7 魔王の過去とミル・フルアーデン
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「何者だ?お前ら」
魔王たちが警戒する中、ミルはふむ、と考えた。
「え〜と、転生者で、お前らぶっ飛ばしに来た。さっさと魔王の座ぁよこせ」
「なんだと!」
ミルの答えに魔王たちは殺気を放つ。
「あ〜あ、本当にかましたよこいつ」
「さすがミル様です。権力争いばかりやっている薄汚い怪物どもはさっさとミル様に魔王の座を渡して跪くのが正しいのです」
「何?この薄汚いガキは私たち7大魔王を相手にして生きて帰れると思ってるの?このクズが」
「今回ばかりは蝙蝠に同感だな。転生者だか何だか知らんが、人間のような下等種族が我らに勝てるとでも?」
「こんなチビっこい子がどうやってわっちらに勝つつもりどすえ?わっちが尻尾一振りしただけで飛んでっちまいそうなチビちゃんなのに」
「こんなガキに私たちが手を煩わせないでも、他のゴミどもで十分通用するでしょう。」
「あはは〜、体炙って目ん玉くり向いたらこの子どんな声あげるかな。マザブタの餌にはなるかもね」
「ふん!こんなの私のおもちゃにもならない!ここのゴミより汚くて臭いからおもちゃにもしたくないけどな!」
「本当に今日は空気が汚れますね。さっさとこんな汚物、浄化しないと息が詰まっちゃいます」
魔王たちの言葉に、ヘルとフィアがピクリと反応する。
「「何だと?」」
ヘルとフィアが殺気を放って臨戦態勢になり、その場の空気が悪くなってくる中、ミルは考え事をしていた。
「なぁ、七大魔王さんたちよ。なんでお前ら人間怖がってんの?子供の頃にヤハウェにトラウマでも植え付けられた?だからお前ら自分の領地に引きこもって出ようとしないの?ヤハウェが怖いから?」
「「え?」」
「「「「「「「は?」」」」」」」
ヘルとフィアはキョトンとした顔で振り向き、魔王たちは驚き半分怯え半分の顔でミルを見た。
「な、なんで…………………」
「え〜、だってお前ら私の目、絶対に見ようとしないしヘルとフィア入ってきた時は平気だったのに私を見た途端怯えの表情なったし。力の差に気付いたのかって思ったけどなら挑発みたいなことしないよね。魔族が人間にトラウマ抱く原因は大抵ヤハウェだよな、て。そしたら魔王たちが自分の領地引きこもっている理由納得」
魔王たちが完全にフリーズしている中、ヘルとフィアは警戒を解いた。
「さっすがミル、エスパーは健在か」
「さすがですミル様!フィアは感服しました!」
ミルは周りの様子にも気づかず、考え事をしながらぶつぶつとつぶやいている。
「ん〜、じゃあみんな何されたんだ?悪魔の魔王はうっすら首に痕残ってるから奴隷で、龍の魔王は拷問された傷があるから普通に拷問されてたんだよね。妖怪の魔王は九尾珍しいから見世物にでもされてたのかな?巨人は数が少ないから仲間とか家族とか友達とか眼の前で殺されたんだろ。魔獣は赤い羽根を不死鳥に重ねて追いかけ回されて殺されかけたってとこかな。魔人は足に痣あるから犯されたんだろ。うわ、子供犯したのかよ。最後に妖精は転移してるとき焼け野原あったから森でも焼かれたのかな。まぁこんなとこだと思うけど…」
ミルがふと魔王たちを見ると、頭を抱え込んで座り込んでいた。
「やべっ。フラッシュバックだ。いやフラッシュバックが少し思い出しただけでなるように呪いかけられてやがる。エゲツなっ!」
まだ状況を理解してないヘルとフィアに声をかけると、二人は慌ててとんできた。
見ていると、だんだんと魔王たちの姿が変わってきた。
「助けて!誰か助けて!」
「貴様らぁ!よくも、よくもぉ!」
「いやだ、見ないで!見ないでぇ!」
「もうやめてよ、父さん。母さん」
「来ないで!コワイヨォ………。」
「もう無理ぃ!誰か!誰か助けてぇ!」
「あぁ!やめて!森を返してぇ!」
「あっちゃー、予感大的中かよ。結果がこれじゃああんま嬉しくないなおい。まあいいか。」
「どうするの?戦うなら僕らもやるけど」
「いや、いい。お前らそこで待ってろ」
姿を変えた魔王たちが襲いかかってくると、ミルは黙って手を挙げる。
「『ダリッド』」
すると、魔王たちの動きが止まり、徐々に元の姿に戻って行き、倒れた。
「わぁさすがミル。僕バトル展開予想してたのに一瞬で終わったね。」
「おーし、んじゃ介抱すんぞー。お前ら手伝えー」
「え〜、やなんだけど僕」
「了解しました」
「え、ちょ、フィアちゃん!?も〜またこの展開かよ〜!」
こうしてミルたちは魔王たちを介抱することになった。
次で一応この章最後です!
9月まで更新できませんすみません!