14 ミルの視察と人の噂
遅れてすいませんでした!
ある晴れた日、ミルは幾つかの書類を確認していた。
「ふむ、うん!」
ミルは勢いよく立ち上がると、手を掲げる。
「『嫉妬』『全員今すぐここに来い』!」
ミルが言った途端、ミルを中心に波動が広がり、あっという間に城中を駆け巡った。
数分後、部屋の前には全員が集合していた。
「無駄に能力使わないでくださいよミル様!」
「別にいいだろ能力どう使おうが。まぁそれより話があるんだ」
ミルはコホンと咳払いをする。
「国が安定したため、ヤハウェに視察に行こうと思います!」
ミルがふふんとドヤ顔をすると、フィアは顎に手を当てて考え込む。
「確かにいいかもしれませんね。今まで人間がどうしているか全くデータにとってませんし」
「だろ!だろ!いい案だろ!それに攻め込むにしても土地勘はあったほうがいいからな」
「まぁどう動くにしろ土地勘はあったほうがいいよね。うん、僕は賛成」
「では私たちも賛成ということで」
「おし、そうと決まったら早速準備だ!」
ミルは床に向かって手をかざす。
「『暴食』」
床の上に、あっという間に物がでる。
その中には、金貨が入った袋に人間の服など様々なものが揃っていた。
「いつの間に」
「ふふん準備していたのだ!じゃあ行くぞ〜。飛んでいくけど人里近くなったら歩きに移行な。人に見えない奴は私の幻覚でなんとかするから」
「りょうか〜い」
数分後、ミルたちは山の上を飛んでいた。
「いや〜悪いなリリー。乗せてもらってよ」
「ううん!こんなときくらいしかミル様頼ってくれないもんね!」
現在リリーは怪鳥の姿になり、ミルたちを運んでいた。
「お、見えてきた。じゃああの塀の上に降りてくれ。そのあとは私が幻覚かけるから」
「は〜い」
そこは大変大きな街だった。
10メートル以上の高い塀に囲まれ、周りは深い川が流れており、唯一の橋がかかった先の入り口は兵士によって管理されている。現在はちょうど門は閉まっていた。
リリーは入り口から少し離れた塀に降り立つと、また元の子供の姿に戻った。
「おぉ〜、ついたな。それにしてもでっかいなぁ」
ミルは塀から飛び降りると、うまく家の屋根に着地する。
そのあとは屋根の上を走って路地裏に飛び降りた。
「よし、とーちゃく」
ミルがフゥっと息を吐くと、急に肩を掴まれる。
「ん?」
ミルが振り返ると、大柄なおとこたちが何人もミルを取り囲んでいた。
「ようお嬢ちゃん、俺らといいことしない?」
「…へぇ」
ミルの目の色が変わり、楽しそうに舌を出す。
「まずはお前らから情報収集、だな」
ミルは嬉しそうに呟いた。
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パソコンぶっ壊れたので少々お待ちくださいスイマセン!