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第107話 学園祭④(美人コンテスト中編:シャルロット頑張る)

「は、はい。2年Cクラスの、シャルロットです。みんなからはシャルと呼ばれてます」

「家族は両親と妹2人、弟1人の4人兄弟の長女です。あ、あたし、みんなに比べると背は低くて美人でも可愛くもないし、胸もペッタンコなので、こんなコンテストに出るなんて、一生縁がないと思ってました」


「だから、お友達があたしを推薦したときは『何てことしてくれたの、笑いものにするために推薦したの!』と怒りました。でも、お友達みんな、『シャルなら大丈夫』って言って、一生懸命応援してくれて、あたしを綺麗にしてくれて…。だからあたしも頑張ってみようかなって思って…。そ、そんな訳でよろしくお願いします!」


 シャルロットのたどたどしくも、しっかりと紡ぐ言葉にユウキたちは大きな拍手を送る。会場が割れんばかりの拍手に包まれた中、シャルロットはペコリと可愛らしくお辞儀をすると、足早に舞台袖に戻って行った。


 舞台袖に戻ったシャルロットは、「ボスッ」とマヤの胸に抱き着き、プルプル震えながら、「な、なんとか頑張った~はあ~」と息を大きく吐いた。マヤはそんなシャルロットをギュッと抱きしめ、


『ホントによく頑張りました。とっても可愛かったですよ。昼食後は水着審査です。とりあえず、着替えて昼食にしましょう』と言った。


 シャルロットがマヤに手伝ってもらいながら着替えをしていると、後ろから声がかけられた。


「先輩」

「うん?」

 シャルロットが振り返ると、声の主はルイーズだった。


「君はルイーズ…ちゃん。あ、あたしに何か用?」

「ええ。私、自分で言うのも何ですが、美貌には結構自信があるんです。昨年王者のユウキさんと争うのを楽しみにしていたんですが、コンテストに出ないと聞いて、正直残念で」


「そ、そう。でも、それがあたしと何か関係があるの?」

「ええ、今年は私の独り勝ちと思ってましたが、先輩、いやシャルロットさん。あなたという思いもしない強力なライバルが出てきて嬉しくなりました。私は負けませんよ。それを言いたかったんです。では、午後の部でお会いしましょう」


『宣戦布告ですか。自信家ですね、彼女』

「美人だよね。マヤさんもあたしより、あの子の方がよかったんじゃ…」

『いいえ、彼女は既に完成された美しさを持っています。これ以上は磨くことはできないでしょう。そのような方に私は興味ありません』


『でも、ユウキ様、シャルロット様、リース様は違います。光り輝く素質を持った原石です。磨けば磨くほど光り輝く宝石です。私の目にはそう見えるのです。シャルロット様、私がシャルロット様を輝かせて見せます。絶対優勝しますよ。あんな、自信過剰女には負けられません』


「お、お手やわらかにお願いします…」


 昼休み時間となった。シャルロットとユウキたちは食堂で合流し、マヤの手作りランチを食べている。

「いやー、シャルロットがあんなに化けるとは思わなかった。びっくり」

「お化けみたいに言わないでよ、カロ」

「ホント、スッゴイ美少女ぶりでしたね。もしかしたら優勝も夢ではありませんよ」


「もう、ユーリカまで…。褒めすぎだよ。でも、午後は水着審査でしょ。流石にこの貧相な体ではアピールが難しいかな」

「ボクが言うのも何だけど、マヤさんを舐めない方がいいよ。きっと、とんでもない水着を用意している。絶対にエロい格好させられるよ。それでボク、何度も泣かされたから」


『シャルロット様、そろそろ準備しましょうか』

「んぐぐ、不安いっぱい胸いっぱい」



「さあ、会場の皆さん! 美少女コンテスト、午後の部の開会です! さあ、午後は皆さんお楽しみの「水着美女」でーす。参加者の皆さんには、1人ずつステージを練り歩いてもらい、最後に、あるシチュエーションのセリフを言ってもらいます。内容は人それぞれ。会場の皆さん、お楽しみに!」

「水着美女は3年生から始まります! ではスタート!」


 特別席で観覧しているユウキたち。水着姿の美少女が出てくるたびに、会場から歓声やため息が湧き上がる。


「いや、今回もナイスな体付きのお姉さま方ぞろいね。皆様いい乳してやがる。私にも分けてくれたらいいのに…」

「カロリーナは貧乳が自慢じゃなかったの?」

「いや、そうなんだけどね。やっぱり少しは欲しい訳よ」

「ほらほら、シャルの番だよ」


「ん、シャル中々出てこないね」

 カロリーナとララが、出て来ないシャルロットを心配して、袖口の方を見る。


「(まさか、マヤさんやったな)ボクが思うに、相当エロい格好させられていると思う」


「シャルロットさーん。司会のリンでーす。出番ですよー。早く出てくださいー」


『ほら、呼ばれてますよ。早く早く』

「で、でも、これは恥ずかしすぎる…」

『そうですか? 臨海学校のカロリーナ様の水着に比べればそうでもないですよ』


「うう、ユウキやカロの気持ちが今になって良く分かる」

「覚悟を決めた! シャルロット、い、行きまーす!」

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