魔法発生メカニズム
ロボットや工学が高度に発達したこの世界では、魔法を使う人たちもいた。
魔法を使う人たちにも資格があり、第1級から第5級まである。ちなみに第1級と第2級の間には準1級が、第2級と第3級の間には準2級がある。
それらは国家資格であり、このいずれかの級を合格した者は、魔法士の称号を名乗ることが許可される。
魔法とロボットは共存関係にある。
ロボットができないところを魔法でカバーし、魔法でできないことをロボットでカバーをするという体制になっていた。
例えば、大まかな外枠を作るのはロボット、こまごました部品を作るのは魔法士。
地震が起きた時、初期補修をするのがロボット、仕上げをするのが魔法士という具合だ。
長らく、魔法の発生メカニズムについては、謎であった。
だが、1級魔法士であったサルバトルイによって、始めて明らかにされた。
それによると思念能力と言われる能力がある人のことを魔法使いということができるそうだ。
思念というのは、思ったことを現実世界へ転送することができる能力と定義される。
この場合の転送というのは、思考世界と言われる、魔法使いが思い浮かべる世界と、現実世界の差異を埋めるように、現実世界の物質を動かすということとなる。
これが、魔法としてこの世界で広く使われている行為のメカニズムだそうだ。
魔法士の各級は、知識以外にも、この転送技術がいかに素早く正しく行えるかを見るテストでもある。
このように、魔法は解明されていった。
現在では、科学的見地からの魔法についての研究も行われている。
一説によれば、思考世界は各々異なっており、現実世界は一つだけしかないため、必ず何らかの弊害が発生するそうだ。
この際、強く思考世界を構築した方が現実世界へ転送することができるという研究結果が得られているそうだ。
今後の研究に、相当期待がかかっている。