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始祖の魔導書  作者: 富良斗雫
第一章
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邂逅

階段を降りた先には、扉があった。そこには魔法陣が刻まれていた。しかし、それは光を失っている。魔術は起動していないようだ。陣をよく見ると、魔力回路が欠けているところがある。多分、ここが欠けたために魔法陣は効力を失ったのだろう。

 倉庫入り口の魔法陣は複雑過ぎて全く解析出来なかったが、この魔法陣は少しだけなら解析出来そうだ。

「うーんと、何かを封印してたのかな?」

 しかし、それも効果を失っていては意味がない。

 とりあえず、中に入ってみるか。


 中に入って驚いた。部屋が新築のような綺麗さを保っていたからだ。部屋の中は薄暗かったが、それは分かった。

 上の倉庫とは違い、こちらには作業台や様々な素材のような物があり、工房のような印象を受ける。恐らくこの工房で作られたであろう物もあった。

 そういえば、始祖は偉大な魔術師であるとともに、優れた魔道具師でもあったそうだ。代表作としては、始祖が愛用し、現在は失われたとされる魔導書《始書》が有名だろう。この工房も始祖が使っていたのだろうか。

 過去の情景に思いを馳せながら、工房を見回す。

 すると、一冊の古びた本が目についた。何となく近づいてみる。

 昔は美しかったであろう装丁は、変色し、ボロボロになっている。

 その本に手を伸ばす。

 僕の手が本に触れた瞬間、表紙に魔法陣が浮かび上がった。

「おお……。」

 みるみるうちに本の傷みが修復されていく。数秒経つと、僕の前には美しい本があった。

 

 本を開こうと思ったその時、

「やあ、君はだれかな?」

後ろから声が聞こえた。

後ろを振り向くと、どこか見覚えのある男がいた。

「貴方は……?」

男を警戒しながら聞く。

「俺か? 俺は、アルベールだ」

「何故ここに?」

「それよりも、俺が名乗ったのだから君も名乗るのが道理ってやつじゃないか?」

 このセリフ、一回言ってみたかったんだよね、ちょっと違うけどーーとか呟いている。

 怪しい。

「まあ……、そうですね。僕はレーベンス・グリモワルです」

「グリモワル……? 偶然かな?

まぁいいや。さっきの質問に答えよう。ーーここが俺の家だからだ」

「そんなはずは……。ここは始祖の代ーー1000年前からグリモワル家のもののはず……」

「1000年前だって……?ねえ、今は第二水暦(だいにすいれき)何年だ?」

 こいつは何を言ってるんだ?

「水暦? 今は第二土暦(だいにどれき)952年ですけど……」


 この世界では、暦は四つあり、それが千年ごとに入れ替わっている。

 なぜそんな仕組みになっているかというと、千年ごとに環境が大きく変化するから、らしい。

 例えば、火暦では気温が異常に上昇し、水暦では気温が異常に下がる。土暦では天変地異が起こり、風暦では異常気象が頻発する。

 そして、その暦が作られてからの四千年間を第一〜暦とし、それ以降は第二、第三とつながる。

 つまり、今は暦が作られてから六千と九百五十二年目、というわけだ。


「土暦952年……。タイムスリップか? 異世界転生があるぐらいだからありえるか? いや、そういえば俺は死んだはずじゃ……。どういう事だ……?」

男は顎に手を当てて考え込んでって、て、手が顎をすりぬけている!?

「てっ、ててて、手があ、顎を……」

「ん?手?……うおっ、なんで!?」

 男は身体のあちこちをペタペタと触っている。……もっとも、全てすり抜けているので音はしないが。

 登場人物の名前の呼び方が本名と愛称とでブレてたりしたら、報告お願いします。

 その他、不自然な点、誤字脱字等ありましたら是非報告をお願いします。


 暦の話は、そうゆうものなんだな〜、と軽く流してください。正直、暦の名前をどうしようかと思って考えついた後付け設定ですし。

 何分、千年単位の変化ですので環境が大きく変わる頃には、主人公たち死んでます。

 本編にはあまり関係ありません(多分)。

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