6 魔王城と七大魔王
すいません!二日に一回更新になるかもです!
「うわぁ、あれが魔王城?」
ミルが指をさしたところには、黒々しい巨大な城が建っていた。
その城は周りは黒い柵に囲まれ、魔力の結界が何重にも張ってあった。
その城は高い崖の上に立ち、周りは黒い森で囲まれていた。
周りは昼だというのに薄暗く、不気味な雰囲気が出ていた。
「うわぁ、どこのテンプレだよ。ゲームか?」
「ここは一年中ずっと薄暗いですから。森の中には凶悪なモンスターがうようよいますし、崖も同じです。登っている間も空から狙われます。もしそれを突破できたとしても柵の中には強い力を持った魔王直属の魔族が多くいますね。それに結界や罠も多く設置されていますし、バレないで行くにはかなり至難のことかと」
フィアがすらすらと解説すると、ミルはフムっと考え込んだ。
「おし、じゃあ忍び込むか!」
「いやちょっと待とうか。ミル、フィアちゃんの話聞いてた?バレないで行くのは難しいって言ったよね、今!」
「私は至難だと言っただけで出来ないとは言ってません。そしてミル様にそのことを当てはめてもおりません」
「まさかの裏切り!?でも難しいんでしょ?他の手段を探した方が……………」
ミルはふっと顔を上げてヘルを見た。
「全員バレないようにぶっ飛ばせばいいじゃん」
「…………………さいですか」
ヘルはもう諦めた顔で笑っていた。
「お〜し、じゃあ行くか〜」
「了解しました」
「え、え!ちょ、ちょっと待ってよ〜」
魔王とは、魔族をまとめる王であり、魔族最強の存在でもある。
そんな彼らの機嫌を損ねれば、自らの首が一瞬で飛ぶことは誰でもわかるこただった。
「そ、それでは魔王の夜会を始めます」
司会はすぐさまその場から立ち去った。
それを7人の魔王は横目で見ていた。
「な〜んかあの司会、怯えてばっかでおもしろくないわね〜。殺しちゃおうかしら」
ビキニ姿のサキュバスは悪魔族の魔王だ。
彼女はつまらなそうに槍を弄る。
「ふむ、それは同感じゃのう。ついでにゴミ虫のようなお前らもまとめて殺したほうがよさそうだな」
鎧を着た赤い竜は龍族の魔王だ。
彼の言葉で、会場の空気は一気に冷えた。
「フゥム、それなら名案がありんす。わっちがゴミを片付けてしまいやんすよ。そしたらゴミムシごとき全て消えて少しは綺麗に見えやす。ああでも、換気もしないとでありんすね。ゴミが吐いた息で息が詰まりそうでありんす。」
和服を着た九尾の女は妖族の魔王だ。
彼女はいかにもくさそうに顔をしかめ、服で鼻を覆った。
「それは私も同感だ。ゴミムシが消えればまぁまともにはなるだろう。こんなところなどすぐに壊すべきだと思うがな」
スーツを着た男は巨人族の魔王だ。
彼は冷えた目で周りを見回した。
「そうだ!城ごとゴミムシを燃やせば汚れた空気が出ないですむよ!そしたら少しは良くなるでしょう?」
赤い羽根がついた少女は魔獣族の魔王だ。
彼女は無邪気に羽をばたつかせた。
「なら私が城ごとゴミムシを潰してやろう。だが、私が汚れてしまうのが嫌ではあるがな」
魔眼の少女は魔人族の魔王だ。
彼女は腕をぼきぼきと鳴らした。
「そうですね〜、空気が汚れないなら城ごとやっちゃった方がいいと思います。ええ〜と、蝙蝠に蜥蜴に狐に岩に鳥に目ですよね。さっさと掃除しないと」
小さく輝く少女は妖精族の魔王だ。
彼女は小さく微笑んだ。
このように一瞬即発な状態の中、急に壁から破壊された。
「いや〜会場はここだよな。間違えてたらやだから言うけど」
「ほ、本当にやったよ」
「さすがミル様です」
音を立てて崩れる壁から出てきたのは、3人の少女だった。