最後の砦、防衛と外交
〜「平和を守る」とは“戦わない”ことではない〜
「総理、台湾有事に備えて自衛隊の態勢強化を――」
国家安全保障会議(NSC)は緊張していた。
中国艦艇の活動、ロシア機の領空接近、北朝鮮のミサイル――
日本列島は、静かながら確実に“前線”となっていた。
経済を再建しても、医療を立て直しても、
この国が 物理的に存在できなければ すべては無意味だ。
俺は覚悟を決めた。
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■平和主義国家・日本が直面する現実
1. 周辺国の軍拡と“グレーゾーン”の急増
→ 軍事と民間の境界が曖昧に(偽装漁船、サイバー攻撃、情報戦)
2. “専守防衛”という言葉の限界
→ ミサイルは撃たれてからでは間に合わない時代へ
3. 日米同盟の“依存バランス”の歪み
→ 米軍任せの防衛から、自立的抑止力の構築へ
4. 国民の“防衛リテラシー”の低さ
→ 安全保障が「タブー」扱いされてきた教育・政治文化
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「日本は、“武器を持たないことで平和が守られてきた”と信じてきた。
だが実際には、“誰かが守ってくれていた”だけだ。」
国会でそう語ると、一瞬ざわついたが、反論は出なかった。
皆、薄々感づいていたのだ。
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■政策名:「現実的平和主義」再構築プロジェクト
1. 「領域防衛即応法」制定
→ 自衛隊の出動判断を迅速化。首相とNSCの判断で初動が可能に
2. 「サイバー防衛庁」創設
→ 国家機関やインフラへの攻撃に対応する専門組織
→ 民間企業と連携し、国内“サイバー国防網”を構築
3. 「国民安全教育」義務化(高校〜大学)
→ 戦争の歴史、防衛の仕組み、外交の意味を知識として学ぶ
4. 「日米同盟の対等化交渉」開始
→ 有事の共同指揮体制、経費分担の見直し、装備開発の共同化
5. 「自治体ごとの防災・防衛一体計画」策定
→ 避難・物資・通信体制を平時から自治体主導で整備
→ 有事・災害・テロを“一体の危機”として備える
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「総理、防衛力を高めることは“戦争を準備すること”だと批判が来ています」
報道官が慎重に言った。
俺は言い返した。
「違う。“備えがないこと”こそが、相手に“戦争の決断”を促すんだ。
戦わずに守るために、強くならなきゃいけない。俺たちがそれを忘れたら、
この国は誰にも守れなくなる。」
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■今日の学び:「“平和”とは、何もしないことで得られるものではない」
・外交とは「話し合い」ではなく、「交渉」である。
・その裏には、必ず“力の前提”がある。
・理想を語るためにこそ、現実を理解しなければならない。
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俺は日記にこう記した。
> 理想と現実を切り分けてはならない。
平和を願うなら、平和を壊そうとする者の視点に立たなければならない。
この国を守る責任は、過去の世代から未来の世代への“橋”だ。