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文学賞受賞作品を読もう

 その本を開こうとした時、思わず体が震えた。

 芥川賞受賞作品を初めて読もうと、宇佐見りんの「推し、燃ゆ」を買った。ハードカバーのその本を前にして、動悸が激しい。


 なぜ「推し、燃ゆ」を読もうとしたかと言うと(そんなにドキドキしてまで)、文学賞受賞作とはどんなもんかと思ったからだが、端から見たら今更感満載である。私はかれこれうん十年も読書をしているし、少なくとも六年以上小説を書いているのだ。

 大学生の頃、家にあった日本文学全集を読み漁った。純文学をこれでもかと言うほど、旧仮名遣いで読んだものだ。一方で、推理小説やBLなどのライトノベルもどんどん買って読んだ。そうして、自分が書きたいのはこれだ、と思ったものはライトノベルだった。

 中高生の頃は、芥川賞を取りたいなどという夢を持っていた。けれども、実際自分が好きなのは若い子向けのライトノベルだという結論を出し、たくさん書いた。

 時は流れ、長いスランプ時期も通り過ぎ、また小説を書き始めたのが6年ほど前。主にBLを書き、手応えも得られた。私の願い事は長らく「自分の納得のいく小説が書けますように」だったが、気づけばこの6年、納得のいく作品をいくつか書く事が出来た。世の中はインターネットの時代になり、小説投稿サイトもいくつもある。かつてはいくら小説を書いたところで、出版社に認めてもらえなければ人の目に触れる事はなかったが、今や投稿サイトで公開すれば、たくさんの人に読んでもらえる。良い世の中になったと思った。

 そうして、たくさん書いてきた。それこそ長いスランプの期間を取り戻すかのように、次々に作品を生み出した。しかし、今年になって急に、ネタが尽きた。書きたいものが思いつかない。もう、あれもこれも書いてしまったし。

 それから、もっと読まれるにはどうしたらいいか、と考えるようになった。自信作で応募したルビー大賞に落選したのだが、応募作品の中で上位評価を得られず、その他大勢の山を越えられなかった事も大きい。これがダメだったら、もうダメなんじゃないかと焦り、何か変えないといけないと考えた。

 Web作品の中では、だいぶ前から「異世界転生」ものが流行っていると聞いていた。でも、それは若い男の子向けの話だと思っていた。BLは主に女性向けだし、私が書いている物には関係ないと思っていたのだ。しかし、ルビー大賞というのは紙の本のBLだが、そこでも上位評価を得た作品のほとんどが異世界もの、ファンタジーらしきものが圧倒的に多かったのだ。

 だが、私はファンタジーが少々苦手。異世界転生ものなどはハッキリ言って好きではない。そのうち流行りも廃れると思っていたが、どうもなかなか廃れる気配がない。そういえば、昔からライトノベルの投稿雑誌のようなものも、ファンタジーが主流だったっけ。つまり、ライトノベルの主流は異世界もの。読者を多く得るには、異世界ファンタジーを書くしかない。だが、苦手なものを書くのはどうなのか。一応異世界BLファンタジーを書いてみたが、恋愛部分は熟練度高めなのに、ファンタジー要素がお粗末。もう、これは諦めた方がよさそうだ。


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