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プロローグ(1)

初投稿です

よろしくお願いします。

 12月29日 俺 狐狸 誠(こり まこと)(27)は明日からの予定について考えていた。つまりは年末年始、都内の喫茶店でほぼ毎日働いているが流石に年末年始は30日から3日まで休みを貰っていた。予定とは言っても既に内容は決まっており多くの人がそうであるように、実家に帰り家族や親戚に会い過ごすというものだった。

「でも遠いんだよなぁ」

 実家は車で片道十時間、遠い上山の中運転し辛い事が問題だった。普段、都内で過ごす分には移動は電車か自転車ですむので久し振りの運転が山道なのは不安しかなかった。

「どうしました?ぼーっとしていますよ」

 そう言ってカウンターから出てきたのは純日本人顔なのにチョビヒゲが似合うダンディな店長、葉月さん(38) またの名をマスター。

「いえ、お客さん来ないなと思って」

「そうですね、今日は田中さんしか見ていませんね」

 いつもは常連さんが常に2、3人いて他のお客さんも数人いるのだが今日に限っては黒髪オールバックの目つきの悪い 自称エリートサラリーマンの田中さんしか見ていない。

 そんな田中さんは

「年末だから皆実家に帰るんだろう、俺も明日から帰って年末掃除だ。その前に仕事片付けないとな」

 そう言って自称エリートサラリーマンは会社に戻って行った。

「葉月さんは年末どう過ごすんですか?」

「孫と遊ぶ予定だよ ...」

 あの普段はダンディな葉月さんがお爺ちゃんの顔してる!!やっぱり孫は可愛いんだな

 結局この日お客さんは自称エリートサラリーマンだけだった。


 …………………………………………


 次の日のお昼頃

 早朝に家を出て慣れない運転に加えて山道の中突然飛び出してくる動物達にヒヤヒヤしながらやっとの思いで誠は実家に辿り着いていた。

 服や生活用品お土産などが入った大きなスーツケースを車から降ろし門を開け石畳を進み鯉のいる池の傍を通り過ぎ、石造りの蔵を横目に当然のように鍵のかかってない玄関を開ける。

「ただいまー」

 返事がない

「た・だ・い・まー」

「〜〜〜」奥の方が騒がしい

 スーツケースを玄関に残し、上がって奥へと進み長い廊下を歩き何度か曲がると奥の座敷で親戚を含め皆でワイワイ掃除をしていた。ふとこちらに気づいた身長180程の大きなおっさんが

「ん、、おおぉ誠じゃないか!久し振りだなぁ

 またデカくなったんじゃないか?」と定番の振り

「おじさん程じゃないよ」と定番の返し。いつか身長越してやると考えていたが、20歳を過ぎた頃諦めた。

それでも173であるので満足はしている。会うたびしている会話を楽しんでいると

「誠兄ちゃんだ!」「誠お兄ちゃん!!」「本当だぁ」とちびっ子イトコ達が雑巾を投げ捨ててやってくる。それを見た叔母さん達は「おかえり〜」「あら、おかえりさない〜 あっ、こら!投げるな!」と

 そうこうしていると母さんが来て

「おかえりなさい、おばあちゃん達にも挨拶してきて

 その後お掃除手伝ってちょうだい」

「...あの挨拶はいいけど疲れたからちょっと休みたいんだけど...」

「掃除が終わったら休んでいいわ。誠は今年も蔵担当ね」

「なん、だと...」

 母さんの無慈悲な宣告を受け、疲れが癒えぬまま蔵に向かったのだった。



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