4 神様とフィア・ラフィエル
すいません昨日投稿できなかったので今日庭投稿します
しばらくして、荒い呼吸をしていた堕天使も熱はおさまり、穏やかな呼吸となっていた。だが、足は未だに黒い痣が残っていた。
見るとヘルはフゥっと息を吐く。
「まぁ、堕天使っていうことはこの子、上級天使なのにペルソナ裏切って堕天したってことで、つまり天界もペルソナ一筋っていう一枚岩じゃあないわけか。まぁこの子だけが裏切っている可能性かペルソナに切られたっていう可能性も一応あるけどかなり低いだろうしな」
「へぇ、なんで?」
休んでいたヘルがミルの方を向く。
「まずこいつの能力は知恵だ。だからこそ味方を増やすことくらいできるだろう。ペルソナが切るのはありえないな。能力からしてこいつはかなり有能だ。敵意でも持たない限り切らない方が自分のためになる。」
「へぇ、記憶覗いたわけじゃないんだね。少し意外」
「誰にだって見られたくない過去はあるだろう」
「へぇかっこいいね。と、起きたよ」
堕天使はゆっくりと起き上がると、周りを見渡した。
「…誰」
「起きたか。ここは洞窟、お前はここでぶっ倒れてたんだ。」
「だいじょうぶ〜?まぁこれ食べてからでいいから何があったか教えてくれる?」
ヘルが手渡した鍋を、堕天使はゆっくりと食べ始めた。
「………美味しい」
「だよね〜。ミルの料理はすごく美味しいんだよ」
「ヘル黙っとけ、食べづらいだろ」
「は〜い」
ミルが叱ると、ヘルはすごすごと元の場所に戻っていった。
堕天使は食べ終わるとほっと息をついた。
「美味しかった……」
「そっか、それは良かった。で、約束だ、話せ」
「それは……………」
堕天使がいい渋るとミルはハァっとため息をついて口を開いた。
「お前はペルソナから逃げて堕天した元上級天使。天界にはまだ仲間が残っている。今はお前がぶっ倒れてから二日後だ。ペルソナはお前を探してたこたから逃げてきた事はとっくにバレている。仲間、いや、妹は今頃どうなっているかな?」
「!妹のことをなんで知っている!」
堕天使はギロリとミルを睨む。
「別に。お前の服の汚れ方や周りの汚れで二日たっている事はわかった。妹がいることがわかったのは、お前の服には羽が付いていた。お前の羽ではないが形は似ている。だからお前のかなり近い血縁であり、なおかつ女だ。お前の羽より少し小さいことからお前より年下だ。このことからお前には妹がいる。姉が堕天して逃げ出したなら、妹にも責任がくるだろ。」
堕天使はぎりっと歯を食いしばった。
「………じゃあどうすればよかった。黙って見ていればよかったのか!黙って殺されていればよかったのか!」
「そうは言ってない。ただ、お前はペルソナが憎いか」
「憎い憎い憎い憎い!あいつなんて殺してやりたい!!なんで私は今まであんな奴についていたのか!このままじゃみんな死ぬ!!!あいつは命なんてなんとも思ってない。私たちはただの使い捨ての道具だ!!!!」
堕天使は今までの大人しさをかなぐり捨てて、堰を切ったように喋り出した。
「そうか。なら私と一緒に来い」
「………ハ?」
今まで喋ってたのをやめて、堕天使はぽかんとした顔でミルを見た。
「私はペルソナに大事な人をさらわれた。だからペルソナを倒す。お前も来い」
「…………いいの?」
少女はおずおずと口を開く。
「いいさ。ここにいるヘルも仲間のためにペルソナを倒す。私は強い。もっと強くなる。だからお前もついてこい」
「…………私は堕天した影響で足が動かない」
堕天使は恨めしげに自分の足を見た。
「知ってる。それがどうした」
「そうだよ〜。めんどくさいこと考えてないでさっさとおいでよ。僕がおんぶしてあげるからさ」
堕天使はまたぽかんとした顔になるとクスリと笑った。
「………わかった。名前は」
「私はミル、ミル・フルアーデン」
「僕はヘル・スノウだよ〜」
「わかった。私は、ラフィエル・ライド」
「…その名前好きか?」
「まったく。ペルソナにつけられた。」
堕天使は嫌そうに言う。
「そっか、ならお前は今からフィア・ラフィエルだ」
堕天使はぽかんとした顔になると、キッとミルを見た。
「…わかりました。私、フィア・ラフィエルはミル・フルアーデンに永遠の忠誠を誓います。これからよろしくお願いしますミル様」
「そっか、よろしくな。フィア」
「あはは、フィア・ラフィエルか。これからよろしくね、フィアちゃん♪」
「それじゃ行くか」
「うん!」「はい!」
ミル、ヘルにフィアを加え、三人は進んでいった。