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番外編6 アルヘナちゃんの憂鬱④ 料理対決編

 帝都市民の食事処「港市民市場」にやってきたパールを始めとする3人の人外娘たち。広大な敷地に数えきれない程の様々な店舗が並び、大勢の買い物客で賑わっていて、その凄さに圧倒されてしまっていた。


『話には聞いてたけど、凄いわね…』

『スバルーバルの聖都にも市民市場はありますが、さすが帝都。桁が違います』

『はぐれない様に手を繋ごう』


 普段着姿のパールたちは見た目、市井の美少女たちにしか見えない。買い物かごを腕に下げたパールを先頭に、人込みの中に入ると店舗を覘いては並べられている商品を物色する。店舗内からは店主や店員が威勢の良い掛け声を上げては商品購入意欲を刺激する。


『調味料はこれでいいかな…。スエツム(紅花)油もサヴォアコロネ産の高級品が手に入ったし』

『次はおコメですか。リゾットとかピラフとかお米を使った料理もありますので、売ってるとは思いますが…』

『どこにあるのかな?』


 パールたちは広い市場をうろうろと探し回り、何軒かの穀物店を見て回ったが置いてなく、疲れてきたところで、やっと市場の外れの穀物店でおコメを発見した。


『あった、あったー!』

『これがおコメ。買おう』


「ねーちゃんたち、コメが欲しいのか?」

『そうだけど…』


 パールたちがコメを選んでいると店主のオヤジが声を掛けてきた。


「何に使うんだ?」

『えーと、かくかくしかじか…』


「ふーん、かつ丼ねえ…。炊いたコメにカツを載せるのか…。じゃあ、炊いて美味いコメじゃねーとだな…。となると、お前さんの持ってるコメじゃ駄目だと思うぞ」

『えーっ、そうなんですか?』


「お前さんの持ってるのは「長粒種」ってやつだ。水分が少ねえから、ピラフのように炒めたり、リゾットのように熱を加えて煮たりする料理に向いてるんだ」


『でも、お店にはこれしかないじゃない』

「ふふふ…、待ってろ」


 オヤジは店の奥に引っ込むと、奥で何かごそごそしてお椀を2つ持ってきてパールたちの前に置いた。見ると銀色に輝くシャリがほかほかと湯気を立てている。オヤジは2本の棒を渡すと「食ってみな」と言ってきた。しかし、この棒でどうやって食べればよいのか、パールたちは顔を見合わせ思案したが全然わからない。


「がっはっは! ねーちゃんたち「箸」は見た事ねーか。ほら、スプーンだ。これで食べてみな。初めにこっちからだ」


 オヤジに促され、パールは右側の椀のほかほかご飯を食べてみる。


『初めておコメを食べたけど、結構粘りがあって旨味が濃いわね。噛みしめるほどに口の中に広がる甘味もいい感じだわ』

「そうかそうか。じゃあ、次はこっちを食べてみろ」


 パールは左側のご飯をスプーンで掬って口に入れた。


『あら? こっちのおコメはもっちり感が凄いわ。甘みも強いし、先のコメとは違う味わいだわ』


『私は全く違いが分からなかった。アンゼリッテは分かった?』

『全然。2つとも同じ味にしか感じないです』

『パール、侮りがたし…』


「ほう。違いが判るとは中々に舌が肥えてるな。2つとも東方の島で生産された極上の「短粒種」でそんじょそこらの流通品とは訳が違う逸品だ。先に食べたのが「雪ひかり」、2番目が「乙女の正夢」という。どうする? 買うか?」


『そうね…。食感と食味は甲乙つけがたいわ。でも…決めた。乙女の正夢を貰うわ。こっちの方が濃い味付けの食材に合いそう』

「ただ、何分希少品だからな。5kgで3帝国マルク、銀貨なら3枚だ」


『高いわね…。だけど、買うわ! 10kgお願い』

「まいど! 値段だけの価値はあると思うぜ」


 おコメを受け取り、帝国マルク紙幣6枚を払ったパールはコメ袋をアンゼリッテの背中にドスンと乗せた。コメの重みでアンゼリッテの腰が悲鳴を上げる。


『ぬぉおおおおーーっ! お、重いーっ!!』

『何故に非力なアンゼリッテに重量物を…。やっぱりパールは鬼畜』


「あのねーちゃん大丈夫か? 足が生まれたての小鹿のようにプルプルしてるぞ」

『大丈夫、大丈夫。あれで意外と頑丈だから。絶対に死なないから』


「そうか? まあいい、サービスでコメの炊き方を教えてやる。コメの味は1にも2にも炊き方だからな。しっかり聞いてきな」

『ありがとう、オヤジさん!』


 ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


「はあはあ、はひ…。こ…こんな山の上に「至高のバター」を作る方がおられるのですか…?」

「ぜーはー、ぜーはー。さ…宰相府で教えてもらったから、ホントだよ。はーはー」

「あ…アルムおんじ…でしたっけ? はあはあ、ぐふっ…もうダメ…」


「寒い…眠い…」

「しっかりして、フローラさん! 眠っちゃダメです!」

「えへへ~。カストル様のソーセージだぁ、美味しそ~」

「意外と余裕ありそうですわね」


 アルヘナとクリスティーネ、フローラの3人は帝国の尾根と呼ばれる山々のひとつ、マクスウェル山の中腹に向かう険しい山道を延々と登り続けている。ガレ場の石に足を取られ、急流に流され、熊には追いかけられ、へろへろボロボロになりながら、それでも必死に足を動かす。なぜこんな目に遭わなければならないのか…。3人は常に自問自答する。


 事の発端は単純。仲間が購入したバターの質に満足できなかったからだ。どこか美味しいバターはないかと思案したアルヘナは宰相府なら情報があるかと思い、ヴァルターを訪ねた。その時点で間違っているのだが、ヴァルターはマクスウェル山に住まう「アルムおんじ」と言う人物の作るバターが料理人の間で「究極にして至高の逸品」との評価を得ていると教えてくれた。そうしてアルヘナたちは意気揚々と至高のバターを入手するためマクスウェル山に向かったのだが…。


「そ…遭難しそう…」

「そうなんですか…」

「そーなんです…」


 標高2,000mを超えたあたりから酸素が薄くなって思考が低下し、何を言ってるかわからなくなる。垂直の崖を天下の美少女たちが、泥だらけになって荒い息を吐きながら、岩の出っ張りに手を、足を掛けて1歩1歩着実に高度を稼ぎ登っていく。

 崖下を覗き見ると霞がかって地表が見えない。並みの女の子なら途中で挫折するような試練、しかし、彼女たちは信念と意地と勝利に向けてひたすら登る。ただ一つ、カストルとの愛をつかむために。そして勝利の女神はほほ笑んだ!


「み、見えてきた~!」


 崖を登り切った3人の目に、木造平屋の一軒家が入ってきた。家の背後は一段高い崖になっていて、1本の大きなモミの木が生えている。また、煙突から煙が立っていることから人が住んでいることがわかる。


「やった! 目標発見。距離200m、障害物無し! 全員突撃、突撃ーっ!!」

「吶喊!」

「カストル様万歳! 帝国万歳! うおおっー!」


 少女たちは万歳を連呼し突撃する。ユウキが見たら旧帝国陸軍の万歳突撃を想像し恐怖しただろう。神すら恐れる鬼気迫る顔で目標の一軒家目掛けて残った体力を振り絞り、玉砕覚悟で突き進んだ。


 一方、小屋の中では白髪白髭の強面の老人がパイプを燻らせ、まったりとお茶を飲みながら静かに流れる時間を楽しんでいた。そこに突然、聞きなれない鬨の声と共に玄関の戸をドンドンと激しく叩く音が響く。


「なっ、なんじゃ!」


 老人は驚いて戸を開け、悲鳴を上げた。そこには全身泥だらけで髪の毛バサバサの幽鬼のような女が3人立っていた。


「や、山姥やまんば…」


「誰が山姥じゃ、誰が! 貴様がアルムおんじか!?」

「貴様! 何故こんな場所に住んどる! 到達するまで何度死ぬと思ったか!」

「服もパンツもべっしょべしょ…。こんな目に遭わせやがって…。ジジイ、七代先まで祟ってやるわ!」


 完全な逆恨みである。


「なんだお前らは? こんな場所と言っても、儂は昔からここに住んでるんじゃ。道も整備されて悪くないはずだが…」

「整備されてなんかない! 正に地獄のロードだったよ。細くて苔だらけの獣道に急流沢登り、暗くて狭い洞穴の匍匐前進、ビッグベアーの強襲に絶壁ロッククライミング…。何度死を覚悟したか! ほら、証拠の地図!!」


「おかしいな…。どれどれ、んん?」

「どうしたの?」

「お前さん方、こりゃ儂がガキの頃の古い地図だぞ。今は使われておらん道だ。今はキレイな山道が整備されている。ここから、こう通っているんだ」


「な、なんですと!」

「くっそ~、ヴァルターのヤツ…。適当な地図掴ませやがって…。ブッ殺す!」

「根も葉もない噂を流して社会的に抹殺してやるわ。覚悟せよヴァルター! 私は敢えて言おう。チンカスであると!!」


 フランが戻ったことでユウキを相手にしなくなり、ユウキを弄んで捨てた男として宰相府の全女性職員と母親のイレーネから総スカンを食らっているヴァルターだったが、ここにまた、新たな敵を作ったのだった。


「ところでお前さん方、ここに何しにきたんだ?」


「おう、よくぞ聞いてくれました!」

「貴様の作る至高の逸品とやらを求めに来たのだ! さあ、売ってもらおうか「至高にして究極のバター」とやらを!」


「…………」

「どうした。我々には売れぬと申すか、貴様!」

「おじい様ぁ~。フローラ、美味しいバター、食べたい…なっ♡」

「アルヘナ、おじいちゃんの作るバター、だぁ~い好きッ! 売ってくれると嬉しいなっ♡」


「売るも何も…、儂はバターなんぞ作っておらんぞ」

「へ?」

「儂が作っているのは「チーズ」だ」


「チ…、チーズ、ですと!?」

「そうだが」


「シィーット! ヴァルターのクソインポ野郎が。ガセネタ掴ませやがって…。許さん! ブッ殺してやる。レイプ魔に仕立て上げて社会的に抹殺してやるわ!!」

「Hold your tongue, Mother-Fucker!(最低な奴め、黙らせてやる!)」

「ガッデム! マザコンロリコンのファッキン野郎、キンタマむしり取ってやる!!」


 散々ガセネタを掴ませた男に悪態をついた後、がっくりと膝を着いたアルヘナ、クリスティーネ、フローラの3人娘。落胆した姿があまりにも痛々しく、アルムおんじはアルヘナの肩にポンと手を置いて語り掛けた。


「落ち着け。この山の麓に小さな村があっただろう。そこにバター作りの名人と呼ばれる男がいる。そいつは大のチーズ好きでな。儂のチーズを持って行って頼め。最高品質のバターを下さいってな。さあ、持っていけ。チーズはお前さんたちにも分けてやる」

「だが、今日はもう遅い。今夜はここに泊っていけ。裏に温泉もある。遠慮するな」


「ありがとう~。おじいさ~ん」

「よっしゃ! 万歳三唱!!」

「バンザーイ! バンザーイ! バンザーイ!」


 アルヘナたちはアルムおんじの優しさに感謝すると同時に、最高級のバターもゲットする見込みが立って感動し、滂沱のごとく涙を流して万歳を連呼するのであった。しかし、アルムおんじは山姥状態の少女たちの狂態にドン引きしていた。


 ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


『ここがオーガの里…。ホントだ、オーガと人間が仲良くしてる』(パール)

『噂には聞いていましたが、びっくりですね』(アンゼリッテ)

『オレンジの木もいっぱいで、景色がキレイ』(アリエル)


 パールと愉快な仲間たちが訪れたのは、帝国南方の秘境「オーガの里」だった。人との共存を望む心優しいオーガたちが帝国の庇護下に入り、新たな村として正式に承認された場所だった。そこに、何故愉快な仲間たちが来たかと言うと…。


『本当に、ここに帝国一美味しいオーク肉があるんですか?』(アンゼリッテ)

『市場のお肉屋さんが口を揃えて言ってるから間違いないと思うわよ』(パール)

『食べてみたいね。どんな味なんだろう』(アリエル)


 3人は里の中に入り、物珍しそうに中を眺める。オレンジの木が両脇に並ぶ大きな通路を中心として小綺麗な木造の家々が立ち並び、いくつかの商店も見られる。オーガと人が楽しそうに話をし、オーガの子供たちが可愛い制服を着て小さな鞄を背負って、大きな建物に向かって走っていく。その光景は平和そのものだった。


『おっ、見ない顔だな。旅行者か?』


 パールたちがきょろきょろとしていると、1人のオーガが声を掛けてきた。


『よう! オレはガンツってんだ。お前たちは?』

『わたしはパールって言うの。こっちはアンゼリッテとアリエル。実は、かくかくしかじか…って訳で、この里に来たのよ』

『ほう…。オーク肉の噂を聞いて、ねぇ…』

『本当なら絶対に欲しいのよ。売ってるとこ教えてくれない?』


『教えてもいいが、その前に味を確かめてみたらいいんじゃねぇか? 作ろうとしている料理に合わないものを買っても仕方ないだろう。見極めてからでも遅くねぇと思うがな』

『それは、その通りだけど…』


 ガンツは「着いてきな」と言って、パールたちを1軒の食堂に案内すると中に入った。


『いらっしゃーい!』

『よう、カグヤ。お客さんだ、美味いオーク食わしてやってくれ』

『ハイ! どうぞこちらに』

『食って、本当に欲しくなったら、奥の大きな家に来な。じゃあな』


 そう言ってガンツは食堂を出て行った。パールが振り向くと美しく長い銀髪をアップにして三角巾で包み、優しい顔をした美人のオーグリスがニコニコと立っていた。カグヤと呼ばれたオーグリスが3人を席に案内すると、少し待つように言って厨房に入って行った。パールたちは椅子に座って周囲を見ると、意外と賑わっていて数個あるテーブルはほぼ満席で、オーガの家族連れに交じって役人だろうか、制服を着た人間のグループもいて、皆楽しそうに会話をしている。そのテーブルの間をオーグリスと人間の女の子がいそいそと動き回って給仕していた。


「お待たせしましたー。オレンジ豚の特製カツ定食でーす♡」


 待つこと約20分。給仕の女の子がパールたちの前に料理を並べ始めた。雑穀ご飯に卵スープ、野菜サラダ。そして、デーンと置かれた黄金色に輝く巨大なカツ。大きさはオーガの手のひらほどもあり、しかも分厚い。2cm以上はある。


「この特製ソースをかけて食べてくださいね。カラシはお好みで。ごゆっくり~」


『凄いボリューム。それにオレンジ豚って言ってたわね。お味はどうかしら…』


 パールたちはカツに特製ソースをかけて、一口食べてみた。その瞬間口中に広がる肉の旨味と甘味、適度な酸味の油がするっと肉を喉の奥に運んでくれる。


『お、美味しいっ!!』

『なにコレ、なにコレ~。口の中に微かなオレンジの香り?がして、鼻孔をくすぐって食欲をそそるぅ~。そして、肉がジュワッとして最高にうっまーい!!』

『ホント、美味しいです。聖女だった頃に食べたどの肉より美味しいです』


 パールたちは一心不乱に肉を飯をスープを口に運び咀嚼する。そして、あっという間に料理を平らげた。


『ふう…美味しかった。ねえ、これで決まりにしましょうよ』

『うん。このお肉、最高』

『じゃあ、早速ガンツさんの家に行きましょう』

『待って。その前に…』


 パールは店員に料理の代金を支払うと、厨房の入り口に行き、カグヤを呼び出して何事か話をしながらしきりにメモをしている。アンゼリッテとアリエルは、その様子を見ながら、ぽそっと話した。


『パールって、ほんと熱心ですよね』

『うん…。なんとか勝たせてあげたいな』

『そうですね。私たちもカストル様への愛は決して負けるものではないですが、今回ばかりは全力でパールをサポートしたいです』


『待たせたわね。さ、行きましょうか』

『パール、何を聞いてたの?』

『うふふ~、美味しくカツを揚げるコツ』

『…パール。貴女、素敵です』

『な、なによ急に。気持ち悪いわね』


 パールと愉快な仲間たちは里の奥にあるガンツの家に行き、肉を譲ってもらえないか交渉すると、極上の肩ロースブロックを譲ってくれると言ってきた。畜舎に案内される道すがら、この里のオーガと人との交流に至った経緯や、産業としてオレンジ栽培と畜産を始めた事、商品にならずに廃棄されるオレンジをオークの餌に混ぜたところ、劇的に肉質が良くなったため、特産品として売り出すことにした事などを話して聞かせてくれた。


『へ~、そうなんだ。それでお肉がこんなに美味しいのね』

『ああ、脂身がほとんど無く、サシになって肉全体に広がっているから、肉が柔いし旨味がぎゅっと凝縮されて美味いんだ。実はな、オレンジ効果なのか知らんが、内臓ホルモンが一番美味いんだ』


『へえ~。じゃあ、肩ロースだけでなく、丸ごと1頭分買っちゃおうかな』

『いいが、金貨1枚になるぞ』

『大丈夫。お金はあるから』


『そうか。おっと、ここが畜舎だ。好きなの1頭持ってきていいぞ。捌いてやるから』

『よーし、一番大きいヤツ捕まえようっと』

『ははは! 頑張れよっていうか、大丈夫か?』

『私はこう見えても強いのよ。ノープロブレムよ』

『久しぶりに暴れられる』

『一番の大物を捕まえましょうね!』


 ガンツに見送られ、意気揚々と畜舎に入ったパール、アンゼリッテ、アリエル。その目の前にいくつもの巨大な肉塊がそびえ立つ。よく見ると肉塊と思ったのは巨大な尻。上にはカワイイ尻尾がくるんと巻いている。


『えっ…?』

『うそ…?』

『でかい…』


 パールたちに気付いたオークが一斉に振り向いた。ぎろりと光る鋭い目。フゴーフゴーと荒い鼻息。口元から覗く上向きの鋭い牙。体高だけでパールの背丈より高い。その圧倒的迫力と凶暴感にさすがのパールとアリエルもビビる。アンゼリッテに至っては膝をがくがくと生まれたての子ヤギのように震わせている。オークが一斉にパールたちに向かってきた!


『ブモー、ブモッ、ブモーオオッ(てめぇら、オレらを食うつもりだな。ぶっ殺す!)』

『ぎゃああああッ! 逃げろーっ!!』

『ひ、180°反転! 全速撤退!!』


 パールたちはダッシュで出入り口に向かう。しかし回り込まれてしまった! 逃げ道が塞がれ進退窮まるパールたち。覚悟を決め武器を手に取った。食うか食われるか。今、生き残りをかけた熱き戦いが始まった!


『こうなったら戦うのみ。突っ込めえーっ!』

『ブモオォーーーッ(死ねぇーーーっ)!!』


 オーガの里にオークとパールたちの叫びと怒号が響き渡った。

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