16 使役の首輪と魔族の立場
パソコンやっと直りましたー!
「さて、他の奴らはどこかな~っと」
ミルは大きくあくびをしながら表通りを歩いていた。手にはしっかりと屋台で買った牛の串焼きをにぎっている。
「ん?なにあれ」
目の前から何かをやってくるのを見つけたミルは眼を凝らし、息を飲んだ。
そこには、首に鎖をつけられ歩かされている魔族の姿があった。布切れのような衣服を着て、体中に傷があり眼には光がなかった。
ミルは彼らを立ち止まってじっと見つめる。彼らはやがて、男に引っ張られて去っていった。
「……なぁ、あれは」
「あぁ、お前さん外の者かい?あいつらは魔族さ、薄汚くて残忍で気味悪い化け物どもだよ。」
「……魔族」
「あぁ、人を殺して頭からボリボリ食っちまうような奴らさ。まぁでも首に『使役の首輪』がつけられていただろう?そうしたら反抗しないようになるから安全だよ。魔族は力が強いし、見た目がいいのも多いし、魔力がおおくて盾にも出来る。奴隷には最適だね。」
「……奴隷」
「ああ。そういや『赤い悪夢』て言われた事件があったの知ってるかい?」
「赤い悪夢?」
「あぁそうさ、魔王の土地の近くにあった基地と村に、魔族が攻め込んできたんだ。なんでも偵察してきた兵士によればむごい死に方だったらしいよ。魔族っていうのは本当に人を食い潰す害獣さ」
「……そうか、ありがとな」
ミルは情報をくれた女に礼を言うとすたすたと歩き去った。
手に握り締めていた串が折れ、地面に当たってはねた。
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