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急行! 人間の里

── 人間の里・西の門付近


わいのわいの……


霊夢「……全速力で里まで来たけど、普段と変わらないじゃない。」


キョロ……

華扇「見たところ食べ物が動き回ってるようには見えないわね。

妖気も魔力も感じない。」


魔理沙「私達が来る前に沈静化したのかもしれんな。」


霊夢「──小鈴ちゃん、異変が起こった時の状況を詳しく聞きたいんだけど。」


小鈴「あ、えぇっと、はい……。

…一時間くらい前だったかな、私はいつも通り店番をしていたんです。

それで、なんだかやけに外が騒がしくなって……。

また、店先でおかしな喧嘩でもしてるのかなぁって、見に出たんです。

そうしたら…………居たんです。」


魔理沙「動き回る……食べ物か?」


小鈴「……はい。」


霊夢「それはどんなやつ? やっぱり星型だったでしょう?!」

ガタッ!


魔理沙「根強いスターダストレヴァリエ説やめろ。」


小鈴「い、いえ。一番最初に私の目に入ったのは……おまんじゅうでした。」

ば~ん…!


霊夢「おまんじゅう!?」

ガーン!


魔理沙「おまんじゅう……。」

ズーン……


華扇「おまんじゅう……。」

じゅるり……


小鈴「手足の生えた色んなおまんじゅう達が里の人達を追いかけていたんです……!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!


霊夢「追いかけて…………。人間に敵意があるのかしら。」


小鈴「どうでしょう……。おまんじゅうが追いかけてる…というより、皆が勝手に逃げてる…というようにも見えましたが……。

まぁ、あんなのが急に現れたら逃げたくもなっちゃうわよねぇ。

追いかけられてた人達も『まんじゅうこわい。』って怯えてましたよ。」


霊夢「…………逼迫した状況だったというのは分かるけど、話だけ聞くとなんだかふざけているみたいねぇ……。」


魔理沙「まんじゅうの他にはいたか? 動く食べ物。」


小鈴「はい。えーっと、野菜とか果物…死んだ魚も歩いてたかなぁ。他にもたくさん居て……列をなしているように見えました。」


華扇「……まるで百鬼夜行。

百鬼夜行といえば付喪神のイメージも強いけれど。」


霊夢「……。

小鈴ちゃん。その食べ物達はどこからやって来たの?」


小鈴「………………ごめんなさい。分かりません。」


魔理沙「分からない? 見ていたんじゃないのか?」


小鈴「それがぁ、そのぉ……

……気絶しちゃって……。」

テヘーン


ズコ~~!!


ヨロ…

魔理沙「あ、あぁ…そういえばお前にはそんな癖があったな。」


華扇「癖……なの? それは……」

ずずーん…


小鈴「15分くらいで目が覚めて、その時にはもうウチの回りには居なかったんですけど……

ここから東の中心街の方では騒ぎが続いているようだったので私は博麗神社に向かったんです。

……そういえば、私が西の門に向かうまでの道では付喪神は見なかったですね。」


霊夢「…はあ。肝心なところが分からないねぇ。小鈴ちゃんの気絶癖も治さないとね。」


小鈴「しょ、しょうがないじゃないですかぁっ!

だって……ウチの中から海鷂魚の干物のお化けが出てきたら、そりゃあ……!」


霊夢「……え? 小鈴ちゃんのお店の中からも付喪神が現れたというの?」


小鈴「は、はいそうです。」


霊夢「……待って。もしかしたら私、犯人が分かっちゃったかも。」

ピキュ~~ン


小鈴「えっっ」


霊夢「この異変の犯人は……小鈴ちゃん…いや、『鈴奈庵』よ!!!」

ビッシイィー!


小鈴「エッッッッーーーーー!!!!!!!!」

ぞ~~ん!!!!!!


魔理沙「……そうか! 小鈴ン所にある妖魔本だな?」


霊夢「そう! 小鈴ちゃんトコの貸本屋に置いてある妖魔本の魔力が食べ物を妖怪化させたに違いないわ!

やっぱり『鈴奈庵』が諸悪の根源ね! 人間の里に何かあった時はいつも『鈴奈庵』に原因があるんだから!」


魔理沙「うむ。そういや前にも似たような事件があったしなぁ。」


小鈴「そ、そんなぁ~~! ひどいですよぅ……!」


霊夢「…よし! そうと分かればさっそく鈴奈庵に行って、付喪神を生み出してる妖魔本を封印……否!

全てまるっと処分するわよ!」

ガーーッツ!!


小鈴「えええ~~~~~ッ!!!!!!!!!!!!」

ブブーッ!!! ズーーン!!!!!


魔理沙「今日はまた、いつも通りに乱暴だな。」

小鈴相手に


霊夢「当然! そろそろ我慢の限界よ!

『鈴奈庵』は妖魔本で問題ばかり起こしてるんだから!

この措置だってやりすぎなんて事はないはずよ。

魔理沙だってあなたのスターダストレヴァリエが謂れのない風評被害に見舞われたでしょう。」


魔理沙「……いや、霊夢。スターダストレヴァリエに拘っていたのはお前くらいなものだぜ……。」


華扇「妖魔本か……。確かに異変を起こすほどの魔力を持つアイテムを里に置いておくのは心配ね。

処分するかはともかく、一度『鈴奈庵』に行ってみましょう。」


小鈴「ヴうぅぅ~……

こんなことになるなら霊夢さんを呼ばなきゃ良かったぁ~……」

がくーー……


わいわい…きゃっきゃ……




コソ…

??「……」


《物陰から霊夢達を見つめる黒い影…》


ゴゴゴゴゴ…

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