2話
あの夢は何だったのだろうか。そう思いながら着替え始める。すると、携帯が鳴る。ディスプレイには彼の名前。背筋が寒くなった。
『偶然、だよね。』
変な考えを取り払って、通話ボタンを押した。
私が黙っていたことに疑問を覚えたからか、「どうした?」という彼の声が聞こえた。そんな彼の一言で安心するなんて、恋ってすごいと思う。『なんでもないよ』と返すと、「なんだよそれ」と笑いを含んで返ってきた。
『それで、朝から電話なんてどうしたの?』
「いや、なんとなく。
そうだ。折角なんだし、オシャレしてきてよ?」
『当たり前じゃん。』
少しの間だけ笑い合って、電話を切った。私はそのとき、彼のおかげで夢のことを忘れていた。
そして、忘れたまま公園へ向かった。彼はまだ来ていなかった。少しすると、彼が走ってきた。
「ごめん、待った?」
『私もさっき来たところだから。息切れてるけど大丈夫?』
「大丈夫だ。行くよ。」
『え、ちょっと待ってよ!』
走っていた彼を、急いでバッグを掴んで追いかけた。
彼は横断歩道の真ん中でコッチ見て笑いながら手を振っていた。
瞬間。彼のいた場所が真っ赤に染まった。
『嘘、嘘だよ。そんなはずない!だって彼、さっきまで・・・笑ってたのに!』
彼が死ぬなんて、ありえない。そう思ったとき、サブディスプレイに表示されていた時計の数字が反対に進み始めた。




