0006 また!明日が来る
最終話。
何も言わないので、思いのまま、楽しんでください。
死神ビューホテル、朝6時。
私はびしょびしょになった布団を干していた。
意外と月給の高い死神見習いマネジメント。月給なんと、50万。死神を育てることに貢献した、、、確か、そんな肩書だった気がする。だから、この高級ホテル。死神ビューホテルにも、宿泊できるわけだ。
そういえば。亜宮兎、どうしてるかな?家で、死神ゲームでも、やってるかな?
一流の死神になると、申請とか小難しい仕事も全て悪い意味で自分のものだ。だから、そんな暇ももしかしたらないのかもしれない。
一流になった死神をどうしていいかの規定はないと、マニュアルには書いてある。
でも、大抵のマネジメントさんは、その見習いの卒業式と共に、卒業パックで飛行機で人間界に帰ってしまう人が多い。
まあ、その気持ちも分からなくはない。
だって、この仕事の月給は、人間界のお金に変換する事が可能だから、稼ぐだけ稼いで人間界に帰っちゃう人も少なくない。
だから、第1万8765回目の卒業式で、マネジメント友達達は、全員卒業パックで出払っちゃった。
だから、残っているのは、そのまま見習いと結婚しちゃった人位、かな?
まあ、そんなことはどうでもいい。
今のこと、考えなきゃ。
前思ったのは、一緒に帰って暮らすこと。
でも、思ったんだ。亜宮兎にとっては死神として暮らしたいかもしれない。
私が参加していなかっただけで、一流の死神になるには、ものすごい数の試練を受けないといけない。
見てないだけで、大変だ。
そこまでしたって事は、多分死神になりたくてなった人だ。
一緒に暮らすというのは、私の勝手な要望であって、亜宮兎にとっては迷惑かもしれない。
「捨てて、買って、捨てて、捨てて。そうして、正解を探したの。」
そういっていた、友達を思い出す。学校の幼馴染、閼伽廼妥 美麗ちゃんが言ってた。美麗ちゃんは、アイドルに成ろうとしたけれど、今は、有名な子役女優。
いつでも、どこでもアイドルっ子で、前は、ちびっこアイドルで有名の5人グループ、「ちびあい」のセンターだった。絶対いつでもどこかのテレビに出ていた子だったけど、彼女が自分でアイドルを辞めた。
なぜか?それは、自分の意を表せないから。彼女がテレビで話した言葉は、
「私は、皆のためにやってきた。でも!私は、自分のやりたいことを自分でやりたい!」
そう宣言した。其の後は、子役として活躍。女優にもなった。
私も、捨てて、買って、捨てて、捨てて。正解を探そう。
こうしている間に9時だ。行こう。
* *
死神カフェ、午前9時。
真っすぐな瞳で、彼女は俺を見つめた。逸らしたくてたまらない瞳で。
「なあ、なんで、黙ってるんだ?」
「ごめん、なさい。」
「は?」
「私、あなたの事、好きになっちゃた。」
は?胸からこみあげてくる感情が、喉を鳴らした。
「先に、さ、先に!言うなよ、、、。」
「え?」
「俺も、気に成ってた。」
「う、嘘。綺麗ごとはいいよ。」
「ううん。綺麗ごとじゃない。」
「え?」
「なんでもいい。君のそばに居たい。」
「だめ。」
「なぜ?」
「あなたは、死神にようやくなれたの。頑張って死神になりなさい。」
優しいぬくもりが俺を包んだ。
どうして、お前はそんな優しいことが言えるんだよ。
「嫌だ。」
「叶えて!自分だけの夢を!」
「え?」
「私の分、まで。」
「何言ってるんだ。」
「え?」
「お前が、その手で、つかみ取れよ。」
「え?」
「お前は、まだいけるから。」
「でも、」
「でもじゃねえよ。」
「っう、、、」
「叶えろ。俺の分まで。俺は死神になる。」
「そうだよね。ありがとう。私、これで、帰れる!」
「俺の事ホントは嫌いだろ。」
「違う。」
「じゃあ、何だ。」
「亜宮兎の、為。」
「は?」
「私、あなたと一緒がいい。でも、今の私なら生きれそうだから。亜宮兎の夢を潰すくらいなら自分を試したい。」
「そんな、言うなよ、、、」
だめだ。頬を伝物が見える。
それを、藍那が抱きしめる。
「「ありがとうって言える。」」
12時。死神空港前。
「バイバイ。亜宮兎。」
「泣くなよ。」
服がびしょびしょになってる。大丈夫。また、乾かせばいい。
「「また!」」
笑った。ホントに。ありがとう。
私、明日が楽しみだよ。
《終》
どうですか?明日もファイト!
(もう疲れ切って後書き書けない( ;∀;))