想像できないはずだ。意外と今の暮らしが楽で気に入ってはいるが、それとこれとは別だ。


 魔狼はよくても僕は2度はやらないよ。「俺だってやらねえよ。」隣から魔狼の文句が聞こえる。


 どうしたら僕が巻き込まれずにすむか、対策を考えないと。やっぱり誰か、こういう事が似合う奴が必要だ。あるいは嬉々として手伝う奴とか。


 今リーダーのそばには、僕と魔狼だけ。誰か調達しないといけない。当分の間、僕は国に帰るつもりはないし。正直帰りたくない。リーダーのそばは、時々変なことに巻き込まれるけれど居心地がいい。だからなんとか丁度よさそうな奴を探そう。


 魔狼はやる事をやったら、家族の元に帰るだろう。あいつは責任感も強いし、守るべき者たちが故郷にいるはず。ちょっと寂しいかもしれないが、こうして知り合ったことを嬉しく感じている。


 早く魔狼の心残りに方がつくといいなと思う。魔狼は群れにいてこそ本来の姿だから。



 

 

たくさんの作品がある中で

お忙しい中お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ