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第339話 ぬるぬるタッグマッチ

 今日はぬるぬるバトルのタッグマッチの部が開催される。参加者チームは全部で4。優勝するには2回勝たねばならない。試合数が少ないのでリングも1つ撤去されている。しかし、美少女の奮戦ぶり(と痴態)を見ようと、朝から大勢の観客が集まり、屋台や出店も多数出店していて、一種異様な喧騒に包まれている。


「今日は応援一緒に頼むぞ、エド」

『うむ、それは良いのだが、いくら姿を誤魔化すといっても、黒づくめの紳士服にマント、シルクハットに怪しげな仮面姿では、かえって目立つのではないか?』


「あはは! ユウキが渡してきた仮面はホントに怪しいな。白い面に二本角、目の部分だけが細く開いていて、一体何の造形なんだ。ユウキもいい趣味してるな!」

『世紀末帝王風なんだそうじゃ…』

「あはははは、ひゃはははは。お腹痛い…」

『笑いすぎじゃぞ、アンジェは』


「ひーひー、どう見ても世紀末帝王というよりは、場末のサーカスの怪人だな。それはそうと、ユウキたちは初戦か。相手は…、ほう、これは面白い」

『リエレッタのチームか。さて、どんな事になるかのう』

「司会と審判が出てきたな」

 

 司会の男性が貴賓席にいるリューベック公とレビン伯に敬礼をして、リングの前に立ち、小指を立てて魔道マイクに向かって高らかに開会を宣言した。


「只今より、リューベック杯争奪ぬるぬるバトル決定戦、タッグマッチの部を開催します! 今回の出場チームは4。12名が優勝賞品を求めて熾烈な戦いを展開します。どのチームが優勝するのか、皆さま、本日はリューベック公公認のブックメーカーによる賭けも行われています。振るって優勝チームを予想してください!」


「さあ、それでは第1試合を開催します! チーム入場!」


 赤コーナーからユウキたちが入場してきた。まず最初にポポが入ってきた。ポポの水着はオーソドックスな紺色のセパレートタイプの水着。所謂「スクール水着」だ。ポポのフラットなロリータ体形にぴったりフィットし、お尻周りはスカートのようになっていて滅茶苦茶可愛い。ロリータ美少女の登場に会場のその手の性癖を持つ観客から悲鳴にも似た応援の声が上がり、少々恥ずかし気な笑顔で片手をあげて応えるのであった。


「ポポは私のことを「あざとい女」と言っていたが、そっくりそのまま返してやりたいな」

『ククク…。ポポたんはああ見えて、悪女の素質も持ち合わせておる。あの笑顔も計算ずくじゃて。悪い女よのう…。フフフ』

「ポポの将来が不安になるな…。お、次はアルフィーネか」


 続いて入ってきたのはアルフィーネ。均整の取れた美しい姿態を包むのは白をベースに色彩鮮やかな花柄模様が描かれたワンピース水着。しかし、胸元は大きく開いて巨乳と谷間をこれでもかと強調し、締まった腰下はハイレグカットの凶悪さ。花柄の可愛らしさとエロスを併せ持った水着はアルフィーネにピッタリとマッチして、美しさを際立たせている。さらに、三つ編みにした美しい黄緑色の髪を、大きな胸を揺らしながらさあっとかき上げる仕草が、これまたゴージャスにエロっぽい。会場の男性客はドエロイ美女の登場に大歓声を上げる。


「アルラウネって、あんな性格なのか? どう見ても浜辺で男を誘う女にしか見えん…」

『色々あるんじゃよ。我々魔物の世界にもな…』

「いや、全くわからんのだが。まあいいか、楽しそうだし。おお、ユウキが来た…ぞ」

『ヒャッハー! さすがユウキじゃ、期待を裏切らんのう!』


 最後に現れたユウキ。その姿に会場が一瞬静まり返った。着装しているのは黒の超セクシー胸開き激エロハイレグレオタード。上は大きな胸の先端部のみ隠し、下はハイレグカットの際どいパンツという代物で、クロスしながら上下を繋ぐのは細い紐。艶やかな黒髪をした破壊力抜群のぼっきゅんぼんの超絶美少女が露出度95%のどエロい姿で現れたのだ。ユウキが軽く手を振ると会場内が狂騒に包まれる。貴賓席からレビン伯が「結婚してくれ!」と叫んでる。試合前から会場はカオスだ。


『さすがユウキじゃ。エロの堕天使と呼ばれるだけはある』

「凄い二つ名だな…。私もセクシーランジェリーで頑張ったが、上には上がいるという事か…。私もまだまだだな」

『ユウキに追いつくのは並大抵ではないぞ。精進するがよい』

「エド…。うん、私、頑張る!」


 会場の狂騒を耳にしながら、ユウキは真っ赤になって後悔していた。


(普通のワンピースを買うつもりだったのに、何故かこの水着を見たら欲しくなっちゃって、勢いで買ってしまったんだけど、際どすぎるよ~。これじゃ、ただの痴女だよ痴女。あの時に戻って、この水着を手にしたわたしを止めてあげたい。は、恥ずかし~)


『しかし、ロリッ子に正統派美女に淫魔か…。見事じゃ。見事に性癖を揃えたものじゃ』



「皆さんお静かに、続いて青コーナーから選手入場です!」


 司会の言葉に会場は何とか静かになった。ゆらりと現れたのは痩身の美少女リエレッタ。吠えるドラゴンがでかでかと描かれたワンピース水着に身を包み、口元に右手の甲を当てて「オホホホ!」と高笑いしながら入場してきた。ちなみにリエレッタの体型は起伏の乏しい貧乳系。フッと笑ったユウキをじろりと睨みつける。


「リエレッタ、凄い水着だな。どういう趣味してるんだ?」

『ボディーラインはポポたんといい勝負じゃの』


 リエレッタの合図で仲間が2人入ってきた。相手を見て司会と審判、会場が静まり返った。ポポとアルフィーネも表情が固まっている。もちろんユウキも…。


「オーホホホ! どう? 私の仲間は。さあ、自己紹介なさい」


 リエレッタの背後から短髪角刈りで四角く厳つい顔をした女(?)が進み出た。身長は2m近くあり、ぶ厚い大胸筋、はち切れんばかりの上腕二頭筋と三頭筋。大腿四頭筋(太もも)と下腿三頭筋ふくらはぎはユウキの胴回りよりも太い。お腹もしっかりと割れていて、見るからにパワーファイターである事がわかる。角刈り女は天を指さし、雷が小鳥のさえずりに聞こえると思われる程の大声で叫びだした。


「天よ哭け! 地よ吠えろ! 貴様らなぞ、この拳帝の前では赤子同然!! 死出の旅路の前に我の名を知れ!! 我の名はラオミ!」


 会場全体がシーンと静まり返る。ユウキがポポにそっと耳打ちした。


「アレの相手はポポに決まりね」

「ポポに死ねと言うですか」

『お、お股から蜜が出ちゃいそう…』


 続いて前に出てきたのは、これまた髪を短髪角刈りにしたベース型の顔をした女(?)。太い眉毛に三白眼と山型の引き締まった口。また、ラオミにも勝るとも劣らないボディをしているだけでなく、体中に刀傷などの跡が無数にあって、相当の修羅場を潜り抜けてきた事がわかる。


「オレの名は、デューク…。デューク・サイゴウ。オレの後ろに立つな…。それが誰であっても撃つ。オレはそう訓練している…」


(どっかで聞いたような名だね…、んん、ちょっと待って!)


「審判! あの2人男じゃないの!? 見て、ブラはペタンコだし、ビキニパンツの前がモッコリしてるよ」


 ユウキの指摘に審判がリエレッタの所に行って確認をすると「言いがかりだ」と反論する声が聞こえた。審判がパンツの中身を確認しようとしたが、ラオミとデュークの鋭い眼光に射竦められ、すごすごと引き下がってきた。


「えーと、ユウキ選手からの「男ではないか」との抗議を受け、確認しましたが、問題はないと判断できましたので。只今より試合を開始します」

「えー、絶対男だよあれ…。仕方ない、ポポ、アルフィーネ、覚悟を決めよう」


 タッグマッチのルールは簡単。3人同時にリングに上がって戦うというもの。最後まで選手が残っていたチームが勝ちとなる。ただし、制限時間なしのデスマッチ形式だ。当然水着が脱げても試合は続行される。


(絶対に水着だけは死守しなきゃ…)


 審判のルール説明が終了し、3人娘がリングに上がるとくるぶしの辺りまでローションが入れられている。にゅるんとした感触に背中がゾクッと来る。しかし、ユウキたちには秘策があった。滑り止めのため、リングシューズの裏にザラザラヘビの皮を貼り付けていたのだ。


「よ、よし…。滑り止めは効いているようだね。後は作戦なんだけど、あのラオミとかいう世紀末覇者はわたしが引き受ける。ポポとアルフィーネはあの殺し屋もどきをお願い」

「でも、どうやって倒すです? ポポたちではユウキのように戦えないです」


「むふふ、我に秘策アリだよ。ごにょごにょ…。どう?」

「わあ、それならイケるのです」

『はい! アルフィーネ、頑張っちゃいます! でも、後の1人はどうしますか?』


「うん、出来れば放置したいけど…。そうだね、関わって来たらわたしが対処するよ」

「さすが、エロボディバーサーカー。頼りになるのです」

「今回に限っては、その称号がピッタリだよ…。自分で選んだとはいえ、この格好はエッチすぎる。会場の男性客の視線が怖い…」


『落ち込まないでご主人様。とてもよくお似合いです。さあ戦いの始まりです。行きましょう、皆さん!!』

「アルフィーネが仕切りだしたのです」


 ◇  ◇  ◇  ◇  ◇


『いよいよじゃの』

「ああ。しかし、リエレッタの連れてきた仲間、どう見ても反則だろう…」


 審判の合図とともにゴングが鳴った。ぬるぬるローションが敷き詰められた特殊リングの中で、美少女たちは優勝目指して、今戦いの火蓋を切った!

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