3 赤い悪夢・2
「全く気に入らん。ルージュの奴め、基地を当ておうて」
ヴォルジーノはブツブツ言いながら、迫ってくる兵士や男を指からだすビームで吹き飛ばしていた。現在ヴォルジーノは元の姿に戻っている。
「全く、たった一つしかない基地であるぞ!我に譲ればよかったものを。そしたらもう少しは歯ごたえにあるやつがいたろうに」
そう言いながらも、迫ってくる敵を爪で二つに引き裂く。
「ん?」
建物の影を覗くと、そこには赤ん坊を抱えて震えている母親がいた。
「化け物ぉ!ヒィィ!!」
「フゥム、子供を守っておるのか」
ヴォルジーノはにこりと笑う。
「すまんな。ミルから皆殺しにせよと言われておるのだ」
ヴォルジーノは母親ごと、子供を縦に引き裂いた。
「おぉあったあった」
ひときわ大きい建物の天井を吹き飛ばすと、その中には避難していたであろう子供や女、老人などが怯えた目でヴォルジーノを見ていた。
逃げようにも出口はヴォルジーノがつかみ、塞いでいる。
ヴォルジーノは大きく仰け反ると、口から一気に中にブレスを吐いた。
ヴォルジーノがブレスを吐いた後には、大きな穴が開いており、その穴のふちに黒ずみの死体が幾つかあった。
「ムゥ、少しは発散されたかの」
ヴォルジーノ・サタンは機嫌よさげに炎が燃え盛る中を歩いて行った。