0001 イケメン死神を追って死神界に入ったら
私は今、死神に恋をしている、、、。
死神の神イケメン、桜乃 阿須都さまに、、、。
だが私は死神界に迷い込んだちゃんとした「人間」だ。
その方を追ってきたのに、何故か私は見習い死神(大がまも黒服も着られない一見人間死神志望の死神だ。)の秘書に成っている。
「おーい!そこの人間さーん。」
「あの、、、、。」
「なーに?」
「何で私は秘書をやらないといけないのでしょうか?」
「え?」
「もっと一流の死神、、、大がまを持ったドクロで、黒服の、、、。」
「え?今時そんな死神いないよ。」
「どういうことですか?」
「死神にも流行っていうものがあってね。」
「はい?」
「人間界に流行っていうものがあるように、死神にも流行りが有るんだ!」
「はあ、、、。」
「これぞ、「死神カタログ」!今はね、ドクロファッションが流行りなんだぁ~」
「ドクロファッション?」
「そうそう!ドクロにでる骨の陰陽をメイクで付ける、「ドクロメイク」と、ドクロの内臓そっくりに作られたドクT!」
「ドクTって、Tシャツのパクリでは?」
「まあ、まあ、いいじゃないか!今、僕たちは人間に復讐をしている!」
「人間の目の前で言っていいのですか?」
「た、確かに、、、。」
「ふーん、、、。でも、いいですよ。だって、何か歴史でもあるのでしょう?」
「そのとーり‼この、「死神人間交流史」を見ればわかる!」
「え?だって、死神は長年人の魂を奪ってきたのでは?」
「ぬぬぬ、、、。」
「言い返せないのなら、「死神人間交流史」とか言う奴みせてくださいよ。」
「これだ。」
* *
死神人間交流史 作・死神 神奈
我、死神は人間に奴隷扱いされた。
それは大変悍ましく怖い事だったのだ。
我死神達の姿が人間に気づかれるのは長い長い月日が経った。
そう、我死神は床だったのだ!
人間に奴隷扱いされるのはもう飽き飽きだ!
さあ、反抗するのだ!
我永遠なる死神殿!
もう、人間の床になるようなものは無い、、、。
そう、人間が下を見れば奈落の底なのだ人間!
いいか、死神の諸君、人間は床が無くなれば運命が終わる、、、。
さあ、人間を奈落の底に突き落とすのだ!
だか、もうそこまで待つのは飽き飽きだ!
人間の魂を奪い、殻になった人間の死面を見に行こう!
さあ、行くのだ!死神の諸君!
次に床になるのは人間だ!
踏みつぶすのだぁ~!!
* *
「ひどい本ですね、、、。」
「俺も、元人間だから分かるよ!」
「え!そうなんですか!」
「もちろん!俺だって人間さ。」
「はあ、、、。」
「もしかして、信じてない!!」
「信じれている方が凄いです、、、。」
「床だなんて、信じる奴がどこにいるんだよ、姉さん!」
「え?」
「何?」
「この、「死神 神奈」さんの弟さんなんですか?」
「うん、そうだけど。それがどうかした?」
「では、親の教えかなんかですか?」
「ううん。神奈の通っていた死神スクールが問題だよ。
「へ?」
「死神の養成学校だよ。」
「はいィ?」
「死神界に居る人はいずれ死神になる!」
「ということは、、、。」
嫌な予感しかしない、、、。
「そう、君も何時か死神になる!」
「拒否権というのはないのですか?」
「ないでーす!」
嫌な夢を見せられそうな見習いの秘書になってしまったようだ、、、。
「それで、あなたの名前は?」
「死神 亜宮兎だよ。そっちは?」
「大隅 藍那です、、、。」
「なんだよ!そのやる気なさげな返事!」
「この仕事でやる気出る人のお顔を拝んでみたいです、、、。」
「もお~!!」
はあ、これは疲れそうな仕事についてしまったようだ。
私は死神の神イケメンを追って死神界に来ただけなのに、、、。
まあ、頑張りますか!
こうして、私の謎過ぎる死神秘書生活は始まったのでした、、、。