税金の使い道を“見える化”せよ!
総理大臣執務室——そこは、まさに日本の心臓だった。
書類の山、鳴り止まぬ電話、そして無限に押し寄せる「ハンコ待ち」案件の列。石破総理……いや、俺は机に肘をついてうめいた。
「これが……この国のトップの仕事量か……!」
前世では経理部だったから多少の紙仕事には慣れていたが、それでもこれは異常だ。しかも、そのほとんどが“誰がどう税金を使ったか”の報告や承認だった。
その時、俺の中でスイッチが入った。
「……この国、国民が税金の使い道を知らなすぎるんじゃないか?」
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■作戦名:「税金の見える化」プロジェクト始動!
翌日の閣議。
「わたしは、全省庁・地方自治体に対して、予算の使い道を“1円単位で”オンライン公開することを義務化したいと思います!」
一瞬、時が止まる。官僚たちの顔がこわばる。古株の財務省官僚が口を開いた。
「……総理。それは、現場に混乱を招く恐れが……」
「混乱? 現場より国民のほうがよっぽど混乱してるぞ。自分の払った税金が、どこにどう消えてるのかすら分からない国って、おかしいと思わないか?」
場がざわつく。しかし、ひとり、若手議員が立ち上がった。
「……私は賛成です。SNS世代にとって“透明性”こそが信頼の証。税金の透明化は、政治への関心を取り戻す一歩になるはずです!」
——こうして始まったのが、日本史上初の「税金見える化」プロジェクトだった。
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■今日の学び:「見える化」は信頼を生む
日本はOECD加盟国の中でも、比較的「高負担・中福祉」型の税制をとっている。
しかし「税金=無駄に消える」という印象が拭えないのは、情報の不透明さが原因だ。
例えば、デンマークやスウェーデンでは、誰でもWeb上で税金の用途を確認できるシステムがある。それにより国民の納税意識も高く、「納得して払う」文化が根づいている。
つまり、第一歩は「納得できる国づくり」だ。
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俺は原稿用紙にこう記した。
> 「政治に興味がない」じゃない。「信じられないから関われない」のだ。
だったら、まず“信じられる政治”を作ることから始めよう。