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金蓮花  作者: 一条
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序章 終わりと書き始まりと読んだ

主人公は双子の兄弟です

この世界で巻き起こる争いの火種となったテロ事件


そこに居合わせた主人公の一人の話です



ひどい耳鳴り



全身に走る鋭い痛み



こだまする悲鳴



果てしない違和感





うっすらとした意識の中、ゆっくりと目を開く


ゆっくりと耳鳴りが収まり始め

酷く激しく脈を打つ自分の鼓動を感じ始める

ぼやけた世界はやがて鮮明に頭の中へ流れ込んでくる


鳴りやまない銃声、たくさんの乗り捨てられた車

道路沿いの建物は炎を上げ、路上には無数の人影が横たわっていた


人々は悲鳴を上げただ逃げ惑うだけだった



意識は虚ろで、体はまだ動かない


世界がゆっくりと時計回りにぐらつくなか

少し離れた交差点の真ん中に二台の黒いセダンが止まっているのが見えた


3人の銃を持った男たちが

車の陰に小さく身を隠す年配の男を守るように戦っている


不意に、意識がはっきりすると同時に

身に起こった今までの出来事が彼の意識を彩る


ふと気づく、自分の上には覆面をかぶった男の死体が覆いかぶさっていた



「くそっ・・・・!」



男の死体を自分の上から避けようとしたとき

同じような覆面をかぶった男が散弾銃を抱え頭の上を走り去った


交差点を目指して走る男がこちらに気が付かないように

その先で戦っている彼らも男にかが付く様子はなかった



不意に、意識の中から懐かしい声が問い掛けてきた



『国家のためにできることは?』



遠い記憶の忘れかけている誰かの問いかけ

その遠い記憶の中で彼は答える



『脅威となるものを排除すること』



『それは愛国心か?』



『いえ、自分のためです』



そのとき、左手に筒状の鉄の感触を感じた

それはすぐに覆面の男が持っていたアサルトライフルの銃口だと分かった


彼は左手で銃を手繰り寄せ

アスファルトに置かれた銃の銃床を脇腹に押し付け、チャージングハンドルを引く

真新しいライフル弾が勢いよく排出され次弾が装てんされる

ライフルのグリップを握ると走る男に銃口を向ける





まだじんわりとしびれが残る左手に、ライフルの反動を感じた





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