プロローグ
初投稿です。一応毎日投稿です。駄作ですが、温かく見守ってくれると嬉しいです。
なぜなんだろう。
少女はぼんやりと考える。少女の体は傷だらけだった。
なんで私なんてかばったんだろう。みんなはあの後どうなったんだろう。
彼女の周りは光が舞い、暖かかった。
私は誰かにどこかへ転移されている。そのことだけはわかった。
転移は新幹線並みの速さで移動するのに、まだ着かないということはかなり遠いところへ行っているのだなと思った。
少女は暇つぶしにぼんやりと今までのことを思い返していた。
少女の幼い頃の記憶は、親に殴られたりしている記憶しかなかった。
親がいないうちに、泣きながら公園で菓子パンをかじりついていた記憶が妙に覚えている。あの時は寒かったなぁと他人事のように思った。
小六の頃、大人の人たちが来て、親と離され、孤児院に入れられた。
中学校、高校の記憶はあまりない。ただ黙々と勉強のみをし、部活にも入らなかった。ただ、体育の成績は5は取っていた。
そういえば唯一、私に話しかけてきてくれた子がいた。その子と話すのは楽しく、久しぶりに笑えたのだ
が、告白をしてきて、振ったら翌日、交通事故で死んだ。それからまた、私の毎日は灰色になった。そうそう、名前は黒鳥渉だった。不器用だったけど、結構優しい子だった。少女はくすりと笑った。
それから大学に進学したのを機に、孤児院を出た。
ある日ぼんやりと空を見てたら、岸谷くんに声をかけられた。
暑いのか顔が真っ赤で、緊張してどもりながらお茶に誘ってくれた。人見知りなんだなと思った。なんだか笑ってしまって、ふと、私が笑うのは数年ぶりだということに気づいた。
その後、佐咲さんと、工藤くんに会い、四人でよく過ごした。
三人はあまり頭が良くなくて、しょっちゅう勉強を教えていたと思う。単位をガンガン落としていて、どのくらい出来るのかテストしたら、授業で習った事何も覚えていなくって、どうやって入学できたのって聞いたら、連続徹夜して、過去問を丸暗記してきたらしい。この時は私も呆れてしまった。
学校が休みの時は、みんなでいろんなところを旅行した。
日本全国をまわったら、今度は外国に行こう、と佐々木さんが言った。
それで日本中の都道府県をまわって、最後に奈良県に行って、その帰り道、工藤くんが運転してた車に大型トラックがすごい勢いで突っ込んできて、私たちはあっけなく死んだ。
それで気がついたら、私たちは草原にいた。そこは、ゲームで見たモンスターがウヨウヨいて、私たちは容姿が変わっていて、能力というものを使えた。
私は背が小さくなって十歳くらいの見た目になり、髪と目の色が変わっていた。
みんなは髪と目の色が変わっただけだから、私はしばらくむくれていた。
みんなで相談した結果、これは転生だろうということになって、ならば新しい名前を決めようということになった。そして、私、八橋小春はミル・フルアーデン、岸谷綾くんはラルド・コルダ、佐咲涼香さんはリラ・クリス、工藤大地くんはタム・ラーダになった。そしてこれからその名前で呼び合うことになった。
その後、私たちは冒険をして、夜になったら野宿した。結構楽しかった。
数日後、空から何か影が来た。影は私たちを攻撃して、戦った結果、見事に負けて私たちは逃げ出した。
隠れた岩に魔法陣があった。その魔法陣は転移のものだとわかった。
でもその魔法陣は一人用で、一度使ったらもう使えないものだった。
影はどんどん迫ってきて、私たちはボロボロでもう走れそうになかった。
人間の死体がいくつもあったから、この世界には死があるし、影と戦ったところで全員殺されるのは目に見えていた。
慌てる私をみんなはかばって、私だけが転移した。
あぁ全部思い出した。みんなは死んじゃったのかな、そう思うと涙が出た。
涙をぬぐっているうちに、転移の終わりが見えてきた。
そこは、洞窟だった。洞窟の奥を見ると、そこにはローブを着た緑の髪の少女がぶっ倒れていた。
次からは三人称に変わります。