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ルゥルゥの結婚狂騒曲(恥辱肉弾編)

「ドキッ♡丸ごと水着♡女だらけの水上悩殺武闘大会」もあらかたゲームが終了し、残すは2ゲームのみとなった。現在のところ暫定1位はユウキ率いるゴージャス・レディースで得点は225点。2位はチーム・ルゥルゥの218点、3位はパール率いるカストルを愛し隊206点、以下4位198点、5位195点と続く。ちなみにアルヘナチームは180点と出遅れているが、上位チームの状況によってはまだまだ可能性はある。


「ユウキたちとの差は17点なのだ。ここで連勝しないとキツイのだ」(アルテナ)

「なーに、2連勝で一気に勝負を決めましょう」(ソフィ)

「優勝の暁には、賞金の500帝国マルクはティラとソフィとアルテナ様で山分け。その約束は忘れないで。金のためなら何でもするよ。それが冥府魔道に生きる者」(ティラ)

「もちろんだよ。だからお願いね。あたい、どうしてもリューリィ君と結婚したいんだ」


「わかってますって。よしみんな、命かけるよー! ファイト、オー!!」


 円陣を組んで気合を入れるチーム・ルゥルゥ。すぐ側で自分たちこそが優勝だと激を飛ばすライバルチームたち。そこから少し離れた場所でユウキが不敵な笑みを浮かべている。


「ふふっ、簡単には優勝させないよ」

「そう、優勝するのはあたしたち。勝ってヴァルター様と温泉旅行するんだ」

「フランさん。それ、フラグですから止めてくださいな。でも今回、私たちすっかり悪役ですわね」

「仕方ないじゃない。負けたらあのメイド長に何されるかわかんないわよ。絶対に羞恥責めにされちゃうかも…」


「その時はカロリーナ、あなたに全部任せるから」

「なんでよ! 巻き込んだのはユウキでしょ。ユウキが責任取りなさいよ!」

「だって~。さすがに皇太子妃や宰相家御令嬢が辱めを受ける訳にはいかんでしょ。ここは友人が身をもって庇うのが筋というものよ」

「うぐぐ、こんな時ばかり正論かましおって…。この乳お化けめが~」

「まあまあ。次が始まりますわよ。要は勝てばいいのです。他人の幸せより自分の幸せが大事。そのために頑張ろうではないですか」

「よし! わたしたちの幸せのために必ず勝つ!!」

「オーッ!!」


 各チーム、ラストに向かって気合を入れているところに、司会者がススっと出てきて、ラストワンとなる試合の開始を宣言した。


「さあ、熱い女の戦いも残り2つ。ラストワンとなる試合は「どっきりあっはん♡水上騎馬戦!」だーっ! 各チームの騎手役が被るゼッケンNoが書かれた帽子を取った数で勝敗を競います! ただし、今回は帽子以外を取ったら反則負け。その場で失格、点数も入りません。一方、帽子以外を取られたチームはリタイアも取られたままでの協議継続も可能でーす! 君は羞恥心に耐えられるかッ!! さあ、準備をお願いします」


「くそサイテーだね、このゲーム。女の子をなんだと思ってるのさ」

「観客もハプニングを期待している節がありますからね。自己防衛が一番です」

「という訳で、騎手役はアルテナ様だね。動きは敏捷だしワンピース水着で防御も完璧」

「任せろなのだ!」


 チーム・ルゥルゥは騎馬の先頭がルゥルゥ。斜め後方の騎馬がソフィとティラ。バルバス・バウ効果で水中歩行も考えた必勝の配置だ。ソフィとティラは身長が同じくらいなのでバランスもよく、騎馬役のアルテナも安定して跨っている。ただ、アルテナ的には時折微妙な部分がこすれるのか、ちょっと変な気分になってしまっている。


「うう、ちょっと動くとなぜか下半身が熱くなっちゃう…のだ」


 一方、最大のライバルであるユウキチームは身長がバラバラで非常にバランスが悪い。騎馬役のフランはともかく、後方騎馬のカロリーナはフランに負けず劣らず低身長なので、エヴァリーナに合わせるため。厚底サンダルを履いたがために、動きが極端に制限されていた。


「うっ、やばっ。バ、バランスが取れなくて…コケそう」


 また、3位のパールチームは一発逆転を目指し万全の布陣だ。騎手役は大天使アリエルに任せ、騎馬の先頭にアンゼリッテ、後ろをパールとクリスタとした。本来は先頭が巨乳の方が水中歩行的に良いのだが、そうすると後ろが巨乳貧乳となり、水の抵抗の違いでどうしても貧乳側に回ってしまうという欠点が露呈したため、このような配置となったのだ。


「アンゼリッテ、あんた今回は頑張りなさいよ! もう負けられないんだから!」

「わかってます! 私だってカストル様と温泉行きたいもん!」

「うちのチームの最大の弱点がアンゼリッテだもんね」

「弱点言うな。アリエルだって最初のゲーム、ドジったじゃない!」

「それを言われると痛い」


 全チーム準備が整ったところで、試合開始の合図が鳴った。歓声を上げ一斉に飛び出る騎馬の女戦士たち。プールの中央で甲高い悲鳴を上げながら激しく、時にはエロティックに帽子を奪い合う。しかし、その戦場の周囲を様子をうかがいながら慎重に移動するチームがあった。その名はチーム・ルゥルゥ。軍人であるソフィとティラの助言に基づき、いきなり乱戦に突入するのではなく、じっくり状況を観察して隙を見つけ、そこを崩そうという方針のもとに動いている。


「…あいつら、やるね」(カロリーネ)

「うむ…」(アーデルベルト)

「ルゥルゥさん、頑張れ」(リューリィ)


 特別観客席から冷静にルゥルゥを観察するヴレーベ家の人々。戦略のもとに動くルゥルゥたちを見てアーデルベルトとカロリーネは感心していた。


 一方、ルゥルゥたちの方にもチャンスが巡ってきた。ターゲットはユウキ率いるゴージャス・レディース。身軽なフランが騎馬から敵騎馬に飛び移り、帽子を奪って引き落とした後に自分の騎馬に戻るという戦法をとっている。フランの手には複数枚の帽子があった。


「あれだ! ルゥルゥさん、フランさんが別の騎馬に飛び移ったら接近してください。そして、戻ってくるタイミングでカロリーナさんに体当たりをかまします。どうもカロリーナさんは水中歩行が不安定な様子。ウィークポイントかも知れません。バランスを失って崩れた騎馬に戻って慌てるフランさんに隙ができるはず。その時を狙ってアルテナ様が彼女と彼女の持つ帽子を奪うのです!」


「了解、わかった!」

「よし…、今です!」


 フランがターゲットに飛んだ瞬間、ソフィの合図でユウキたちに突入したルゥルゥたち。大会No.1、ミリオンオーバーのビッグバストをカロリーナの背後から激突させた。強烈な2つの肉圧を受け、ただでさえ不安定な厚底サンダルを履いているカロリーナは衝撃で足首がグキッとなり、悲鳴を上げて水没する。それに引っ張られてユウキとエヴァリーナも斜めに傾斜した。


「ぎゃっ!? ガバッ、ガボボボ…ッ」

「うわああーーっ!」

「一体どうしたんですのーッ!」


 そこに運悪く戻ってきたフラン。彼女の目に横転沈没しそうな騎馬が入ったが、空中を飛んでいる自分にはどうすることもできない。「ガツン!」という変な音がした後、水上に出ていたユウキとエヴァリーナの腕にお股の割れ目ががっつり食い込み、強烈な痛みと痺れるような快感が彼女を襲った!


「きゃいん! あっうふう…ん♡」


 2、3度ビクンビクンと痙攣したように身を震わせ、恍惚の表情のままぐったりして水面に浮かぶフラン。ユウキとエヴァリーナはカロリーナに引きずられ、既に水面下に沈んでいる。


「アルテナ様、今です!」

「了解なのだ!」


 ティラの号令でアルテナは素早くフランから帽子を奪った。その数都合6枚。この時点でチーム・ルゥルゥはトップに躍り出る。しかし、安心するのはまだ早かった。新たな敵が襲い掛かってきた。


「その帽子、もらい受けるッ!」

「だれっ!?」

「愛に生きる美女軍団「カストル様愛し隊」参上!!」


 最大の敵であったユウキたちを倒したチーム・ルゥルゥに向かって、猛烈な水しぶきを上げてパールたちが突っ込んできた。


「わあああっ!?」

「愛のために…砕け散れぇ!」


 2つのチームは激しく激突する。同時に騎手のアルテナとアリエルが組合い始めた。身体能力が高い亜人のアルテナだが、古代魔法文明が生み出した戦闘兵器の大天使相手では圧倒的に分が悪い。あっという間に組み敷かれそうになり、騎馬の姿勢も崩れ始めた。このままでは強敵ゴージャス・レディースから奪った帽子が奪われてしまう。そうしたら優勝だってできなくなる。それだけは嫌だ。ルゥルゥは力を振り絞って騎馬を立て直す。


「ま、負けるもんかぁーッ!」(ルゥルゥ)

「うわわ! こなくそー!」(パール)


 帽子を奪われまいと美少女騎手が取っ組み合い、騎馬をぶつけ合う。女たちのくんずほぐれつの激しい戦いに観客席は大盛り上がりで、大歓声が会場内に響き渡っている。


「ルゥルゥ、ちゃんと支えて! このままじゃ帽子が取られちゃう!」

「ごめん! でも、パールたちの当たりがきつくて」

「ルゥルゥ! アンゼリッテ!!」

「えっ、なに!?」

「アンゼリッテを狙って! 彼女らの弱点は騎馬先頭のアンゼリッテだよ。ヤツを潰せ!」

「わかったティラっち!!」


 ルゥルゥは体を振り、遠心力を利用したおっぱいスイングで絡んでるクリスタの顔をはたいた。重量物が顔面に直撃して衝撃でふらつくクリスタ。バランスを崩したパールが危険を察知して叫んだ。


「マズい、アンゼリッテ! 狙われてる。右30°転回!!」

「ガホッ、ゲボッ! 水飲んだ。えっ、なんですか!?」

「右転回よ。動けバカゾンビ!」

「遅い!」


 体勢を崩したクリスタに引っ張られ、ルゥルゥは水中を振り回されるアンゼリッテに狙いを付けると、片足を思い切り後方に振り上げた!


「くらえ必殺! タイガー・ショットォーッ!!」

「ゲボグバボアアッ!!」


 子供の頃からウルの山奥を駆け回って体力・脚力を鍛えられてきたルゥルウ全力のキックは水圧をものともせず、威力を保ったまま貧弱なアンゼリッテの胴体を容赦なく蹴り上げた。岩をも砕く衝撃力をまともに受けたアンゼリッテは体を「く」の字に折り曲げてアリエルを巻き込んで水面上10mの高さまで飛び上がり、頂点に達すると今度は重力によって引っ張られ、2人そろって大の字になって水面に叩きつけられた!


「アルテナ様、今です!」

「アリエルの帽子、ゲットなのだーっ!」

「ピピーッ! 制限時間終了。タイムアーップ!!」


 アルテナがアリエルの帽子を奪った直後、司会者がタイムアップを宣言した。生き残ったのは僅か6チーム。優勝候補だったゴージャス・レディースもカストル様愛し隊及び同親衛隊も激しい戦いの中で水中に散った。ついでに水着も散った。

 観客の漢たちは、みずみずしい玉のような肌が弾く汗と涙、水着を失い露わになった悩ましいボディに大きな歓声を上げ、結局、このゲームも大いに盛り上がったのであった。


「どっきりあっはん♡水上騎馬戦! 優勝はチーム・ルゥルゥ! 奪った帽子は8枚。圧倒的な勝利で25点をGETだーッ!!」

「やったーっ! これで優勝に1歩近づいたわよー。ビバ・ウェディング!」


 肩を抱き合って喜ぶチーム・ルゥルゥのメンバー。一方で敗北者たちはプールの水面から頭半分だけ出して勝者を悔しそうに見つめていた。


「ユウキさん…」

「まだ、まだ負けた訳じゃないよ。最後の試合がある。一発逆転を狙える試合がね」

「イタタ…。くそ~、あのルゥルゥって子。覚えてなさいよ、もう!」

「メイド長がこっち睨んでる…」


「パール、ゴメンなさい。私のせいで…」

「ううん。相手が一枚上手だっただけよ。次で逆転しましょう」

「うん、アリエルも頑張る」


 三者三様の思いがセイレンウォーター・パークの巨大プールに渦巻く。ルゥルゥの結婚を賭けた戦いもついに最終局面を迎えた。最後の戦いは一体何なのか。今までの経過から絶対にエロく熱い戦いが待っているに違いない。会場に詰めかけた観客の期待は否が応でも高まるのであった。一方…、


「チッ、あの虎娘、意外と頑張るじゃないの」

「ふむ…。チームの帝国兵とウルの姫も中々に優秀だな」

「当然です。彼女たちも邪龍復活を阻止すべく戦った仲間なんです。ボクやルゥルゥさんとも絆を結んでいる。負けるわけがありません!」


「しかし、皇太子妃も大概不甲斐ないね。最終戦に向けて気合を入れてもらわないとね」

「最後の試練か。リューリィ、どんな結末になろうが受け入れる覚悟はあろうな」

「…ルゥルゥさんは負けません。絶対に」


 司会者が会場に出てきた。プールには5m四方の浮き板が正方形に4枚連結して浮かべられている。司会者が高らかに最終決戦の種目を告げた。


「只今より最終決戦、究極の水上格闘技「女尻相撲」を始めます!」


 その瞬間、セイレンウォーター・パークの建物が漢たちの大歓声でビリビリと振動した。

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