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祖母が亡くなった日

作者: 赤井 歩

末期ガンを患っていた祖母が亡くなった

発見が遅かったというのもあり、本当にあっという間にいなくなってしまった

彼女は80歳になっても旦那さんと二人で畑を切り盛りする強くて素敵な人だった


ほんの1ヶ月前にガンが発覚したばかりだった

首に100円玉ほどの大きさのしこりができた

膵臓からの転移だった

久しぶりに会った彼女は元々小さい身体をさらに小さくさせたようだった

ごはんもあまり喉を通らないほどだったが唯一、お手洗いに行くときの祖母は背筋もしっかりして見習わねばと思ったくらい美しかった


最後の1週間はほとんど寝たきりとなり、次第に大地と一緒になってしまったかのような感覚におちいってしまうくらいだった

たまに不安になり覗き込むと腹部が動いていて安心した

少し起きて美味しそうにアイスをゆっくり食べる貴女がとても尊く感じた

「また2日後ね」と言い、まだ1日しか経っていなかった


報告を受けたとき不思議と悲しみはなかった

祖母がこれ以上苦しまないで済むことにただただ安堵した


周りは「あの世でも幸せに暮らせるように」って言うけれど、僕は本当はあの世なんてなければいいのにと思っている

あの世なんかなくても良いから旅行好きだった祖母が風や空気になって行きたい所に行けたらいいなと思っている


-----

さて、これから僕は祖母が旅立つために準備をして来ようと思う

ここまで見てくれた優しい貴方

ありがとう

いってきます


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― 新着の感想 ―
[一言] とても重みのあるお話でした。 おばあさまのご冥福をお祈りします。
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