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第18話 森を怒らせた理由

「ありすさん」

「すっごい眠そうね。はい、これ眠気覚まし。口開けて」


 弓矢を持ったアリスさんは倒れたクーシーに目もくれず真っ直ぐ私の方へ来て、蒼い色をした液体の入った瓶を私に飲ませようとしてくる。

 眠気覚ましだと解っていても、魔力回復薬の苦さを思い出して口を開けるのに抵抗してしまう。


「はい、飲んで~」

「ご、ごぼぼぼ!!」


 無理矢理、口を開けられて飲まされました。


 苦かったです。でも、魔力回復薬ほどではなかったです。


「に、にがい」

「目、覚めた?」

「はい、バッチリと」

「良かった。あと、これ魔力回復薬、後で飲んでね♪」

「・・・・・・はい」


 わ~い。とても苦い魔力回復薬も貰っちゃった☆

 飲まなかったら飲まなかったで怖いから後でちゃんと飲もう。


 落ち着いた所で倒れたクーシーを見る。

 起きる様子は無い、というかイビキかいて寝てる!?


『うわぁ~、コイツ、腹に矢が刺さったまんま寝てるにゃ~』

「えっと、アリスさん、寝てるんですけど・・・・・・」

「ああ、睡眠魔術を付与した矢を放ったからね。効いてくれてよかった。久々に矢を使ったけど腕が鈍ってなくって良かったわ」


 アリスさんは学生時代、弓術の大会で何度も優勝経験があるらしい。

 強いんだな、アリスさん。


『ふにゃあ~♡ アリスさんは美しいだけでにゃく、とってもお強いんだにゃ~♡』

「あら、タマちゃんも無事そうね。うふふ、ご主人様を助けてくれてありがとうって言ってくれてるのね」

『違うにゃ~。彼奴は下僕にゃ~。でも、なでなでされて嬉しいにゃ~♡』


 こんな時でも美人に甘えるタマの姿に安心感を感じる。

 ようやく、あの緊迫した状況から解放されたんだと思ったから。


「メアリーさん!!」

『メアリーはん!!』


 サスケさんとクズノハさんが駆け寄ってくる。

 サスケさんは肩に噛み後、血が滲んでる、痛そう。クズノハさんは見たところ、怪我はなさそうだけど吹き飛ばされたんだから何処か怪我してるかもしれない。

 駆け寄ってくる二人に駆け寄ろうとしたら。


「近寄るな」


 アリスさんが矢をサスケさんに向けた。


「アリスさん! 待って、その人達は・・・・・・」

「森を怒らせた原因はコイツよ」

「・・・・・・え?」

『にゃっ!?』


 アリスさんの衝撃的な発言に言葉を失う。

 だって、タマはサスケさんから妖精の気配をしないって言ってたのに。

 アリスさんはサスケさんから妖精の気配がすると言い放った。


「貴方、妖精を攫ったわね。上手く隠してるようだけど番人として契約した私には解る」

「妖精を攫った・・・・・・? あっ!? ま、待ってくれ、ボクは・・・・・・」


【待って!!!!!!】


 サスケさんが何か言おうとしたとき、サスケさんの腰に付けているポーチから綺麗な蝶の羽根を生やした小さな少女、妖精が現れた。

 彼女はアリスさんを睨付け、サスケさんを庇った。


【この人は毒蜂の毒にやられたボクを介抱してくれたんだ!!】

「・・・・・・そうなの?」

「は、はい。毒消しの実を上げて、でも体力が戻っていなかったから・・・・・・」

【ボクが元気になるまでってポーチに入れてくれてたの!!】

「売り飛ばされるとは思わなかったの?」

【バカにしないで!! ボクも妖精の王族の端くれだ!! 善意か悪意かの判断はしっかり出来るよ!!】


 サスケさんが助けた子は妖精の王族、お姫様だと言う。

 森が怒ったのはポーチに入れたせいでお姫様が攫われたと勘違いしたから。クーシーがサスケさんに襲いかかったのも同じ理由。

 そして、私とタマは巻き込まれただけ。

 そんなことある!?


「は~・・・・・・。解ったわ。貴方は攫われたわけじゃなく助けられたって事ね?」

【そう言ってる!! お母様達にはボクの方から言うよ。サスケさん、クズノハさん、ごめんね】

「いや、誤解されるような事をしたボク達も悪いよ」

『まあ、主さんは気にしてないゆえ。わっちからは何も言うことはありません』

【あと、其処のお嬢さんと猫さん、巻き込んでゴメンね】

「メアリーさん、タマさん、済まなかった。ボクのせいで巻き込んでしまった。それにメアリーさんに無茶までさせてしまった」


 サスケさんと妖精のお姫様、二人に謝罪される。

 原因はサスケさんの善意を森が勘違いしたようなものだし、それにあの時はサスケさんを助けたい一心でやっただけ。

 だから、謝られると困る。


「いや、巻き込まれたのは事実だけど怒ってないですよ! 逆にサスケさんが無事で良かったとしか思ってないです!」

「しかし・・・・・・」

「はいはい、謝罪は其処まで、そろそろクーシーが起きるから此処から離れましょう」


 このままだと謝罪合戦になりそうだと判断したのかアリスさんが割って入る。

 寝ているクーシーを見ると腹に刺さった矢がほんのりと輝きながら消滅するとクーシーの怪我が最初からなかったかのように綺麗に治っていた。

 アリスさんの言うとおり、このままだと起きそう。


【ボクは此処に残るよ。お母様達に報告しないといけないから】

「そうか。それじゃあ、此処でお別れか」

『元気になってくれて良かったでありんす』

【二人とも元気でね】


 こうして魔法の森での騒動は幕を引いた。

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